哲学の練習問題 (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 89
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062924801

作品紹介・あらすじ

後ろ向きに走ることができますか? たぶん、多くの人は全身に「違和感」が生じて、数メートルも走れたら上出来でしょう。
それが難しければ、今度は横歩きしてみましょう。身体の右を前にしても、左を前にしても、身体は同じように動いてくれるでしょうか。
──本書は、こんなエクササイズを身体だけでなく心や思考にも施して、もっと自由に生きられるようになるための教科書です。
身体にせよ、思考にせよ、私たちにはまだ開発されていない能力が無数にそなわっています。でも、「学習」によっては、それを開発することはできません。大事なのは、能力を作り出すこと。そのために、発達をリセットすること。本書には、それを一人でも実行できる具体的なエクササイズが数多く紹介されています。
経験は「名詞」ではなく「動詞」です。本書を手引きに、触覚とイメージを使ったエクササイズを実行してみれば、今まで知らなかった自由の中にいることが分かるでしょう。それこそが「哲学」の力です。
さあ、未知の自由に向かって一歩を踏み出しましょう!

【本書の内容】
練習問題1 創造性への屈伸運動
練習問題2 浦島太郎の玉手箱の秘密
練習問題3 意味の手前で……
練習問題4 目盛りを変える、目盛りをなくす
練習問題5 見えないのに知っている、触れている
練習問題6 目はいかにして生まれたか
練習問題7 スチュアート君の指先
練習問題8 寺田寅彦とともに
練習問題9 日常性のほんの一歩先
練習問題10 見えないが自明な行為の手がかり
練習問題∞ レッスンの終わりに

感想・レビュー・書評

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  • 哲学の練習問題という名前から、難解な文章を想起していたが、予想以上に読みやすい内容であった。
    じっくり読まないと頭に入ってこない内容ではあるものの、各章が20ページ程度で構成されており、挫折するような本ではなかった。
    固定観念から離れて考えるきっかけを複数与えており、日常考えることのないことばかりで非常に面白かった。
    途中から脱線気味であったことがマイナスポイントではある。

    • たっくすさん
      練習問題一つ出してくれ
      練習問題一つ出してくれ
      2020/11/29
    • ヴィラさん
      光の裏側とか重力の内側をイメージする、やね。
      言葉の意味ではなくて、内実が何かを感じとるようにしてみる、ってこと。
      光の裏側とか重力の内側をイメージする、やね。
      言葉の意味ではなくて、内実が何かを感じとるようにしてみる、ってこと。
      2020/11/29
    • たっくすさん
      さんがつやで
      重力の内側って馴染みない言葉やなあ
      裏と内を意図的に使い分けてるんやろか
      さんがつやで
      重力の内側って馴染みない言葉やなあ
      裏と内を意図的に使い分けてるんやろか
      2020/11/30
  • 多分読み返さない

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/741933

  • 何かの本で読んだ「思考は肉体を伴う」という一節を思い出さずにはいられない一冊。
    元は『オートポイエーシスの練習問題』というタイトルだったらしく、オートポイエーシスが果たしてどんなものかはこの一冊を費やしてもなお読者が明確に言語化することは難しいのではないかと思われる。なんとなくは飲み込めた気がするけれどはっきりとはわからない。ただこの本は哲学の本というよりはきっぱりオートポイエーシスの本なのだと思う。広義で哲学の本ではあるのだろうけれど。

    一冊に出てくる知識の幅がとにかく広い。建築デザインから脳神経科学、生物の発達の歴史を辿り、認知運動療法を通じて思考のエクササイズへ。思い出せる限りを書き出しただけでもどういうこと???
    あんまりあちこちに話が飛ぶので何を読まされているのかわからないような気分になりつつも、文章そのものは概ね読みやすくて内容も興味深いから困る。なお終盤の章は例外で全体的に難解で理解できたとは言い難い。
    あと注釈で解説される人物の紹介も個性的で面白かった。読みたい本が増えてしまった。

    今の自分にとって身になる部分があったのかわからないけど、何かに行き詰まり壁を感じることがあったらきっと気になる部分を読み返すと思う。

  • 創造性への屈伸運動
    浦島太郎の玉手箱の秘密
    意味の手前で
    目盛りを変える、目盛りをなくす
    見えないのに知っている、触れている
    目はいかにして生まれたか
    スチュアート君の指先
    寺田寅彦とともに
    日常性のほんの一歩先
    見えないが自明な行為の手がかり
    レッスンの終わりに

    著者:河本英夫(1953-、鳥取県、哲学)

  • 練習問題と銘打ちつつ、途中から(眼の誕生あたりからか)、読者を置き去りにし、著者の興味関心に向かって暴走するところ、良かった。

  • タイトルにあるように「練習問題」として臨めるのがいい。普段の何気ないことに目を向けてみる。コツと才能の違いとは?新たなものを見出すということは?そして間違っていても問題ない。なぜなら人間は発達のリセットができるから。

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著者プロフィール

1953年、鳥取県生。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了(科学史・科学基礎論)。現在、東洋大学文学部哲学科教授。専門は哲学・システム論・科学論。著書に『オートポイエーシス』『〈わたし〉の哲学』『哲学の練習問題』など多数、編著に『iHuman──AI時代の有機体-人間-機械』『見えない世界を可視化する「哲学地図」──「ポスト真実」時代を読み解く10章』など多数。

「2022年 『創発と危機のデッサン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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