島原の乱 キリシタン信仰と武装蜂起 (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065117279

作品紹介・あらすじ

関ヶ原合戦の記憶も遠のきつつあった1637年、彼らは突如として蜂起した。幕府や各地大名を震撼させ、12万人の大軍をもってしてようやく鎮められた大規模な一揆は、なぜ、いかにして起こったのか?  「抵抗」や「殉教」の論理だけでは説明できない核心は何か。信者のみならぬ民衆、戦国を生き抜いてきた牢人、再改宗者らが絡み合う乱の実相を、鮮やかに描き出した傑作論考! 宗教という視角から戦国時代について深く考察を続けてきた第一人者だからこそ書けた、「神国」思想と日本人という根源的な問題へと切り込む、必読の書。「島原の乱」考察の決定版。(2005年に中公新書より刊行されたものの文庫化) 

【本書の内容】
民衆を動かす宗教―序にかえて
第一章 立ち帰るキリシタン
第二章 宗教一揆の実像
第三章 蜂起への道程
第四章 一揆と城方との抗争
第五章 原城籠城
第六章 一揆と信仰とつながり
学術文庫版あとがき

感想・レビュー・書評

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  • 【推薦者】
    体育学部 体育学科教員 市川 純 

    【学生へのメッセージ】
    島原の乱を論じた本は幾つもあるが、手に取りやすく且つ学問的水準の高い一冊として本書を挙げる。島原の乱は教科書にも必ず登場する有名な事件だが、幕府に迫害されたキリシタンの決死の抵抗としてのみ記憶されているのならば、再考が必要。キリシタンによる蜂起には、実は暴力的な側面もあり、仏教徒の処刑や寺院の破壊、女性の拉致もあったらしい。といって、単にキリシタンを批判すればいいのではない。歴史の真相がいかに複雑で、安易な善悪二元論を打ち立てられないことを、この歴史学的考察を例に知ってほしいのだ。

    ▼配架・貸出状況
    https://opac.nittai.ac.jp/carinopaclink.htm?OAL=SB00546601

  • 島原の乱でキリシタン達は結束し、原城を包囲する幕府軍に対して籠城戦を展開した。
    島原の乱後、幕府はキリシタン禁教を強化した。この政策により日本は鎖国体制へと向かっていくことになる。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/741981

  • 2018年には原城(天草四郎たちが籠城した場所)も世界文化遺産に指定されるのではないかと期待して読了。
     島原と天草に土地勘が無くても(私は長崎県南島原市出身ですが)、地図が冒頭についているのでそこは親切。
     島原の乱が蜂起した理由が通説とは一致しないことを、多くの文献により立証しようとしており丁寧な仕事の本です。
     ただ島原の乱の初心者が読むには大変ですね。天草四郎がなぜ首魁に持ち上げられたのかという理由が全く触れられていないのは残念

  • 第1章 立ち帰るキリシタン
    第2章 宗教一揆の実像
    第3章 蜂起への道程
    第4章 一揆と城方との抗争
    第5章 原城籠城
    第6章 一揆と信仰とのつながり

    著者:神田千里(1949-、東京都、日本史)

  • 途中専門的過ぎてついていけない個所もあったが、「日本教」と「キリスト教」の性質に関わる記述の慧眼には感服した。

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著者プロフィール

神田千里(かんだ・ちさと)
1949年東京都生まれ。東京大学文学部卒、1983年同大学院博士課程単位取得退学。博士(文学)。日本中世史専攻。高知大学人文学部教授、東洋大学文学部教授を経て東洋大学名誉教授。主な著書に『織田信長』(ちくま新書)、『島原の乱――キリシタン信仰と武装蜂起』(講談社学術文庫)、『一向一揆と石山合戦』(吉川弘文館)、『宗教で読む戦国時代』(講談社選書メチエ)、『戦国と宗教』(岩波新書)、『顕如』(ミネルヴァ日本評伝選)など多数がある。

「2021年 『戦国乱世を生きる力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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