- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784063148510
作品紹介・あらすじ
グロンギ族と言う名の異形の者たちと、危険を顧みず戦った五代雄介が忽然と姿を消してから13年の月日が経った――。巷では、グロンギの噂が出ては消え、何事もなかったかのように時が流れていた。しかし、未だグロンギを追い続ける一条薫は、ネット上で白い戦士の書き込みを知り、五代の事を思い出していた・・・・・・。
感想・レビュー・書評
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一条さんの五代に対するクソデカ感情が楽しめます。
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20周年記念配信を見終えたので。
本編から13年後の懐かしい面々と穏やかな始まり、それに対しハンサムエピソードをまき散らしつつも心の時間があの時から進まない一条さんが見ていてつらい。
ずっと五代を巻き込んだ事をクウガの力に頼らざるを得ない事を悔やんで申し訳なく思って、笑顔が戻らないほど心を傷付けたんじゃないかと何度も何度も思い悩む描写がもう読んでてキツかった。
グロンギの影がチラつき始めると一気に重く苦しくやるせなくなっていく。助けて五代と思うけど、戻って来るということはまた…と思うと、来るな五代という気持ちにもなる。ここから終盤まで助けて五代と来るな五代で大パニック読者。
グロンギも13年前よりも更にズルく狡猾にリントを弄びつつ効率的に大量に数をこなせるようになっていて、リント社会への適応力を見せつけられて怖かった。ただ殺すだけで終わらず心を踏み躙り弱みにつけ込む。捜査が進むにつれ読んでいてツラくなる。
警察も尋常じゃない犠牲と努力を重ねているはずなのに、やっぱりクウガに頼らざるを得ない無力感は察するに余りあるし、五代は五代で『仮面ライダー』を独りで背負う重さや寂しさを思わずにはいられない。せめて1号が共に運命を預け合える同等の仲間が、2号がいたら…とつい考えてしまった。
その肝心の戦闘がボカされるなと感じたタネは、ちょっと唐突に出て来た感は否めなかった。でもこれが本編には現れなかった別の五代の道だったかもしれないと思うとゾッとしたし、優しい心のまま壮絶な戦いをする過酷さを改めて実感させられた。そして仮面ライダーではないけどリントの戦士、相変わらず無茶し過ぎです。
最後のグロンギを倒すと言葉も文章も少なく終わる。もっと話したいことが、伝えたい事があったんじゃないのかと思うけど、一条さんの心はきっと、ようやく救われたと確信してるよ。
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発売延期を繰り返してて、その紛うの忘れてたというオチのある本。
クウガの世界から13年後のお話。
いろんなことにびっくりするけど、クウガの話が好きだった人には読んでもらう価値があると思う。 -
本編の最終回から、13年後の世界を描く。主人公が、我らがクウガ五代雄介ではなく、一条刑事なのがまたいい味を出していて、当時を懐かしむファンの心を一瞬で虜にする、非常に優秀なストーリーテリング。
クウガ特有の、あの重い雰囲気と、登場人物たちの熱い思いは小説でも十分伝わる。
肝心の五代の活躍が少なめなのが物足りないが、それもまた、望まれたクウガ未来なのかも。本編が好きだった人なら必読だ。 -
ヒーローがいなくても俺たちが頑張らなければ!という話という特撮でそこそこ見る話をリアリティを重視していたクウガでやっておりとても面白い
グロンギの習性から犯人に目星をつけたりサスペンスとしての面白さもある。とはいっても難しそうな問題がすごい知り合いのコネで解決したりと特撮らしい味もある
ただ主役である一条の問題点が語られてもそれが成長したり、前に踏み出したりはしない。姿を長く見せなかった五代の出てこなかった理由も憶測の範囲のままと頭をかしげる部分もある。事件後ほんの少し後日談を入れてちょっと事件と今後について語ってくれればよかっただけに残念
全体的に面白く、どことなく実写化できるよう気を配ってるように感じる一作。何らかの形で映像化するか、まだ残っているもので続きを作るかやってほしいな -
これみんなどういう感情で読んだんですか!?
個人的には大感謝です。ありがとう荒川稔久氏。
一条薫から五代雄介に対する感情がデカすぎることを、文章で直接に見せつけられるので最高です。 -
或る程度知られた映像作品を“読み物化”する「ノベライズ」に対し、映画やテレビドラマと同じ題名を冠していても、劇中世界の後日談や、映像作品で描かれる以前の出来事を取り上げるというような「関連作品」というモノも在る。本作は後者の「関連作品」に該当する小説だ。
『仮面ライダークウガ』の特撮ドラマでは、危険に対峙する、状況不明な事態を調査するという存在として“警察”が確り登場し、一条刑事を始めとする関係者が登場して活躍した。その流れで、年月を経た中で一条刑事が再び現れるのが本作だ。
異形の怪人に変異して、特殊な能力を駆使して人々を害する者達が在るという、一定程度ヒットした特撮ドラマの練り上げられた劇中世界の設定や、そこで活躍した人物達の設定等を拝借しているのだが、何か「身近な場所に紛れ込んでいるとんでもない悪意」というのか「気付かない間隙に破滅的な何かが動いてしまっている」というような、寓意的なモノが本作には感じられる。或いは特撮ドラマのファンに限らず、誰でも楽しめる「ダークファンタジー」に纏まっている本作であると思った。
手にする前に何となく思った以上に面白かった!!