前立腺歌日記

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065138069

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  • オシッコの回数、流れの勢い、途中で止めることができるか。モレはあるのかないのか。著者が医者から訊ねられた質問。これって私と一緒、まさにあるあるでどこか親しみを感じる。

    前立腺の著者が、ミュンヘンで治療を受ける。手術の後遺症、ずばり尿漏れと性的不能。でも彼は性感神経を残してもらって、その後の恋心も維持している。これを知って、失敗したと地団駄の気持ち。

    私の手術の際には、担当の副主治医の女医さんが、手術の前日ベッドで「もう、精嚢も一緒にとりますが良いですよね」との問いかけ、「はぁい」と気のない返事をしましたが、そこには嫁さんんも、子供たちも居るのに、まだ必要ですとは言えなかったですな。

    でも、著者はその後も、女医さんや街のウェイトレスにもワクワクと恋心を焦がす、羨ましい限りですな。

    まあ、前立腺手術してから、この三月で丸三年。

    あの瞬間だけのために、男たちは、なんべんでも恋をする。(金子光晴)

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著者プロフィール

1959年大阪府生まれ。82年上智大学文学部英文学科卒業。
86年アメリカに移住。90年ペンシルベニア大学経営学修士号取得。
91年第一詩集『笑うバグ』を刊行。94年ドイツに移住。
『世界中年会議』で第3回山本健吉賞・第5回駿河梅花文学賞、
『噤みの午後』で第11回萩原朔太郎賞、『日本語の虜囚』で第4回
鮎川信夫賞を受賞。他の著作に、詩集『現代ニッポン詩日記』『フリー
ソロ日録』、小説『偽詩人の世にも奇妙な栄光』『前立腺歌日記』、
翻訳『ホモサピエンス詩集―四元康祐翻訳集現代詩篇』『ダンテ、李白
に会うー四元康祐翻訳集古典詩篇』ほか多数。2020年以後日本在住。

「2023年 『シ小説・鮸膠(にべ)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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