チェルノブイリの少年たち

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 22
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063135039

感想・レビュー・書評

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  • この本にはもし日本で原発事故が起きるとしたらその原因は地震に因るもの、と書かれている。その後、現実に起こってしまった。電気がなければ不便だ…それはもう、現在を生きる人間なら誰でも空気の様に当たり前に思っている。睡眠障害を発症している一日中日光の入らない北側の自分の部屋で、私は自分の体に「今は昼間である」と言う事を覚えさせるために昼間でも電気を点けていないといけない。そしてなるべく寝る一時間以上前から除夜灯にし「寝る時間である」と自分の体を導入しなければならない。もし、昼間に電灯が点けられなかったら、私の症状は一向に改善しないだろう。電気代がもったいない、と昼間であるのに暗い部屋に籠っていた代償で、今があるのだから。
    チェルノブイリの子供たちの死を前に、私の抱えるモノなど些細のない事だろう、安心安全な国で発症する様な贅沢病みたいなものだろう。だからこそ、原発以外でエネルギーを確保する道があるのであれば(天然ガスと書かれていた)そちらに移行してくれないだろうか。誰かの犠牲で成り立つような社会であってはならない。
    心療内科に通う様になって、治療費が新たな出費に加わり、懐が寂しい中、近所の河原にウォークマン片手に30分ほどぼーっとするだけの時間を欲する自分に気付いた。その目の前にあったのは、自分の家の近くにある自然(とは言い難いが)の中の動植物の生きる姿だった。見上げると日々様変わりする空があり、音楽を聴きながらその人工物ではないものを見ているだけの時間に身を置くと、本当に「頭の中が空っぽ」になる感覚に連れて行って貰えた。
    人工物の中にいれば「便利」ではあるが、目に映るだけの少しの自然がこんなにも貴重なものである事は知っている。躍起になって環境保護運動に身を投じようとは思わないが、自然を曲げて少しの便利を手に入れようとは思わない。

  • チェルノブイリ原発事故でバラバラにされた家族、事実を隠蔽されたまま亡くなった子どもたちを描いたドキュメンタリー漫画。
    気がついたら涙が出ていた。
    原作者の広瀬氏は、早くもこのチェルノブイリ事故以前から原発事故に対して危機を持っていたというが、十数年も前に描かれたこの漫画の内容が福島とそっくりなことに戦慄を感じた。
    「もし日本でも起こったら」と度々述べられているが、悲劇は起こってしまった。悔しい限りである。
    今の日本だからこそ読んで欲しい、フクシマ以前に描かれた漫画。

  • これは読まなくてはいけない。

  • 小学校3年生の時に教室にあったのを読んで、幼いながらに衝撃を受けた。たぶんその当時の先生の私物だったと思う。もともと漫画や小説に関わらず、本は大好きだったけれど、今思えばこれがきっかけになって新聞とか、他の国のことなんかにも興味を持つようになったのかもしれない。あれ、そう思うと私の原点??大人になった今、もう一度読みたい本。

  • チェルノブイリ原発事故と尾瀬の自然保護の実話をマンガにしている。
    この本はマンガで小さな子ども達にも社会問題を訴えるという書物がやるべきことをしっかりとやり遂げ、価値ある一冊と言うしかない。
    何年経っても忘れる事のできない一冊。

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著者プロフィール

埼玉県出身。
代表作にドキュメントコミックシリーズ『語り継がれる戦争の記憶』『キムンカムイ』(いずれも講談社)などがある。

「2020年 『講談社 学習まんが 日本の歴史(19) 復興と高度成長』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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