私の命はあなたの命より軽い (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062936729

作品紹介・あらすじ

東京で初めての出産をまぢかに控えた遼子。夫の克哉が、突如、ドバイへ赴任することになったため、遼子は大阪の実家に戻り、出産をすることに。だが、実家に帰ると、両親と妹・美和の間に、会話がないことに気がつく。そして父は新築したばかりの自宅を売却しようとしていた。不穏な空気が流れる実家で、出産への不安と家族への不信感があふれ出る……そして明らかになっていく家族を襲った出来事とは――。

感想・レビュー・書評

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  • 『あなたが他人より幸運だと思うことはなんですか?』

    なかなか難しい質問ですね。人によって価値観は異なります。本人が自分は恵まれている!と思っていることだって、必ずしも万人がそう思うかどうかは分かりません。便利な都会に暮らせて良かったと思う人がいれば、素晴らしい自然の中で田舎生活を満喫されている人もいらっしゃいます。それぞれの人は自らを他者と比較して、『幸運だ』と思っていてもそれが絶対基準でないことはこの例からも明らかです。使い切れないほどのお金があっても、世界的な名誉や栄誉があっても、そして何かしらの飛び抜けた才能があったとしても、必ずしも万人がそのことを幸運の絶対的価値とは認めないでしょう。

    では、万人ではなくても恐らく多くの方が羨む幸運にはどんなことが考えられるでしょうか?

    そんな質問に『家族と仲がいいこと。家族に恵まれていること』と答える女性が主人公となる物語があります。『美人なわけでもなく、とびぬけて頭がいいわけでも、特別な才能があったわけでもない』と語るその女性は、『人間関係に恵まれているということは、とても幸せなことだ』と続けます。

    この物語は、そんな風に『家族と仲がいいこと』を『他人より幸運だと思う』と語る女性が、人生最大のライフイベントとも言える出産を前にして、幸運だと思っていた土台が揺らぎ始めていくのを感じる物語。そして、『生まれてくるわたしの赤ちゃんのために』と、そんな土台の揺らぎに『不安になっている隙などない』と向き合っていくその先に、家族に隠されていたまさかの真実を目にする物語です。

    『遼子。俺、来月からドバイに短期赴任だって。半年』と、唐突な話を聞いて『勢いよくベッドから起き上がった』のは主人公の遼子。『来月半ばが予定日なのよ。職場の人だって知ってるでしょう』と、臨月を目前にした遼子は夫の克哉に詰め寄ります。『克哉が働いている研究室は、去年までのわたしの職場』だったという遼子は、元上司を恨みます。『俺がいない方が遼子も楽なんじゃないか?』という克哉の一言に『絶望的な気持ちになる』遼子は、一方で『出世コースに近い人ほど、海外での仕事にまわされる』という会社の風土を思い複雑な気持ちになります。『ねえ、なんとかならないの?出産のとき、ひとりなのはいや』と言う遼子に、『大阪の実家に帰ったらどうかな』と提案する克哉は、『出産のとき、実家に帰る女の人って、ときどきいるだろう』と続けます。『就職のため、大阪から東京に出てきて三年』、『実家のことが嫌いなわけではない。むしろ、両親とも、年の離れた妹の美和とも仲良しだ』と思う遼子。しかし、『なにかが胸に引っかかっている』と感じる遼子は『新しい大阪の家、あんまり好きじゃないの』と去年引っ越した新しい実家のことを『もうわたしの家ではない』と感じています。『それは慣れてないからだよ』と克哉に諭された遼子は『明日、お母さんに話してみるわ』と話を終えました。そして、改めて自分の家族のことを考える遼子は『なにより父と母が仲良し』、九歳の時に生まれた妹の美和とも歳が離れているが故に逆に仲が良いと、『家族と仲がいいこと。家族に恵まれていること』が自身にとって幸運なことだと改めて感じます。そして、翌日の夜に実家に電話をし、『わたし、そっちに帰ろうかなと思って』と切り出すと『え?』と電話の向こうで戸惑う母親を感じる遼子。克哉の赴任のことを伝えるも『ちょっとお父さんと相談してみてもいいかしら』と戸惑うばかりの母親に『喜んで「戻ってきなさい」と言ってくれる』と信じていた遼子はショックを受けます。二日後、『大丈夫だから帰ってきなさい』と母親から電話を受けてほっとするも、続く会話に『歓迎されてない』雰囲気を感じ取る遼子。そんな時、『遼子…』と母親は急に声を詰まらせます。『さざ波のような不安が胸に広が』ったという遼子はその続きを待つも『…なんでもないわ。帰ってから話す』と話してくれません。『もう終わったことだし』とも言う母親。結局、聞けずじまいに電話を切りました。そして、『大阪市内から電車で二十分ほどの郊外にある』実家へと向かった遼子はそこに何か違和感を感じます。そんな時、『遼ちゃんお帰り!』と『十代のはち切れそうな身体に抱きつかれ』て驚く遼子は、そんな妹の美和の一見変わらぬ様子に安堵します。一方、二階に目をやると『これまで見たことのないような冷たい表情』でこちらを見る父親の姿がありました。『なにかがおかしい』と夕食時にさらに違和感を感じる遼子。『懐かしい料理に夢中になって』いたものの、『誰も目を合わそうと』せず、一方で『会話だけは、絶えず続いている』という食卓。そんな中で『あ、お腹の赤ちゃん動いてる』と、『空気を和ませようと』言った一言で、一瞬にして場が凍りつきます。そして、『よかったねえ』と、『にっこりと微笑』む美和に、逆に『ひどく突き放されたような気がした』という遼子。そして、そんな何か不穏な空気の漂う家族の中で、出産への日々を送る遼子の前に、家族の中に隠されていた驚愕の真実が明らかになっていく物語が始まりました。

    「私の命はあなたの命より軽い」という衝撃的な書名のこの作品。その書名からもミステリーの要素がとても強い作品ですが、一方で私はある種の”マタニティ小説的”な側面に興味を持ちました。私が今まで読んできた”マタニティ小説的”な作品には、角田光代さん「予定日はジミー・ペイジ」、小川洋子さん「妊娠カレンダー」があります。いずれも妊娠した登場人物が、出産のXデーを迎えるまでの日々が物語の核として描かれていきます。角田さんの作品は文字通りの”マタニティ小説”であり、主人公の妊娠から出産に至る感情の変化をそのまま物語に落とし込んだものです。一方で小川さんの作品は、姉の妊娠を『観察する』主人公という不思議な位置付けの中で物語は進んでいきます。そして、この作品では角田さんの作品同様、出産を控える主人公視点で物語が描かれています。そして、その表現がなんともリアルです。もちろん私には出産経験はありませんのでそれがどこまで本当の意味でリアルなのかは分かりませんが、少なくともリアルに感じさせる表現が頻出するのは間違いありません。幾つかご紹介したいと思います。まずは『どれほど痛いのだろう。どんなに時間がかかるのだろう。陣痛が起こってから、八時間だとか十二時間とか聞くと、気が遠くなる』と”その時”のことを思う遼子。『大きなお腹はさすがにうっとうしいから、早く生まれてほしいと思う一方、できるだけ先延ばしにしたいとも思うのだ』と来るべきXデーを不安に感じる様を描きます。また、その日常生活では『妊婦雑誌に載っていた、骨盤を開いて、赤ちゃんを通りやすくするというストレッチ』をする遼子がこんな風に描かれます。『ストレッチをしているうちに、トイレに行きたくなってくる。膀胱が圧迫されているから、異常にトイレが近くて困る』という妊娠期の日常の何気ない一コマを垣間見せてくれるその表現。そして、そのXデーのまさしくその瞬間を描く場面では『よく、今まででいちばん痛かった、などと聞くが、そんなものではない。桁違いの痛さだった。野生動物のようなうなり声をあげて、のたうち回った』という遼子は『痛い痛いと声に出して叫んだ。拷問を受けている気がした』とその瞬間の苦痛を表現します。さて、このあたり、出産を実際に経験された方はどのように感じられるでしょうか?

    そして、そんな物語は、妊娠から出産へと至る、本来周囲から一番優しく保護されるべき時期に、保護してくれるはずの『家族』から、真逆の立場に追い込まれて苦悩する遼子の姿が描かれていきます。

    『あなたが他人より幸運だと思うことはなんですか?』

    …と聞かれたら

    『家族と仲がいいこと。家族に恵まれていること』。

    と答えるだろうと考えていた主人公の遼子。しかし、最愛の夫は、出産を控える遼子を置いての海外赴任を断ってはくれず、『大阪の実家に帰ったらどうかな』と逆に提案してきました。サラリーマンという立場で生きる以上、タイミングによってはこういったことは誰にでも降りかかり、そこでどういう判断をするかはある意味その人次第です。必ずしも克哉を一方的に責められもしないでしょう。なかなかに難しいシチュエーションを設定するものだと思いますが、それ以上にこの作品の核心をついていくのが大阪の実家の状況でした。実家で産みたいことを伝えても『ちょっとお父さんと相談してみてもいいかしら』と歯切れの悪い母親にショックを隠し切れない遼子。そして、赴いた実家の不穏な空気感の表現は重苦しさに満たされています。冷たい父親の視線。なにかひっかかりを感じる母親の態度。そんな中、一見いつも通りの妹・美和と再開する遼子。しかし、家族が揃う場、本来楽しい団欒の場である夕食で『なにかがおかしい』と感じる遼子は、何かしらの秘密を隠し続けている家族の様子に気づいていきます。一方で上記したようなリアルな妊娠期の遼子が描かれるこの作品は、本来家族をもって祝福すべき出産というライフイベント自体に、何かが隠されていることを匂わせながら展開していきます。

    そして、そこに登場するのが妹の美和が放つこんな言葉でした。

    『ねえ、遼ちゃん。どうして人の命の重さには違いがあるの?』
    『どうして軽い命と重い命があるの』

    そんな美和の問いに『そんなのないわ。命はみんな大切よ』と返す遼子。そんな二人のこの場面は、読者を一気に緊張感の中に包みこんでいきます。”人の命は地球より重い”という裁判官の言葉が語られることがあります。人の命はとても重いものです。軽々しく殺められるようなことはあってはなりません。しかし、その一方で、美和が投げかけるのはその命の重さに違いがあるのではないか、という視点でした。世の中、理不尽なことだらけです。正論としては人の命は地球より重く、またその価値は等しいのだと思います。しかし、現実の世の中は人の命の重さが天秤にかけられ、それによって選別がなされている現実は誰にも否定できないでしょう。この作品で、妹の美和が言わんとする『人の命の重さには違いがあるの?』という言葉の裏には複数の意味が隠されています。その内容に触れることは完全にネタバレになるのでここに書くわけにはいきません。しかし、世界の国々を見るわけでもなく、我が国の中においてもある意味普通に『人の命の重さ』が天秤にかけられるシチュエーションがあることを突きつけるこの物語の視点はとても鋭い指摘を読者に投げかけるものです。そして、そんな物語は、結末の最後の数行で読者にまさかのザワザワ感を突きつけて幕を下ろします。うぐぐ…、と感じざるを得ないそのまさかの結末。違うよね、まさかそんなことないよね、と思いたいあまりにも後味の悪いその結末。一方でこんな風にまさかの一矢を最後に放つ近藤さんの上手さをとても感じた結末だとも思いました。

    『正しさとはなんなのだろう』と妹の美和のことを思う遼子。『どうすればあの子が救われるのかわからない』と思う遼子。そんな遼子が、人生初のライフイベントのXデーへとリアルな日常生活を送っていく様が描かれるこの作品。「私の命はあなたの命より軽い」という意味深な書名に隠されたまさかの意味を感じながら読み進める読書は、まさに”ページを捲る手が止まらない”、読書の醍醐味を感じさせてくれるものでした。

    取り除くことのできない小骨を喉に突き刺すかのように幕を下ろすこの作品。近藤さんの描くミステリーの醍醐味をこれでもかと味わわせてくれた、そんな作品でした。

  • 東京で初めての出産を控えた主人公の遼子。
    もうすぐ臨月だと言うのに、夫が急に海外赴任を命じられる。
    ーー(ひどいよね。泣きたくなるよね。)

    急だが実家のある大阪で里帰り出産しようと、母親に電話をする。
    実家には両親と、高校一年生の妹・美和がいる。
    しかし何か様子がおかしい。
    仲の良い家族だし初孫だし、歓迎されると思うよね?
    なのに……
    実家に帰ってからも、ずっと空気がおかしい。
    胸がザワつく。
    遼子だけが知らない何かがある。
    誰もそのことに触れようとはしない。

    読者にも遼子と同じく、なかなかその正体は明かされない。
    何があったの?
    早く知りたい。


    最初は遼子の立場で読み進めた。
    私も高校卒業後に上京、進学・就職・結婚し、実家には両親と妹がいる事から、何となく重ね合わせて。
    が、真実が明かされてから親の立場で見ると……
    妹の美和と同じ年頃の娘を持つ親としての私は、深く考えさせられる事になる……

    美和が遼子に問う。
    「どうして人の命の重さには違いがあるの?」


    恐ろしく苦しいストーリーだったが、何とかほっとできる結末になりそう。
    と思ったら……
    えっ?あのラストは!? (⁠(⁠(⁠;⁠ꏿ⁠_⁠ꏿ⁠;⁠)⁠)⁠)

    • なおなおさん
      おはようございます。

      Manideさん、カボチャを被っているのですね。
      可愛いです。
      クレジット表記は同じにしました。ありがとうございます...
      おはようございます。

      Manideさん、カボチャを被っているのですね。
      可愛いです。
      クレジット表記は同じにしました。ありがとうございます。
      あおいさんは髪を紫に染めちゃって…。
      イベントアイコンとはいえ、お二人のイメチェンに、ブク友さんたちはびっくりするのでは!?
      (*`艸´)ニシシ…
      小説での恋愛はホントは好きではないのですが、漫画やドラマにはキュン♡は絶対要る!
      この違いは何だろ…^^;
      2023/10/01
    • aoi-soraさん
      紫、分かりました?
      着ぐるみ部分と髪の毛は、教えてもらったカラーコードを使ってみたの^⁠_⁠^

      有川ひろさんの作品は、今までほんの数冊です...
      紫、分かりました?
      着ぐるみ部分と髪の毛は、教えてもらったカラーコードを使ってみたの^⁠_⁠^

      有川ひろさんの作品は、今までほんの数冊ですが読みました
      どれも大好きです!
      Manideさんの本棚に沢山並んでいますね
      「イマジン?」面白そうですね♪

      なおなおさんもキュン好きということで、みんなキュン仲間でしょうか(笑)
      2023/10/01
    • Manideさん
      なおなおさんは有川ひろさんゼロなんですね、ほんと恋愛小説苦手なんだな〜と、ちょっと微笑ましく…
      舟を編む、星3で納得です。

      aoiさんはさ...
      なおなおさんは有川ひろさんゼロなんですね、ほんと恋愛小説苦手なんだな〜と、ちょっと微笑ましく…
      舟を編む、星3で納得です。

      aoiさんはさすがキュン好きだから、読んでますね(^^)

      ブクログはじめたばかりは感想書いていなかったので、おぼろげな記憶になってますが、やっぱり、、、キュン度高いのはこの2作だったと記憶してます。
      ・県庁おもてなし課
      ・空飛ぶ広報室

      また、読み返してみようかなと思ってます。

      でも、なおなおさんは、読まない方がよさそう(^^)
      2023/10/01
  • 年末年始にずっと本読んでてレビュー追いついていない問題、まだまだ続きます。
    こちらは2024年最初の作品でした。

    年明け最初の作品としては、タイトルが不穏すぎる…!
    もうこんな比較級の例文なんて嫌だ…!!
    一体、誰の命が誰の命より軽いのか…
    人の命に軽重なんてないわけで、それでもこんなタイトルがつけられてしまうのほどの恐ろしさ。

    まず、あとがきをちょっとだけ引用させていただくと、
    P274「この本が出たばかりのとき、何人かの男性にこんな感想を言われた。
    『いやあ、女の人って怖いですね』
    あれれ? と思った。わたしはそんな話を書いたっけ。
    <中略>
    それにしたってわたしにとっては、あまりにも不思議な反応だった。」

    あとがきに出てくる「わたし」というのは、著者である近藤さんのことである。
    うーん、これは読者の性別によっても感想が分かれるのだろうか。
    わたしも「女って怖い」って感想は持ってない。でも、最後の、ほんの一場面で「こわ!」となって、遡って物語を再構築した時に「女って怖い」と、ざっくりとした解釈になる可能性はあるなと思った。結局、本当の「悪」って誰で、何だったのか。

    読み始めたらするすると最後まで一気に読んでしまった。
    東京で出産を控えた主人公が、突然夫の海外赴任が決まり、急遽実家である大阪で出産することになった。ウェルカムな里帰り出産だと思われたが、なにやら家族の空気がおかしい。そこには何があるのか、主人公が突き止めていくお話。

    違和感があったのが、大阪に帰省しているのに、みんな標準語なところ。あと、ちょっと合わなかったのが、会話と価値観が古くさいところ。たぶんそれがネックなんだろうけど。
    話の内容が内容なだけに、これでかなりお腹いっぱいではあるのだけれど、もう少し遊びがあった方がすき。気になる(魅力的な)登場人物に出会うことができなかったなー。

  •  aoi-soraさんのレビューから、興味を惹かれて読ませていただきました♪ありがとうございます。面白くって一気読みしました!この表紙に惹かれたこともあるし、本屋さんでの宣伝がすごくて思わず買ってしまいました(*'▽')

     初めての出産を控えた遼子…頼りの夫は時期を同じくしてドバイへの海外赴任を命じられる。不安を感じた遼子は、実家での里帰り出産できないかと母に連絡するが、母の応対に違和感を覚えた遼子。帰省後、家族観がギクシャクしていることを不審に思う…。何の問題もなかった家族だったのに、どうして??

     そしてわかったこと…妹の美和の過去に関係があった…。現在、美和は両親に反抗心を持っており、両親は美和に対して腫れ物に触るかのような対応をしていた。美和の傷ついた心に寄り添いたいと、大きなおなかを抱え奮闘する遼子…。誰からからも祝福される子、生まれることが認められない子…命の重さって…!?

     遼子が頑張ったし、なんとな~くいい方向にいくかなって…そんな雰囲気だったのに、大きな疑惑が浮上のラスト!びっくりしました(゚д゚)!

    • aoi-soraさん
      かなさ〜ん♪
      楽しんで頂けたようで嬉しいです

      ねっ?
      ラストびっくりよねΣ(゚Д゚)

      ちなみに私も本屋さんの宣伝に踊らされて購入です(笑...
      かなさ〜ん♪
      楽しんで頂けたようで嬉しいです

      ねっ?
      ラストびっくりよねΣ(゚Д゚)

      ちなみに私も本屋さんの宣伝に踊らされて購入です(笑)
      2023/11/09
    • かなさん
      aoi-soraさん、おはようございます(^^)
      おかげさまで、最後の最後まで、楽しむことができました♪
      いい感じにおさまりそうだったの...
      aoi-soraさん、おはようございます(^^)
      おかげさまで、最後の最後まで、楽しむことができました♪
      いい感じにおさまりそうだったのに
      ラストに愕然としました(゚д゚)!

      aoi-soraさんのレビューと
      あと、本屋さんの大々的な宣伝に
      つい、財布の紐が緩みましたっ(*'▽')
      ありがとうございます!
      2023/11/09
  • やっぱり近藤さんの作品は好き。
    さくさく読みやすい!

    今回は不穏。
    うーーーん。
    4人で家族だって思うなら話せばよかったんじゃないの?
    何も言われないから知らなくて当たり前。
    知らないんだから普通に赤ちゃんの話もするよ。
    それで最終的に妹は私を許したのか?も何もないでしょ。
    それこそ逆恨みみたい。
    要はあの家族はみんなあの妹中心だということ?
    お父さんもダメだし。
    ラストもさぁ。
    何がしたいの?って話。
    もともと、どうして妹は主人公の旦那のことを嫌ってたんだっけ?
    主人公はササーッと距離取って赤ちゃんとお幸せに…

  • 早く抜け出したかった。左手の厚み(残りの頁)を見ながら、いつスッキリするのかと。
    事情があって里帰り出産を余儀なくされた遼子(姉)。しかし、実家はいつもと様子が違っていた。
    命の尊さを問うわりに、妹に関連した出来事があんまりだし。命に重いも軽いもない。そこから気持ちが移入できなかった。
    家族のギクシャクさ、妹の不安定さ、姉の他人軸な部分、全体通しての不穏な空気がよく伝わった。
    奔放な妹と、思慮深い姉。
    他者に振り回され、見えない力(流れ)により、人の意識まで取り込まれてしまう。個人的に、姉の心情のところでぞっとした。人が良い人程、攻撃されてしまうのか。怖いのは女だけではない、と思わさせられた。読後、嫌な感じが残った。

  • 遼子の実家で何があったのか?この家族の違和感は何なのか?気になって一気に読んだ。
    本来ならお腹に宿った命は奇跡で喜ばしいことなのに若すぎるという一言で周囲に反対され本人の意思とは関係なく堕胎させられるという決断に至ることは珍しいことではないだろう。15歳の少女の妊娠出産は両親にとって衝撃的で簡単に擁護できないことも分かる。
    同じ命でも祝福され望まれて生まれてくることもあれば、生まれ出る以前に疎まれ望まれないこともあるのかと思うと生まれてくる赤ちゃんには罪は無いのに命の重さに違いがあるのは悲しいことだ。この作品を通じて自分自身も勿論、たくさんの人が命の重さを一層自覚してほしいと願う。

  • なんなんでしょ?しんどいなぁ
    里帰り出産で実家に帰ったら家族がえらいことになっていたお話。妹と旦那が子供。自分勝手

  • 初めての出産をひと月後に控えた不安な最中、夫が半年間の海外出張を言い渡される。
    急遽、里帰り出産を決める遼子。
    だけど何かがおかしい…。
    よそよそしい家族。よそよそしい同級生。
    何かを隠していることは間違いなのいのだけれど、誰も教えてくれない。
    大きなお腹を抱え、不在の夫は当てにならず不安は募るばかり。

    なかなか真相を明かしてくれないので、少しイラッとするけれど、真相を知りたくてページは進む。
    命の重さ…悪戯に使う言葉ではないけれど、ああ確かに…子を持つ母として、遼子と美和と何が違うのだろうと思うとやるせない。

    本文より
    父と母のことを優しい人だと思っていた。だが、その優しさは自分たちが認めるガイドラインを守った人にだけ向けられるものだった。

    このセリフは響く。
    自分自身にもなくはない部分なのだろうと思うと胸が痛い。
    ただ、両親にはもう少し美和に寄り添って欲しかったと思う。
    極論ではあるけれど、我が子が法(人の社会が決めた良し悪し)を犯したとしても自分だけは我が子の味方であるのが親のような気がする。もちろんボーダーラインはあるけれどそれでも親というのはその中にあっても理由を見つけて我が子を救済するものなんじゃないかと思ったりする。甘いかな。甘いのだ私は。

    それでもね、愛されて生まれたきたはずの我が子に命に重さがあるだなんて思わせないのが大人の務めのような気がしてならないのです。

    とは言え…妹想いの優しい姉が、今後どのように心境を変えてゆくのだろうかと思うとページを閉じつつ苦笑いとなりました。
    結局、誰しも自らのガイドラインから逃れることはできない。

    今年の30冊目


  • 里帰り出産のため実家に戻るも家族の様子が何かおかしい。
    最初から主人公と一緒にモヤモヤしながら事実が気になりあっという間に読了。
    でも、最後は安心できない終わり方でした。苦笑

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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