- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784063646764
作品紹介・あらすじ
『機動戦士ガンダム公式百科事典』の編著者が描く"宇宙世紀の英雄"の生涯。シャアを切り口として『機動戦士ガンダム』から『逆襲のシャア』までのリアルな歴史ドラマを読み解く。人間シャアの生き方に学ぶ画期的ガンダム評伝。
感想・レビュー・書評
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上巻を参照。
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下巻では、グリプス戦役、第一次、第二次ネオ・ジオン抗争に沿って考察される。
アムロは自らが、または人類が生き延びるために戦うのだと主張するのに対し、シャアは、死んだ者達、若しくはまだ生まれえぬ次世代の子供たちのために戦うのだと言う。
ここにこそ両者の決定的な価値観の相違があり、お互いが理解しえない根本原因なのだ。
ニュータイプとしての覚醒レベルもさることながら、その決定的な差異こそ、ララァが(シャアよりも)アムロと共感しあえた原因なのかもしれない。
巻末の年表は一年戦争から逆襲のシャアまで網羅されており、理解の助けになる。 -
ガンダム好きなら為になる1冊
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「私、シャア・アズナブルが粛正しようというのだ」
今自分自身が言ってみたい科白やなぁとしみじみ…
子ども時代に観た機動戦士ガンダムは、
自分自身の中で善悪の対決みたいな捉え方をしていたが、
この評伝を読んでいると、どうもそう単純なものではないらしい。
ということだけでも理解することができてよかった。 -
こちらでひとまとめ。
http://booklog.jp/item/1/406276878X -
なるほど。シャアはいいいやつだ。
彼の不幸は、一般人としての才能は超一流だけど
ニュータイプとしては二流、でもジオン・ダイクンの
息子として背負うものが大きすぎた故の不幸があった。
含蓄ある。
で、アムロとララァのシンクロでアムロが見た
人間の可能性を二流のシャアは見ていないので
その将来像を提示できなかったと。。。
深い!! -
上巻に引き続き、懐古シーン満載。 オトナになったシャアの苦悩を、しっかりした口調で指摘して切る。 かなり楽しませてもらったが、帰省の折、友人に託しました。 ボクにも時が見えた。
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著者は上巻でもすばらしい論評を展開していたが、下巻では時代が進み難しくなる物語の中でのシャア(クワトロ)の振る舞いと思考、そしてその周辺に存在し、物語に重要な意味を持たせる人物らについて、さらに深い洞察と論考を試みている。その記述は上巻にも増して揮っており、単にアニメの評論を超えた内容にまで昇華されていると言える。
例えばクワトロがカミーユに言い放った
「新しい時代を創るのは老人ではない!」
という台詞。
ここで言う「老人」は「しがらみにとらわれた人」を指し、クワトロ(シャア)自らをも含めた意味を持つという。Z以降の各キャラクターの言葉はとかく解釈の難しいものが多いが、著者はこのように、一つ一つの言葉が象徴するものを丁寧に解き明かしていくことで、ストーリー全体の理解を深めようと試みており、それは少なくとも私にとっては成功しているように思える。
ところで、ガンダムシリーズを通じて理解すべき重要な概念に「ニュータイプ」がある。その対比として「重力に魂を引かれた人々」という言葉も登場する。
あまり考えずにストーリーをなぞっていけば、これらはまさに対立する意味をもつように捉えがちのように思えるが、著者はこれらの言葉に違った見方を与えることで、ストーリーをより深く理解し、考えるカギを与えてくれる。
例えばハマーン・カーン。
彼女はMSパイロットとしても、戦闘以外のシーンにおいても一流のニュータイプ能力を発揮している。
しかし、彼女はザビ家の再興を目的としてアクシズを掌握する。それはオールドタイプであった旧ジオン公国の指導者層が作った体制にとらわれていることであり、その意味において彼女も「重力に魂を縛られ」た人であると著者は断じる。
こうした解釈の積み重ねにより、ストーリーの理解はずっと深まる。
そこから先、「ガンダムシリーズは何を語ろうとしているのか」を考えるのは、視聴者の仕事である。 -
数年前にシャアのフィギュアを見かけました。赤いザクと並べられたそれは、とっても綺麗なお顔でありました。買っておけばよかった。