校舎五階の天才たち (講談社タイガ)

  • 講談社
3.59
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本棚登録 : 95
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062940894

作品紹介・あらすじ

高校三年生の来光福音のもとへ届いたのは、自殺してしまった同級生からの手紙。彼の名は篠崎良哉。「天才」と名高く、見た目も人柄も完全無欠の男の子。彼の謎めいた遺書に導かれて、福音はもう一人の「天才」――人の心が読める女・加藤沙耶夏とともに行動を開始する。

感想・レビュー・書評

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  • 高校三年生の来光福音のもとへ届いたのは、自殺した同級生からの手紙だった。彼は、「東高三人の天才」の1人で、成績はもとより運動も芸術も見た目も人柄も完璧な男の子。
    「僕を殺した犯人を見つけてほしい。犯人は東高の人間です」と書かれた手紙に導かれ、福音はもう一人の天才である沙耶夏と事件を調べることに……。


    自殺した「天才」である同級生の死の謎を調べるため、もう一人の天才少女と調査をすることになった「普通」の少女の話です。

    ミステリ小説っぽいストーリー紹介ですし、実際その側面もあるのですが、主題はどちらかと言えば青春小説かなと思います。
    今まで関りのなかった天才少女と文学少女の交流や、異端(天才)であることの悲哀や孤独、同じ人間なのに互いを理解できないもどかしさなど、爽やかかつ物悲し気な雰囲気で、個人的にはなかなか好きな空気感でした。

    悲劇ではあるのでしょうが、冷たい場所にさしこんだ陽だまりのようなほのかな暖かさのあるラストシーンは、淡白ではありますが希望がもててよかったです。

    こちらは作者さんのデビュー作で、今の所本として出しているのはこの1冊だけのようですが、作者さんの他の本が出たらぜひ読んでみたいです。

  • せつなさと爽やかさが交じったラストは好みだった。本格ミステリほどガチガチのミステリではないけれど、ライトな読み口でページが進む。加藤の存在の大きさ。著者唯一と思われる著作なので(名前変えてなければ)、他の作品を読めないのは少し寂しい。

  • なんか結末が駆け足過ぎて腑に落ちない。
    とりあえず篠崎くんの希望は叶ったハッピーエンドと言う事で良いのだろう。

    人間は誰にも言えない罪を背負ったまま生きてく事は出来ないくらい強くはないし、賢い人間ほど、日々罪悪感に押し潰されて行くのだろうなと。
    渡部くんにとっては辛すぎるけど、亡くなった本人に悔いがないならまだ救われるのかな。
    やり方はどうであれ、篠崎くんが遺してくれた友達のきっかけが、光になればいいと思う。

  • 自殺した少年からの手紙により、二人の少女(天才少女と普通の文学少女)が謎を追います。犯人探しのミステリとくくるのはちょっと違いますね。タイガというレーベルらしく広義のミステリ、これは青春群像劇がメインということになるでしょうか。天才は何をもって天才というのか、スクールカーストとは違い、決して他の人から疎まれることなどないのに、普通の人とは混じりあえない彼らなりの理屈が伝わってきます。辛口評価が多いですが、私はこれは若いからこそ書けたものではないかと思います。デビュー作ですからこの先の作品が楽しみです。

  • 高校三年生・来光福音のもとへ届いた、自殺した同級生からの手紙。彼は「東高三人の天才」の一人で、見た目も人格も完璧な男の子。「僕を殺した犯人を見つけてほしい。犯人は東高の人間です」と書かれた遺書に導かれ、福音は「人の心が読める女」と呼ばれるもう一人の天才・沙耶夏と事件を調べる。なぜ非凡な少年は凡人の少女に想いを託したのか? せつない謎解きが始まる。

  • 3.5⭐️
    ある日、3人の天才の内、一人の男子学生が電車に飛び込み亡くなった。
    その亡くなった学生から真犯人を探して欲しいと靴箱に手紙が入っていた。同じ内容の手紙を貰ったともう一人の天才女子学生と共に捜査を始めるのだが。
    亡くなった天才が隠していた秘密が明らかになるのだか、果たして。
    あまり現実味のない高校生活がちょっと残念。

  • 天才の自殺から、その捜査をすることとなったもう一人の天才と文学少女。
    その過程で浮かび上がるそれぞれの苦悩は切なく、ラストも胸を打つ作品でした。
    魅力的な謎と丁寧なストーリー、上質な青春群像劇でした。

  •  作者がミステリと思って書いているから(?)、種明かしをして終わりです、という終わり方なのが不満。主人公の天才たちに対する心情や態度の変化の描き方が、淡泊ながらも要所を抑えていて、引き込んでくる感じなのに。。。青春でもシリアスでも、心情をメインにもってきて終わらせて欲しかった。
     ディナーを食べて解散するデートみたいな感想。

  • とある高校にいる全国クラスの天才三人の内一人の少年が自殺し、もう一人の天才少女と凡人の少女が事件を調べるお話。

    続きが気になりどんどん読み進められる。最後はあっさりと終わってしまったが、読後感は悪くなかった。

    本作がデビュー作とのことなので、以降の作品にも期待できる。

  • これがデビュー作。     
    面白かったが、300ページ引っ張った割にはあまり爽快なオチではなかった。      
    面白かったけど、少し残念なラスト。   
    キャラクターも良かったけど、活かしきれてない気がする。   

    辛口になったけど面白かった。

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著者プロフィール

『講談社文芸編集者による小説道場』で「小説道場 黒帯認定作品」に選ばれ、本作でデビュー。

「2017年 『校舎五階の天才たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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