働く。なぜ? (講談社現代新書)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062882309

作品紹介・あらすじ

どうして仕事に前向きになれないのか? 企業が求める人材像ってなぜ抽象的なのか? グローバル人材とはどんな人か? 「やりたいことをやりなさい」と言うけれど、それが見つからない場合には?・・・。大人も若者も、私たちの周りには「働く」ということにまつわるさまざまな疑問があります。そして、そのほとんどが、簡単には答えられない、「働く仕組み」がわかっていないと答えられないものです。 本書の著者は、これまで1万人以上の採用面接を行う一方で、若者と新型うつの問題にいち早く警鐘を鳴らしてきた人事のプロです。本書はその著者が、現場で考えに考え抜いて作り上げた「仕事の窓」という概念ツールを使いながら、日本企業の働く仕組みを鮮やかに明かし、職場に渦巻く働くことにまつわる疑問を解く一冊です。

感想・レビュー・書評

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  • 結構前からチョビチョビ読んでいた本
    やっと読み終わりました・・・
    ちょっと期待していた内容と違ってたなぁ~

    付箋部分をご紹介します

    ・ところが仕事を「手段」とみなす人にはその覚悟がありません。そこには仕事を貫き
     「通す」覚悟がないのです(p58)

    ・世の中には動脈産業があれば静脈産業もあります。生にかかわる仕事があれば死にかかわる
     仕事、忘れ去られる仕事もまたあるのです。要するに、そのどちらかが欠けてもこの世の中は
     回らないのです。・・・中略・・・それでも萎える気持ちをどうやって支えるか。
     答えはただ一つ。「人のため」です。その「人のため」があるかないか(p83)

    ・大江さんは私に、「やりたいこと」ではなく、「やるべきこと」をやりなさいという
     メッセージを遺してくれたように思っています(p90)

    ・市川春猿の言葉
     自分を持つことは大事です。確固とした自分を持っていなければ、つらいことは乗り越えられません。
     夢だってつかめません。でも、それは頑固とは違う。人の言うことをいったん受け入れて、自分の
     フィルターを通し、取捨選択をする。そして、必要なことだけ引き出しに入れておく。
     これができる人こそが、皆を引きつけるような魅力を持てるのだと、私は思いますよ(p119)

    ・「真の課題」とは何かを先ずは互いに再確認する。西郷南洲の遺訓にしたがえば
     「人を相手にせず、天を相手にせよ」です(p177)

  • 就職活動を一応行っている身としては、「なぜ働くのか?」ということに興味をもち、読んでみた。
    本書が最終的に何を言いたかったのかを自分的に要約すると、

    「まずは働いて目の前の仕事しっかりやれ、地味だけど必要で大事だから毎日同じことやってるんだぞ、だから基本的な毎日の仕事をしっかりな。それが人の役にもたってるし、基本的な仕事を頑張ればお前はほかの仕事もしっかり任せられる人と思われるからな。やるべきことをやりたいことにする見方をする。それが大事だぞ」

    といったところでしょうか。
    言いたいことはわかったのですが、ちょこちょこ言い返したくなるような部分もありました。
    しかし、日本社会が未だに”就職”ではなく、”就社”であることを考えると現実的で実用的な書だとは思います。
    内定が決まった就活生とか、新社会人とかは読んでみてもいいかもしれません。

    ただ、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」という言葉もあるように、別に著者や本書が気に食わないわけではありませんが、ちょくちょくいちゃもんをつけたくなる部分も出てきてほかの部分にもいちゃもんをつけたくなるような気分に・・・ってスイマセン(笑)
    それが☆2つに反映されているかも(笑)

    ただ、仕事をしていく上でのキャリア形成にはいい本だと思います。読むときには手元に電子辞書があるとなおいいと思います。著者は四字熟語が好きなのか、ちょくちょく出てくる印象でした。

  • 働く意味とは?

    →職業人生40年の土台の作り方として、
    1.姿勢とPDCAを回す力から成る仕事に向き合う基本
    2.いつもと違う仕事を3割行う仕事の窓
    3.いつもと同じ仕事の量を通して仕事や会社の本質を掴み、勘を養える
    4.石の上に3年
    5.下積み10年

    天職に就きたい、人のために尽くしたい、やりたいことをやりたいと願うなら、他社意識がなければならない

  • 内容が若干くどいものの非常にすっきり理解出来た。

  • 働くということについて。
    仕事をマトリックス化しているんだけど、それが妙にわかりづらい。
    ずっとそのマトリックスがベースになるので結構ぐだぐだ。

  • しごと壁・しごと穴
    しごと穴の仕事人になり、いつもと同じしごとから「良い偶然」を引き寄せる

  • 教員の推薦図書。
    教員からのコメント:学生の就活及び就職後のキャリア形成に役立つ

  • 働くことを4象限に分ける。いつもと同じ仕事ーいつもと違う仕事、しごと壁ーしごと穴。
    しごと穴とは、仕事を通じて、貢献するとか、自己表現するとか、しごと壁はいわゆる生きるためのなりわいの部分のイメージ。
    こう言った整理で、日本的な労働に関する考えや、最近の変化を分析解説している。面白い。

  • 新日鐵入社、現・新日鐵住金ソリューションズ人事部長の中澤二朗(1951-)による仕事論。

    【構成】
    序 章 留学生の「働くなぜ」
    第1章 仕事の窓-「働くなぜ」を解き明かす鍵
    第2章 なぜ人は仕事を嫌い、仕事に希望を託すのか-「仕事の窓」の4象限
    第3章 なぜ石の上に三年、下積み十年-「仕事の窓」のからくり
    第4章 なぜ「就職」ではなく「就社」か-長期観察・長期育成・長期雇用
    第5章 なぜ仕事に「前向き」になれないのか-職業観の形成
    終 章 やるべきことを、やりたいことに-命の使い方

    人事屋という生き物は口だけで生きているので、語りたがり屋が多い。
    そして、営業本と並んで「仕事とは論」をたくさん世に送り出している。
    そして多くの場合は、現状を緻密に分析するというよりは自身の経験に即して主観的な感想を垂れ流している。あるいは、ベンチャー起業者が手がけるような夢と希望ばかりの語りは、その対局にあるが主観論であることに違いはない。

    そこにいくと、本書はそれら類書よりは読む価値がある。
    やたらと根性論や浪花節を強調するわけでもなく、仕事は基本的に地味で単調だし、地道に続けていきながら見えてくるものがあるんだよと説かれる。
    当たり前と言えば当たり前であり、「何を今さら」と思う人も多いと思うが
    現状を認知して、地に足をつけるところから議論をスタートできていない人間がいる中ではそれも必要なことだろう。

    思い出話的な要素もあるし、どこまでいっても大手鉄鋼メーカーという特殊な立場を離れた意見は見当たらないが、「それなりに理解ある人事屋さん」の思考方法をつかむにはいいだろう。それはとりも直さず、一般的な大企業が若手社員に求めていることであろう。
    ただ、現在の若手が直面しているジレンマはより深刻で複雑だということを、筆者は知っておくべきだろう。

  • 「しごと壁」「しごと穴」がキーワード。この概念がしっくりこなかったので、読み進んでも著者の本意との解離感を感じていました。
    読み終えるこりに「しごと壁」「しごと穴」の意味に気がつき、しっくりきました。

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