人を動かす、新たな3原則 売らないセールスで、誰もが成功する! (講談社+α文庫)
- 講談社 (2016年3月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062816564
作品紹介・あらすじ
実際に商品の売買を伴わなくても、売り上げをあげるような商取引でなくても、現代人はかなりの時間を、他人を動かして影響を与えることに費やしている。
具体的には、相手を説得したり、容認を求めたり、あるいはなにがしかの資源(リソース)と引き換えに利益を提供したりしている。
つまり、現代人は誰もがセールスパーソンなのだ。
『モチベーション3.0』のダニエル・ピンクがおくる、21世紀版「人を動かす」3原則!
感想・レビュー・書評
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この本で筆者は、「人を動かす」こととは「モノを売らないセールスである」という考え方に立ち、この新しいセールスが成功するための方法を、3つの特質と3つのスキルという形に整理して分かりやすく説明している。
3つの特質は、
・同調
・浮揚力
・明確性
である。
同調とは、相手との調和を築く能力であるとも言える。一方的に売り込むということではなく、相手と社会環境や背景を共有することによって、人を動かす説得力が得られるという考え方である。
浮揚力とは、精神的な強靭さと適度な楽観主義を兼ね備えた姿勢であり、相手を動かすという困難なことに取り組む上では、必要な心構えである。
そして明確性とは、相手の課題が何であるか、自分のメッセージが何であるか、ということを発見的に明らかにできる力である。
一方の3つのスキルとは。
・ピッチ
・即興
・奉仕
である。
いずれも、これまでセールスのスキルとしては取り上げられていなかったり、別の内容として捉えられていた事柄である。
ピッチは昔からセールスマンの必須スキルとも言われてきたが、現在はより短い時間で、相手の心を動かすメッセージを届けなければいけない。そのためには、シンプルなキーワードや質問の力などを織り交ぜていくことが必要である。
即興については、相手とのコミュニケーションのやりとりを円滑に進めていくことに関連した力である。ポジティブな言葉で会話を続けていくこと、そして何よりも相手の話を時間を掛けて徹底的に効くことが求められる。
最後に奉仕とは、相手が期待した以上のことを提供するというあり方であり、それをするためには、セールスの相手を人間としてより尊重し、顔が見える関係性のなかでサービスを提供することが大切である。
本書で紹介されているこれらの要素は、全体として従来の一方的なセールスからの転換を示しているように感じた。
顧客側も十分な情報収集ができる時代になり、逆に非常に選択肢が増えたことで、自らが何を求めているのかが分からなくなってきた時代に、我々は生きている。
そのような時であるからこそ、一方的にセールスする側のメッセージを伝えるのではなく、相手の課題解決、隠れた要望を、対話のなかで炙り出していくようなセールスのあり方が、求められているのであろう。
この本では、そのような視点でのセールスのあり方について、具体的な練習の方法や発想の仕方を紹介しながら、解説してくれている。とても理解をしやすい形なっており、一つひとつを実際の生活のなかで試してみることができるように感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人を動かすために
・相手の立場を理解すること
・具体的な提案をすること
・断られてもへこまないこと
が大事と。