ふりむけばそこにいる 奇譚蒐集家 小泉八雲 罪を喰らうもの (講談社タイガ)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065156384

作品紹介・あらすじ

美貌の怪異コレクター小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の青春と友情

閉ざされた聖堂に現れた変死体。最も罪深き者は誰か? 真相は怪異か、人の業か――。

親族に疎まれ失意のまま辺境の神学校に編入したオーランドは、この世の怪を蒐める不思議な少年と出会う。のちに日本で『怪談』を著したラフカディオ・ハーン――小泉八雲が英国で過ごしたまばゆい青春と友情の記録。日に日に恐るべき速さで成長する子どもが彼らのもとをおとずれる奇譚「名もなき残響」、姿を消した黒猫と死を呼ぶ青い蝶を巡る「Heavenly Blue Butterfly」、他一編。

感想・レビュー・書評

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  • 親族に疎まれ失意のまま辺境の神学校に編入したオーランドは、この世の怪を蒐める不思議な少年と出会う。のちに日本で『怪談』を著したラフカディオ・ハーン――小泉八雲が英国で過ごしたまばゆい青春と友情の記録。日に日に恐るべき速さで成長する子どもが彼らのもとをおとずれる奇譚「名もなき残響」、姿を消した黒猫と死を呼ぶ青い蝶を巡る「Heavenly Blue Butterfly」、他一編。

  • ・オーランドは寄宿学校で友人となった若きラフカディオ・ハーンとともに不可思議な出来事に対するお話の第二巻。
    ・短編がふたつ、中編がひとつ。
    ・忘れてしまったことのかすかな残り香。
    ・死者の魂が変じた蝶と行方不明の黒猫。
    ・かつて生徒が死んだ同じ礼拝堂で同じような死に方をした謎の男。その裏にある真相は?
    ・ラフカディオ・ハーンでなく、まったくの架空の人物でかまわなかったし、むしろそのほうが物語の邪魔にならなかったとは思う。今後続編があるのかどうか知らないし、必然性はこれから出てくるのもしれないが。

  • 自らが作り出した二重身(ダブル)から始まり3話がつながっている。
    優しい子供の頃の思いから始まり失くした魂との切ない邂逅にしんみりしたと思ったら、最後は貴族のダークサイドが露見しおどろおどろしい話になった。
    多感な年頃の集団だし宗教の濃い施設でもあるから不思議が起こるのはわかるが、貴族の暗い部分など俗世と切り離せない世界観と純粋な少年たちの生活との対比が不安定さを醸し出している。

    大きな敵になりそうな悪魔も登場した。今回の鍵となるアンソニーの境遇は過酷だったが、パトリックは大人になったら日本へ行くのだろうという、ある意味未来が予想できるからかあまり結末を心配せずに済むのが良い。
    今後学園での生活やオーランドのチェロ、悪魔との対峙がどのように展開していくのか楽しみだ。

  • 友人がいないことを気にしていないパトリック・ハーンとオーランド・レディントン。寄宿神学校で友人になった二人の関係が初々しくて微笑ましい。なのに、起きる出来事は輪をかけて不思議。

  • 「名もなき残響」
    日々成長する者。
    幼い頃に無意識に造り出した存在だと、いつの間にか全てを忘れてしまうのも仕方ないかも。

    「Heavenly Blue Butterfly」
    息絶えてもなお。
    簡単に敷地内へ侵入出来るのもどうかと思うが、子猫を連れて探しに来る場所ではないだろ。

    「罪を喰らうもの」
    二つは繋がって。
    簡単に逆らうことが出来ない相手だからこそ、事故も含め手のひらの上で踊らされたのだろ。

  • 短編連作というべきか。林で見たドッペルゲンガー、蝶(猫)の幽霊ときて最後の話につながっていく。アンソニーが替え玉で実は庭師の子供だったとか、礼拝堂で死んでいた男がミルフォード卿の異母弟という設定あたりは合理的なミステリっぽいのに、そこに至るまでが怪異がらみになっているので、あッこれはやっぱり幻想小説なのか…となった。あと最後に寄宿舎モノ名物少年愛が出てくるとは思わなかった…。オーランドがパトリックに紀行文なんかを書けばいいと言っていたり、これで終わりそうな雰囲気を醸し出しているけれどレーベル変わって続いていてよかった。もうそろそろ目をケガする頃だね…。

  • 前作よりも、貴族社会のドロドロした世界が描かれている。

  • 雰囲気は好きだけど、あまり話に入り込めない。小泉八雲の名前がかえって邪魔してるかも。

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著者プロフィール

東京都出身。東京音楽大学器楽科ピアノ演奏家コース卒業。『始まりの日は空へ落ちる』で集英社ノベル大賞受賞。本書は大英帝国を舞台に若き日の小泉八雲の活躍を描いたホラーミステリー『奇譚蒐集家 小泉八雲 白衣の女』(講談社文庫)の続編にあたる。他の著作に、本シリーズの前日譚「ふりむけばそこにいる」シリーズ(講談社タイガ)、「王女の遺言」「倫敦千夜一夜物語」シリーズ(ともに集英社オレンジ文庫)、「英国マザーグース物語」シリーズ(集英社コバルト文庫)などがある。


「2022年 『奇譚蒐集家 小泉八雲 終わりなき夜に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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