明治維新という過ち 日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト〔完全増補版〕 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062936835

感想・レビュー・書評

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  • 明治維新、太平洋戦争、そして安倍政権に至る現在まで、長州の影がずっと射しているんだよなあ。
    この怨念はどうにかならぬものか。

  •  佐幕派を善玉・討幕派(特に長州・水戸)を悪玉に見立てて描いた明治維新。
     長州藩をテロリストだとか、水戸学は滅茶苦茶だとかボロクソにけなしていて痛快。
     長州藩はその後も日本を牛耳り続け、大東亜戦争の敗北をもたらしたという悪玉史観です。
     戊辰戦争時の長州軍の悪行も描いています。こういった暴行・略奪の伝統が続いていたとしたら、大東亜戦争中に中国大陸で日本軍が同じようなことをすることも十分あり得ると思うのですが、著者原田伊織氏はその辺どう考えておられるのでしょうか。
     思えば長州閥は今でも日本を支配しているようなもんで、戦後日本で最低最悪の総理大臣・安倍晋三などはその代表例でしょう。
     いうまでもなく安倍晋三は山口県出身であるし、著者が本書でボロクソけなしている吉田松陰を尊敬しているというし、「明治150年」とか言い出しています。
       
      
     原田伊織氏は本書の中の随所で民主党鳩山政権を批判しています。本書執筆時は民主党鳩山政権時代だったのでしょうか。
     しかし、本書の論調からいくと、その批判は戦後日本で最低最悪の安倍政権に向けられるのが順当だと思います。

      
     思えば、2017(平成29)年現在の日本は幕末から明治維新の時代と相似形を成しています。
     佐幕派が護憲派で、倒幕派がジャパンハンドラーに操られた改憲派と例えることができます。
     現代の水戸学というか、歴史修正主義の愛国ポルノが書店で山積みになっています。
     そして現代の長州テロリストまたは言論テロリストとでも言うべき連中が言論界やネット界を支配しています。
     世良修蔵の如き者はどの時代にもいるのですね。大東亜戦争時にも蓑田胸喜などがいたのですが、今の世にもネトウヨ養成番組を見ればウヨウヨしています。
     我々良識ある者はそういった連中に屈してはなりません。
        http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20171031/p1

  • 最初は全く理解出来なかったが
    読み進めているうちにわかってきた。
    歴史を知らなさすぎる
    自分を恥じた。

  • う~ん。。。。

    恥ずかしながら日本史には全く疎い身であっても
    幕末薩長の非道ぶりについては、会津関連の読み物をいくつか読んできてある程度の理解はあった。

    筆者の言う「維新志士=成功したテロリスト」論も、なるほど確かに納得もいく。

    薩長が中心となって為された御一新であるためその後の歴史教育は必然的に“官軍教育”でしかない・・・という筆者の主張も、なるほどなと思う部分は多々あった。





    しかし!


    しかし、いかんせん、論調が激しすぎやしまいか?
    薩長土肥を悉くテロリストだの逆賊だの、維新志士と呼ばれてきた者たちをならず者だの出自は身分の卑しい者だの・・・。


    主張の大筋(方向性)が共感に値するだけに、その極端な表現手法が残念だ。こういう書かれ方をしたら、著者曰くの官軍教育を受けてきた者には、反感が先に立ち 冷静に筆者の主張を深く考えようとしない者の方がお多いだろう。

    反感を買わない論調で、「こういう歴史の捉え方もあるのだと知っておいてよ」的な表現がなされていたら、より多くの賛同も得られるだろうと思った。


    ★3つ、7ポイント半。
    2017.08.31.新。

  • 今まで歴史として教わってきた幕末から明治維新の出来事が勝者である薩長によって「都合のよい」ように伝えられたものであるという論調でまとめられていて興味深いものだった。幕末の英雄と呼ばれる人物たちの見方も変わってくるような印象を受けた。

  • 言いたい事はわかるのですが、文章が情緒的でいろんな事象、意見が散見。歴史を違った側面から見よ!いう事が残念ながら読者に届かないかと思います。

  • 言いたいことは分かるが、文章が感情的。また、真実であるとするなら、1次史料を中心に挙げるべき。論文ではなく随筆になってしまい、真実味が薄れる。これでは、長州というテロリストに洗脳されている人達には響かない。

  • 官軍史観・百五十年の偽りを暴く刮目の書
    明治維新とは、日本を近代に導いた無条件の正義なのか? 幕末動乱期ほど、いい加減な美談が歴史としてまかり通る時代はない。維新の成り立ちに疑義を申し立て、この国の「近代」の歩みの偽りを暴く超話題作。

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著者プロフィール

原田伊織(はらだ・いおり)
作家。京都伏見生まれ。大阪外国語大学卒。2005年私小説『夏が逝く瞬間(とき)』(河出書房新社)で作家デビュー。『明治維新という過ち』(毎日ワンズ)が歴史書としては異例の大ヒット作となり、出版界に明治維新ブームの火をつけた。「明治維新三部作」として、『明治維新という過ち』『列強の侵略を防いだ幕臣たち』『虚像の西郷隆盛 虚構の明治150年』(共に講談社文庫)がある。その他の著書に『官賊に恭順せず 新撰組土方歳三という生き方』(KADOKAWA)、『明治維新 司馬史観という過ち』(悟空出版)、『消された「徳川近代」明治日本の欺瞞』(小学館)、『日本人が知らされてこなかった江戸』『知ってはいけない明治維新の真実』(共にSB新書)など。雑誌「時空旅人」に『語り継がれなかった徳川近代』を連載中。

「2021年 『昭和という過ち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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