骨、家へかえる (講談社Birth)

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062828024

作品紹介・あらすじ

帰る家を探す智子、駆け抜ける俊敏な馬を見落とす陽平、午後四時の只中に立ち尽くす詩子、電気椅子で死刑執行を待つ滝也。交錯する四人を描く美しき文体の表題作。他に、敬愛する作家へのオマージュとも言える「美代子の満開の下」収録。今、もっとも注目される気鋭詩人の初小説、純文学に期待の大型新人登場。中原中也賞詩人が描く交錯する男女のかなしさ。

感想・レビュー・書評

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  • 「うまれたことのこうかいか/しんでいくことのこうかいか」行き先などとっくに失くしてしまっていた。出口のない森に迷い込んだちっぽけな自分を思い浮かべる。悲しく愛おしい。言葉がひとつひとつ沁み込んでくる。痛みを実感。なのにこのやさしさはいったいなんなんだろう?詩も読んでみよう。

  • 心にそれぞれの想いを抱えた人々。それがパズルのように組み合わさっていく、その過程が面白かった。

  • 人は「差異」を敏感に捕獲し蓄える。
    この小説では四人の男女の「差異」による内省が、スクランブル交叉点を歩く人間の如く同時に、肩をぶつからせながら描かれている。
    貴方又はあの人と私、記憶と現在、真意と意図。

    一つ言えるのはそこには私が常在し、私による価値基準で、私が持つ判断材料で「差異」と下し距離を置くのである。私が私であるが故に感じてしまう「差異」であれば私でなければ良い、と前に読んだ著者の詩集で、もや掛かる違和感があったのだが、今回は受容があり感じなかった。

    独自の美しい言葉が置かれている。

  • 群像2009年8月号書評より

  • 090718

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著者プロフィール

北海道札幌市在住。一九八一年鹿児島生まれ。大学在学中に現代詩手帖賞、第一詩集で中原中也賞を受賞。第二詩集で南日本文学賞を受賞。執筆の他、朗読活動も精力的に行い、多くの国際詩祭に招聘される。一カ月の間、欧州を旅して執筆した第五詩集『隣人のいない部屋』で萩原朔太郎賞を受賞。代表詩篇は翻訳されアメリカ、メキシコ、フランスをはじめ他国でも紹介されている。二〇二〇年に第八詩集『どこにでもあるケーキ』をナナロク社より刊行。

「2022年 『空気の日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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