オリオリスープ(4) (モーニング KC)

著者 :
  • 講談社
4.22
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本棚登録 : 110
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065104057

作品紹介・あらすじ

本の装丁家・原田織ヱ(28)は、スープが大好き。スープと言っても、種類は色々。思わず真似したくなる、四季折々のスープ物語、ここに完結!【4巻のお品書き(一部)】落としイモ/すいとん/人参ピューレのスープスパゲティ/揚げ鱈と水菜のみぞれ鍋/七草粥/獅子頭鍋/小豆粥風ぜんざい/味噌玉/カレーに水キムチ/芽キャベツのクラムチャウダー/新ニンニクのコンソメスープ/トリとカツオダシの冷やし茶漬け

感想・レビュー・書評

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  • 読んでて何度も何度もグッときていたけれど、ラストの弥燕さんの「おじいさんおばあさんになってもこうして あなたとダシ作りをしていたいです」って読んだ瞬間にエコノミー画質になってしまって文字が読めなくなってしまった…………!今だけじゃない、この先の不確定な未来であっても一緒にいたいって思、だめだ、泣いてしまって書けない、人生を共に歩んでいきたいって思いあえるって、気持ちが通じ合うって、そこまでの道のりは大変だけれど、かけがえのない人に巡り会えるって、救いであったり希望であったり、安らぎであったり……居場所であったり、するのだよなぁ……(感想としてまとめるつもりがない)

  • マツコの知らない世界(グルメ漫画の回)で、紹介されたことのある漫画です。

    本の装丁デザイナーの織ヱ(おりえ)が、仕事に煮詰まった時に自らスープを作って食べると言う感じで物語が進行してきます。
    織ヱが食べてるスープが美味しそうで、見ていてお腹が空くような作品だと思います。
    全4巻なので読みやすいかと思います。

  • まるで湯気と香りが画面からわき立ってくるような温かさ。(時に拡大解釈もあるが)スープという1種の料理に特化しつつも、その制限を感じさせない多彩さで厚い4冊を走り切ったのは見事。四季折々の企画とは理解しつつ、2週目を見たかった思いも。

  • 自由気ままな織ヱと真面目な弥燕。祖父が画家という共通点がありながらも、こんなにも正反対になるものなのかと。その2人だからこそ、互いを解放に導くことができたのだな。
    告白して両想いになったり、プロポーズしたり結婚したりのエンディングではないけど、これはこれでいい終わり。最終話の2人の食事シーン、弥燕が緩む口元を織ヱに見えないようにお椀で隠している(と解釈した)のに、読者からは丸見えなのがすごくいい。

    (これまでにも触れたことはあったけど)4巻にしてようやく装丁の仕事について具体的に描かれた。「お仕事漫画としても楽しめる」という感想もあるようだけど、個人的にはそうは思わなかった。(仕事をしているのはわかるけど、装丁家じゃなくても成立するので)
    特に織ヱがデザインを考えているシーンは、序盤にあれば「職業:装丁家」が印象的になったし「感覚派で、いい仕事ができる」の説得力にもなったと思う。

    弥燕が捨て子というのはちょっと設定盛りすぎな気がした。「気に入ってもらえなければ捨てられる」という強迫観念の説得力にはなるけど、ちょいちょい疑問も浮かぶので。
    ・弥燕の名前は元からなのか、養子になってから改名されたのか。祖父と同じ「燕」が入ってるけど、祖父が「絵が上手いし、名前も似てる。これって運命!?」と感じるタイプではなさそう
    ・弥燕と両親との関係が不明。祖父は自分の後継にしたいんなら、息子(自分の養子)にしてもよかったのでは? なんで孫(息子の養子)にした?
    中国の養子や後継者事情を知らないから、謎。
    そもそも弥燕が中国人だと作中で明言されてない。名前と、漢字だけでしゃべったことがあるから、そうなのかな〜と推察できる程度(明言されるのはコミックスのキャラ紹介ページのみ)。
    大学は日本のとこに通ってたけど、いつから日本にいるのかもわからないよな〜。

  • 鍋ってスープの一種なのか? まあ、出汁がスープの仲間ってことなんだな。そして、急展開の独立が急展開過ぎる。お休みって、自分から独立したってことなのかと思っていたけど、そういう風に展開するのね。好きな終わり方だったな。

  • 食事の幸福さと人の強さについての物語。

  • 綿貫先生、ごちそうさまでした
    本当に温かなストーリーを、一滴残らずに飲み干せ、今、心がポカポカしています
    個人的には、ちっとも大袈裟な表現だとは思いませんが、生き続けるパワァを貰えました
    実に美味しいスープ漫画でした
    飲み切ってしまった事に、全く寂しさを覚えない、と言ったら真っ赤な大嘘憑きになってしまいますが、それでも、今は満足感と満腹感の方が大きいです
    なので、寂寥感が襲ってくる前に、急いで、感想を書いております
    ほぼ勢い任せで書いておりますので、構成が粗いかも知れませんが、ご容赦ください
    まず、もう一回、言わせてください、ごちそうさまでした、と
    次に言いたいのが、ありがとうございました、です
    この(4)自体に対する感謝もありますが、むしろ、全4巻に関しての感謝ですね、これは
    いただきます、を言えた(1)から、(4)まで欠かさずに感想を書き続けられたのは、本当に心が美味しさで満たされれる、良い漫画だったからです、この『オリオリスープ』が
    この作品は、どの感も分厚かったですけど、その重さに見合って、ストーリーの重厚感も凄かったですね。何が凄いって、重厚感があるのに、まるでクドくなく、幾度も味が舌の上で変わる、研ぎ澄まされたコクに満ちているトコです
    これは、大袈裟と言うか、ズレた例えかも知れませんが、この『オリオリスープ』は、この最終巻で、『トリコ』の主人公・トリコのフルコース、スープに選ばれた、小松シェフのミリオンスープの域に至ったのでは、と感じました
    あれほど、酷いレベルで頬だけでなく、顔の筋肉が緩んでしまう訳じゃないにせよ、少なくとも、口元はついつい、柔らかくなってしまいます
    読んでいて、自然に笑顔になれるなら、きっと、それは凄く良い漫画です
    あくまで、私個人の印象だけど、この『オリオリスープ』が美味しかった理由は、縦糸が人を幸福にしてくれるスープ料理、横糸がデザイナーかつ人間としての成長を描き、その二本の糸が交わる箇所に織ヱと弥燕の紡ぐ恋愛ドラマが生まれていたからだ、と思います
    もちろん、これは私が思う事なので、他の読み手の方は、違う味に至福の表情となっているかもしれません
    そんな様々な味がある点も、『オリオリスープ』の魅力でしょう
    これもまた、改まって言う事でもありませんが、『オリオリスープ』の魅力に、舌の上で優しく崩れていく甘さを加味しているのは、綿貫先生の色遣いにある、と思います
    綿貫先生の使う色に宿る、優しい仄かな熱は、羽海野チカ先生のそれに近い気がします
    その色遣いが、“スープ”のアクを丁寧に取り除いています
    この(4)が、良い気分で「ごちそうさま」を言えるからこそ、次に綿貫先生が出してくれる一皿が楽しみです
    最終巻だけあって、どの回も舌触りも、喉越しも、胃で広がる温かさも最高の域に入っていますが、[最終話]通年 スープストックは群を抜いている印象を受けました。これまでの話が混ざり合い、一つの美しい味に仕上がっています。しかも、この味が次の味に繋がる未来を感じさせるのですから、もう、涎が止まりませんね
    この回を除いて、一推しを決めるなら、小番先生とニーナさんに春の訪れがやってきた、[67話]3月下旬 卵もキュンと来ました。サブキャラのドラマにも手は抜かない、さすがです
    次、どんな作品を読みたいか、と聞いてもらえたなら、ファンタジー系が読みたい、と答えたいです
    基本的に、ド派手な魔術を撃ち合うアクションが好きなんですけど、綿貫先生の個性を思うと、その手の戦闘は控えめにして、この『オリオリスープ』みたいな、あったかい日常をメインにした、主従の不器用なラブコメが読みたいですね
    もし、食系なら何が良い、と尋ねられたら、少し迷いますが、発酵をテーマに描いてくれたら嬉しいかも知れません
    また、可能なら、YOUに一本、読み切りを描いてくれないかな、と思ってます
    この台詞を引用に選んだのは、シンプルな破壊力にKOされてしまったので。不器用でも、必死に足掻き、戦って、自分のカッコ悪さを受け入れる強さとしなやかさを仲間に貰い、成長してきた弥燕さんらしい、素直な気持ちの伝え方でしたね。彼、いえ、彼と織ヱさんの人生は、これから、もっと良い味になりそうですね。きっと、二人の間に愛の結晶が産まれたら、もっと

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著者プロフィール

6月29日生まれ。長野県出身。第64回ちばてつや賞一般部門にて『ヘミスフィア』で佳作を受賞。『師匠シリーズ 師事』(ウニ著)などの装丁画を手掛ける。ピアス集めが趣味。

「2017年 『オリオリスープ(4)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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