スイート・マイホーム

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 806
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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065141779

作品紹介・あらすじ

狂気に迫りおおせた作品。――朝井まかて
最後の1ページ、ここまでやるか。――石田衣良
ここまでおぞましい作品に接したのは初めてだ。――伊集院 静
読みながら私も本気でおそろしくなった。――角田光代
情動の底の底にある不安感を刺激される。――花村萬月

選考委員、全員戦慄。
第13回小説現代長編新人賞受賞作。

長野の冬は長く厳しい。スポーツインストラクターの賢二は、一軒のモデルハウスに心を奪われる。「まほうの家」という売り文句がついたその家は、たった1台のエアコンで家中を同じ温度で暖めることができた。寒がりの妻と娘のためにも、真剣に購入を考え始める賢二だったが、実家のことが気にかかる。年老いた母と、引きこもりの兄。二人を古い実家に残し、新しい家を買っていいものか。意を決して母に相談するが、意外にもすんなり納得してくれた。
「いつも監視されているから、隠しておくのも大変なんだ」
わけがわからない兄の言動は気になるものの、賢二は家を建てる決心をする。
1年半後、新居は完成し、新しい家族も生まれた賢二は幸せの絶頂にいた。ところが、その家に引っ越した直後から奇妙な現象が起こり始める。我が家を凝視したまま動かない友人の子ども。赤ん坊の瞳に映るおそろしい影。地下室で何かに捕まり泣き叫ぶ娘――。想像を絶する恐怖の連鎖は、賢二の不倫相手など屋外へと波及していき、ついに関係者の一人が怪死を遂げる。
ひたひたと迫り来る悪夢が、賢二たち家族の心を蝕んでいく……。

圧倒的な恐怖で選考委員を驚愕させた、「イヤミス」を超える、世にもおぞましい「オゾミス」誕生!

感想・レビュー・書評

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  • 神津凛子作品を読むのは初めてだ。

    録に紹介文等を読まないまま、読み始めたので最初はホラーかと思いきや…完全なヒトコワでありイヤミス。そしてオゾマスである。最高すぎる。

    分構成や言葉選びも読みやすく、スラスラと一晩で一気読み。とても面白かった。


    ラスト1ページで冒頭1ページに戻るのか。彼はこのまま妻とあの場所で死ぬのだろうか。サチを置いて?

    そうすればサチは…いや、胸糞好きの悪い妄想か。それでもそう考えれば考えるほどイヤミス好きには堪らないほどエグくて面白い。



    是非、他の作品も読んでみようと思う。

  • 読み進めるたびに起こってほしくないことが起き、まともだなと思ってた人物はことごとくやべーやつでした。恐怖の表現に臨場感があり、気味の悪さを体感することができた。


  •  自分の家を持つことって幸せの一つですよね。でもそれが恐怖の始まりとなるマイホーム購入だとしたらどうですか? 「スペース」というワードが多少怖くなると思います。映画も面白かったですよ。 '2211/9 '2311/19

  • 怖かった。そして何とも辛くやるせない。「オゾミス」という謳い文句に違わない作品でゾクッとする。ホラー風味だけではなくて、精神を病んでしまう人間の心の脆さ、儚さなど切なくなる場面も多く、ただただ辛いという読後感でした。

  • 2023/10/16 読了。

    図書館から。

    知人から進められ、読む。
    著者作品初。

    読みやすい。犯人が誰かは分かりやすい。
    申し訳ないけれど、
    主人公にまったくもって同情できん。

    お兄さんの件とお母さんが切ない、
    お嫁さんが壊れてしまったのが不憫・可哀想。
    なにより次女ちゃん…。
    その点がホラーだったよ。

  • ホラー作品、と一言では言い尽くせないなんとも言えない作品だった。
    ストーリーやエンディングは凝っているが、確信を先延ばしする著者の作風というか書き方が私には合わず、読み進めるのに時間がかかった。

  • 映画化にあたり、ホラーが苦手で映画が観られるかをはかるために読みました。
    感想としては、ホラーというよりサスペンス寄り。
    表現方法がホラーテイストなのでジャンルとしてホラーではある気はしますが、前述の通り私がホラーが苦手だからそう思うだけで、ホラー小説の愛好家にはホラーとは言われない気がします。
    系統としては綾辻行人系。

    個人的に分からないうちはホラー表現にビビりますが、結果的に人為的なものだと分かればホラー的な意味での怖さはゼロになるので、読んだ感想としては、「浮気はいかんよな……」のひと言に尽きました。

    余談ですが、小説をそのまま映画化したらB級もB級になりそうですが、映画は綺麗に整えられて普通に雰囲気ホラー(とも言えないほどにはぬるめな表現)になっていました。
    ホラーを期待すると肩透かし…という感じですが、整えられ方に製作の意思を感じで個人的には高評価です。
    気になる方は是非どうぞ。

  • 最後まで期待を裏切らなかったです。
    映画化されたから観に行こうかと思っています。
    斎藤工監督がどんな仕上がりにしたのか、すごい楽しみ♪

  • 本田が怪しいのは一章からなんとなく察せられたけど、どんどんそういうレベルの話じゃなくなって夢中になってしまった。
    一度ホラーを疑わせてからの、げに恐ろしきは生きた人間なり…

    「これね、聡の飲みかけなの」で泣いてしまった。それまでは行き着く暇もない展開だったのにそこで急に…ああ亡くなったんだなって実感が…

    最後まで読み終わると本当に聡が報われなさすぎてきつい。つらー!!
    サイコパス気質の弟を酒乱の父親から必死で守って罪もかぶってやって、その事実に押し潰されて病んでしまって疎ましがられてずっと誤解されながら最期は姪を守って死んで…名誉回復は死後で…そんなことがあっていいのかよ…

    と思ってたらラストー!!!
    こいつ…賢二…生きてるだけで厄災みたいな男だな!?全部こいつのせいじゃん!!!

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著者プロフィール

1979年長野県生まれ。2018年に『スイート・マイホーム』で第13回小説現代長編新人賞を受賞しデビュー。同作は、監督・齊藤工、主演・窪田正孝で2023年実写映画化が決まっている。他の著書に『ママ』がある。

「2023年 『サイレント 黙認』 で使われていた紹介文から引用しています。」

神津凛子の作品

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