- Amazon.co.jp ・マンガ (236ページ)
- / ISBN・EAN: 9784063756043
作品紹介・あらすじ
1491年、11月。フィレンツェの大富豪ロレンツォ・デ・メディチに見込まれたアンジェロは、各国から貴族や有力市民の子弟が集まる名門・サピエンツァ大学ピサ校に入学、一人の青年と出会う。彼の名はチェーザレ。スペイン出身で、父は教皇庁のナンバー2という名門貴族。はるか昔、全ヨーロッパを支配し巨大な帝国を築いた英雄と同じ名を持つ青年は、のちに現代政治学の祖・ニッコロ・マキァヴェッリの名著『君主論』のモデルとなり政治の天才と謳われた人物だった……。
闇に葬られた若き英雄が、今甦る。超美麗ルネッサンス絵巻!
腐敗した世界に差す新しい光。それは産声をあげたルネッサンスを導く者。16歳の司教、チェーザレ・ボルジアの真実ーー。
感想・レビュー・書評
-
借りたもの。
工房放火事件の犯人の判明と裏切りというショッキングな展開。
チェーザレ、アンジェロらの洞察と推理、駆け引きが緊張感を増す。その舞台となる場所が、今までの豪華絢爛な建造物ではなく、石造りの簡素な物置の描写も細かくて、そちらにも目が行ってしまう……
ボルジア家の面々が内に秘める泥沼な人間関係が仄めかされる。チェーザレの弟ホアンの嫌味、妹ルクレツィアとの教育係でもあるジュリアは父ロドリーゴの愛人。ルクレツィアの愛くるしい顔に秘める打算的な一面……
そんな中、チェーザレは本当に信頼できる人間を傍に置いている。
腹を割って話すミゲルとアンジェロ。天然でチェーザレを支えているアンジェロのフォローもしているミゲル。
兄の死後、ボルジアを支える一人としてだけでなく後継としての重責を負い、政治的な面にも関わっていくことになるチェーザレ。
クリスマスのミサに挑む司教としてのチェーザレ。
神の子が人の子として世に遣わされた事を祝うクリスマス…
チェーザレの神の恩寵はこの世に何を成すために遣わされたのだろうか……詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
中世。キリスト教。庶子。貴族。庶民。異教徒。とても生きづらそう。チェーザレとミゲルの結びつきが救われる。
-
模擬戦の後、水浴びをするスペイン団、フランス団、そしてフィオレンティーナ団。そこでアンジェロは右肩に火傷跡を持つ者を見つける。フィオレンティーナ団のロベルト!(45話)。
http://naokis.doorblog.jp/archives/Cesare_borgia4.html【書評】『チェーザレ 破壊の創造者』第4巻〜第6巻 : なおきのブログ
<目次>
Virtu 45 不協和音
Virtu 46 背後の敵
Virtu 47 それぞれの闇
Virtu 48 主よ 願わくば魂を
Virtu 49 アランチャ
Virtu 50 ホアン
Virtu 51 ささやかな自負
Virtu 52 憧憬
Virtu 53 盟友
<新たな登場人物>
シレンツィオ・ホアン・ボルジア
2017.05.01 読了 -
コミック
-
裏切り者があの人物だとは思わなかった。
弟のホアンが成長していた。ルクレツィアの今後が予想できる。 -
第6巻。工場放火犯の判明、アンジェロの負傷、チェーザレとミゲルの幼少期回想。
冷静沈着で時に冷徹な表情を見せるチェーザレですが、アンジェロに対する年相応の無邪気さや優しさには人間らしさを感じて安心してしまう。
若きチェーザレにのしかかる期待と重責。庶子ゆえの制限は横暴にも感じられる力によって撥ね退けられていく。幼い頃からチェーザレの傍にいるミゲルは、降誕祭を前にチェーザレの立場を想い複雑な心境をのぞかせる。これから政治的な動きが忙しなくなってきそう。 -
アンジェロはどう失望していくのか、それとも信じ続けていくのか、ミゲルの如く。
ミゲルはこのマンガのある意味主役かと思うな。 -
チェーザレ・ボルジアを軸にルネッサンスを描くコミックの6巻。
学生を2つに分けた模擬戦。チェーザレ率いる以南軍が勝利する。その祝賀会の喧噪の陰で、チェーザレを狙う密偵2人の正体が明らかになる。
メディチ家の縁で大学進学が叶ったものの、チェーザレに惹きつけられているアンジェロは、その場に居合わせる。身近で意外な人物がチェーザレを付け狙っていたことを知ってショックを受け、また、チェーザレをかばって深傷を負う。
密偵は命を落とす。傍らで”Agnus Dei”を唱えるチェーザレ。
実力者ロレンツォ・デ・メディチは体調が思わしくなく、一方で次期教皇選も近い。
チェーザレの幼少期も描かれ、彼が逃れられぬレールの上を歩いてきたのであろうことが窺える。
学位も取得済みのチェーザレが大学を離れる日も遠くない。
どうやらアンジェロはチェーザレに付いていくのではないかと思われる。
*”Agnus Dei”は「神の子羊」の意。
ここでチェーザレが唱えていたのは以下。
Agnus Dei, qui tollis peccata mundi, dona eis requiem.
Agnus Dei, qui tollis peccata mundi, dona eis requiem.
Agnus Dei, qui tollis peccata mundi, dona eis requiem sempiternam.
これは死者のためのミサで唱えるもののようです。
通常の祈祷文の場合、上記のdona eis requiem(「彼らに安らぎを与え給え」)の部分がmiserere nobis(「われらをあわれみ給え」)、dona eis requiem sempiternam(「彼らに永遠の安らぎを与え給え」)の部分が dona nobis pacem(「われらに平安を与え給え」)になります。
これを読んでいて、高校合唱部の頃、パレストリーナ(チェーザレよりは後の時代の作曲家ですが)のミサ・ブレヴィスなど(そういえばグレゴリオ聖歌なんかもあったような)を歌ったのを思い出したのですが、そうか、あれはラテン語だったよなぁと今頃思ったり(^^;)。