- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062935180
作品紹介・あらすじ
和服イケメンとほんわか老女が地味リケジョをご招待!? 今宵も謎めく、黒猫の食卓へようこそ。
地味リケジョの律を夕食に迎えたのは、和服イケメンの竜弥とほんわか老女の文絵。謎めいた話を聞き出す竜弥と五十年前から時が止まっている文絵が交わす会話はまるで夫婦!? 見つめるだけで料理をおいしくする不思議な黒猫・フミエも怪しい。
「黒猫邸」シリーズ開幕! おいしさと切なさに溢れるほっこり系ミステリ。
感想・レビュー・書評
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表紙から、内容がファンタジーかあやかしかと思ってしまうが、ミステリーの要素がたっぷりで、ほっこりするあたたかさを持ったいい話だった。
奨学金を出してもらったおかげで、無事大学院を出て、就職することのできた小窪律と、同じく高校までの資金を出してもらったチンピラ風の今村が、奨学金を出してくれた鎌倉の老婦人楢村文絵に自宅まで招かれるが、文絵には20歳台の夫がいて、なんだか奇妙な感じ。奨学金の審査の面接のときに話した、自分と友人のとんでもない中学、高校時代のエピソードを謎として、夫(!?)の竜弥にもう一度話したところ、たちまちに謎を解いてしまう。今村の凄絶な人生の謎仕立ての話も同様に解かれる。どうも、文江は呆けてしまって、21歳の新婚時代に戻ってしまっているようなのだ。いったいこの竜弥というのは何者?
なかなかユニークな筋立てで面白いし、最後には、おっと驚くこともあって、この小説は掘り出し物だったよ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
社会人一年目のリケジョ、昭和レトロな長屋で暮らす老女とその夫だという若いイケメン、ガラの悪い男といった個性的な面々に、不思議な話のちょっとした謎解きあり。
老女はなぜ不思議な話を集めているのか、イケメンとの関係は何なのか。
そんなに深刻なミステリーではないし、ややファンタジーな感じもあり、軽い雰囲気でさくっと楽しめた。 -
超理系の律ちゃんがなんか好き。謎にまつわるお話も、楽しめた
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はじめましての作家さん。
テンポよくて読みやすかった。
ほっこり読み終えられてよかった。小説は、やっぱりこんな読後感が好き。
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地味リケジョの律を夕食に迎えたのは、和服イケメンの竜弥とほんわか老女の文絵。謎めいた話を聞き出す竜弥と、五十年前から時が止まっている文絵が交わす会話はまるで夫婦!?見つめるだけで料理をおいしくする不思議な黒猫・フミエも怪しい。おいしさと切なさに溢れるほっこり系ミステリ。
嬉野先生はこういうファンタジーなのかミステリなのか迷うような作風なんですね。結局文絵が律と今村を呼び出して会ったのは、彼女自身が竜弥の秘密を知っていて責めているということを本人(というか実際は佐田)に伝えるためだった。本当にショックだったんだろうし言えなかったのも分かるけど、そこまでしても最後には許すのかと思ってしまった。私だったら、多分、無理だな。それが死を迎えるからなのか、本当に愛していたからなのかは分からないけれど。そもそも文絵と竜弥の出会いって偶然じゃなかったんかいwそこまでして愛人を作るって、ほんと分からない。 -
初著者。
面白かったけど、読んでも読まなくてもどっちでもいいなあ。和服イケメンということで、映像化向き。