妄想テレパシー(3) (星海社COMICS)

著者 :
  • 星海社
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本棚登録 : 72
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063695663

作品紹介・あらすじ

二年前、大雪に見舞われた高校受験当日に起こったとある小さな出来事。それが、いつも無口でポーカーフェイスなイケメン・戸田くんが地味でエスパーな女子高生・中野さんに恋したきっかけだった――!
心が“視” えてしまうからこそ通じ合い、すれ違う。二人の恋の行方はどうなる――!?
カラーは妄想(リビドー)、モノクロは現実(リアル)!
魅惑のフルカラー4コマ、恋心ゆらめく第3巻!

感想・レビュー・書評

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  • それなりの数のラブコメを読んで、そこそこの耐性は身に付けている、と思っていた己が恥ずかしくなった
    『塩田先生と雨井ちゃん』や『僕と君の大切な話』などで心を鍛えているんだから、大抵のラブコメにはKOされまい、それは自信でなく、いつしか、過信になっていたようだ
    (1)、(2)も相当に良いラブコメだったが、この(3)は急にレベルが高くなった
    まさか、こんな心を掻き毟られるとは予想外だった
    他人の心が見える、聞こえる、って能力は日常じゃ、何の役にも立たない、特に恋愛方面では苦しくなってしまうだけ
    作品の質こそ、まだ及ばないかも知れないが、人の心が読めてしまう能力者の孤独感を浮き彫りにしている点では、もしかすると、『高台家の人々』に負けてない
    高台兄妹らも、確かに自分のチカラに悩んでいた。けど、彼らは1人じゃなく、その辛さを理解してくる相手もいた
    けれども、この『妄想テレパシー』のヒロイン・中野彩子には、同系統の能力者がいない。人の心が読めてしまうってコトは、親友(半歩手前)のマナは知っている。けど、知っているだけで、その辛さは分からない
    人の心の痛みは他人には理解できないもんにしろ、誰かの心が読めても、相手が望んだとおりの行動が出来ず、そのままに振る舞える自分になれない苦しさに同調してもらえないのは、相当にキツいと思う
    彩子が独りで勝手に悩んで、誰かにSOSを発信できないって素直じゃないトコも、事態が好転しない原因となっているにしろ、やっぱ、この能力はそう簡単にバラせないよなぁ
    改めて言う事でもないだろうが、NOBEL先生、実力がある
    そう感じるトコは多いが、特に唸ったのは、隼人が彩子に惚れた時の出来事が明らかになったくだりだ
    人によっちゃ、散々、期待させてコレか、とガッカリした人もいるだろう
    正直、私も肩透かしを食らった感はあった。けど、じっくり読み返し、考えてみると、人が誰かを好きになるのは理屈でなく、そのキッカケも、周囲からすれば「普通」でも、本人にとっちゃ「特別」である。そういう、オリジナリティさを全力で押し出してきたNOBEL先生は、ラブコメの名手と言っても良いだろう
    互いに自分の思っている事、言いたい事、伝えたい事を言葉と表情にできない彩子と隼人
    動きたいのに動けない時ほど、想定外の事が起こるのは世の常
    清水に告白されてしまった彩子、清水に先に告白されてしまった隼人
    彩子もそうだが、隼人に関しちゃ、減点もんだな
    とっくに乗りたい風に乗り遅れたマヌケだってのに、ライバルに先手を打たれたにも関わらず、つまんない引け目でビビりすぎだ
    彩子は彩子で、自分の能力に振り回され過ぎで、その上、バレた時の想像を最悪のモノに飛躍させ過ぎだ
    そら、クラス全員に知られりゃマズいだろうが、自分にここまで惚れてくれているのが視えて、聴こえ、感じ取れている隼人を見縊っているのはいただけないな
    確かに、隼人は肝心なトコで動けなくなっている臆病者かも知れないが、惚れた女が人の心が見えちゃうくらいで、途端に好感を放り捨てるようなクズではない
    これまでのエロい妄想を見られていた事に、穴へ飛び込みたくなるほどの衝動には駆られるだろうけど、とことん落ち込んだら、すぐに回復して、今まで通り、いや、これまで以上に心の声でストレートに、彩子への「大好き」をぶつけてくるだろう
    一ファンとしちゃ、戸田隼人はカッコいい男だ、と信じたいのだ
    果たして、彩子は小さくてもいいから、容易には砕けぬ勇気を心の海から掬い上げられるのか、そして、隼人の恋心にちゃんと、真摯に向き合ってやれるのか、これからの展開が楽しみだ
    個人的にゃ、次巻は晃とあさみの出番が増えて欲しいな、と期待している。メインの二人の進展も大事だが、この二人も、もうちょい、焦点が当たっても良いと思うんだよなぁ
    あと、紅葉ちゃんの出番も増えていれば、言う事なし。隼人は、自分の事を棚上げして、妹の恋愛にゃ口を挿んできそうだよなぁ
    この台詞を引用に選んだのは、失礼かも知れんが、初めて、マナはイイ女になれそうだな、と思ったので。心が読めようが、読めまいが、本気の失恋は女の子の心に傷を刻む。それでも、イイ女ってのは、その傷の痛みを無理に忘れたりせず、しっかりと向き合って、自分の気持ちに整理をつけるもんだ。恋心と友情、どちらか一方ではなく、どっちも自分の心が覚える喜びだと受け止めたマナは、月並みな言い方だが、この敗北を次の試合に活かせるだろう

  • 少し日常に戻ったかと思ったら、切り込んできた感じ。
    ついに、中野さんも考えなければならない分岐点に来てしまった感じ。
    しかし、一筋縄ではいかなさそうな感じでこじれていますが、大丈夫なのですかね。
    テーマ的には次の巻ぐらいで終わりそうですけどどうなんでしょうか?

  • 戸田くんが中野さんを「女神」と崇め、好きになった理由が明らかに。
    受験票をなくすというトラブルに見舞われ、「やべえやべえやべえ」と焦っているにもかかわらず、全く表情に出ない戸田くん。
    中野さんが「困ってるように見えたから。」と戸田くんに話しかける。
    ピンチを救ったという点もあるけど、家族以外で、初めて「心を拾ってくれた人」が現れて嬉しかったというのが大きいんだろうね。
    中野さんにとっても、戸田くんは、自分の忌み嫌っていた能力を初めて肯定してくれた「今までいなかった人」。
    お互いがお互いにとって大事な存在なんだねえ。。

    祇園祭で倒れる中野さん。中野さん人込みダメとか、人集まるイベントにデートで行けないじゃん。。
    清水って、サッカー上手いし、高身長だし、先輩もきちんと敬うし、素直でストレートだし、気も使えるし、めっちゃ良い奴。絶対モテると思うんだが・・・。

    おれは「こんぶ」も可愛いと思います中野さん。
    てか裏表紙の紅葉サービスしすぎ。クールビューティーとはまさに紅葉のことよ。可愛い。

  • 戸田くん、もっとがんばってほしい。違うんだよって言いたい。あー、もどかしい。中学時代の中野さん・戸田くんかわいいよね。過去編の見開き構成わかりやすくてすごくいい。風紀委員長、そんなことしてるのかw

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