- Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065141779
作品紹介・あらすじ
狂気に迫りおおせた作品。――朝井まかて
最後の1ページ、ここまでやるか。――石田衣良
ここまでおぞましい作品に接したのは初めてだ。――伊集院 静
読みながら私も本気でおそろしくなった。――角田光代
情動の底の底にある不安感を刺激される。――花村萬月
選考委員、全員戦慄。
第13回小説現代長編新人賞受賞作。
長野の冬は長く厳しい。スポーツインストラクターの賢二は、一軒のモデルハウスに心を奪われる。「まほうの家」という売り文句がついたその家は、たった1台のエアコンで家中を同じ温度で暖めることができた。寒がりの妻と娘のためにも、真剣に購入を考え始める賢二だったが、実家のことが気にかかる。年老いた母と、引きこもりの兄。二人を古い実家に残し、新しい家を買っていいものか。意を決して母に相談するが、意外にもすんなり納得してくれた。
「いつも監視されているから、隠しておくのも大変なんだ」
わけがわからない兄の言動は気になるものの、賢二は家を建てる決心をする。
1年半後、新居は完成し、新しい家族も生まれた賢二は幸せの絶頂にいた。ところが、その家に引っ越した直後から奇妙な現象が起こり始める。我が家を凝視したまま動かない友人の子ども。赤ん坊の瞳に映るおそろしい影。地下室で何かに捕まり泣き叫ぶ娘――。想像を絶する恐怖の連鎖は、賢二の不倫相手など屋外へと波及していき、ついに関係者の一人が怪死を遂げる。
ひたひたと迫り来る悪夢が、賢二たち家族の心を蝕んでいく……。
圧倒的な恐怖で選考委員を驚愕させた、「イヤミス」を超える、世にもおぞましい「オゾミス」誕生!
感想・レビュー・書評
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自分の家を持つことって幸せの一つですよね。でもそれが恐怖の始まりとなるマイホーム購入だとしたらどうですか? 「スペース」というワードが多少怖くなると思います。映画も面白かったですよ。 '2211/9 '2311/19
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怖かった。そして何とも辛くやるせない。「オゾミス」という謳い文句に違わない作品でゾクッとする。ホラー風味だけではなくて、精神を病んでしまう人間の心の脆さ、儚さなど切なくなる場面も多く、ただただ辛いという読後感でした。
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ホラー作品、と一言では言い尽くせないなんとも言えない作品だった。
ストーリーやエンディングは凝っているが、確信を先延ばしする著者の作風というか書き方が私には合わず、読み進めるのに時間がかかった。 -
最後まで期待を裏切らなかったです。
映画化されたから観に行こうかと思っています。
斎藤工監督がどんな仕上がりにしたのか、すごい楽しみ♪