娘の友達(1) (モーニング KC)

著者 :
  • 講談社
3.42
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感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065166000

作品紹介・あらすじ

「君に出会わなければ、正しくて、つまらない人生だった――」

家庭では父親として、会社では係長として、“理想的な自分”を演じるように生きてきた主人公・晃介。だが、娘の友達である少女・古都との出会いにより、人生は180度変化する。 彼女の前では、本物の自分でいられた。すり減った心が、癒されていった。それが、“決して抱いてはいけない感情”だと知りながら――。 社会の中で自己を抑圧する現代人へ贈る、“ミドルエイジ・ミーツ・ガール”ストーリーが幕を開ける。

感想・レビュー・書評

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  • 一部の人から「女性への性的搾取や性犯罪を助長する」などと批判され、ネット上で「炎上」した(している)作品。
    私はその騒動でむしろ興味を抱き、現時点の既刊1~2巻を買って読んでみた。

    たぶん、ネット上でこの作品を批判したうちの少なからぬ人たちが、読んでいないと思う。読んでいたら出てくるはずのない言葉が散見されるから。

    タイトルの印象、またコミックスのカヴァー画の印象だけで、「中年男が娘の友達である美少女JKとイケナイ恋愛関係に陥る物語」だと勝手に思い込み、〝誤爆の筆誅〟を加えている人が多いのだろう。

    読まずに批判――それは喩えるなら、コメンテイターとしてのデーモン小暮しか知らず、聖飢魔IIの音楽を聴いたことがない人が、「コミックバンドでしょ?」と思い込むようなものだ。

    そもそも、これは「恋愛もの」ではないと思う。
    見た目は癒やし系美少女なのに、どこか常軌を逸した「闇」を抱えたヒロイン・如月古都に翻弄され、主人公の中年男・晃介がしだいにのっぴきならない立場に追い込まれていくサイコサスペンスなのだ。

    古都に迫られて晃介が揺れ動く様子を「キモい」と感じる人が多いのは、まあ理解できる。
    だが、「女性への性的搾取や性犯罪を助長する」というのは、ちょっと違うのではないか。そういうマンガならほかに山ほどあるだろう(ちなみに、本作の作者は女性)。

    この作品が「アウト」なら、『私の少年』も『恋は雨上がりのように』も『ノラと雑草』も、みんなアウトになってしまう(3作とも好きな作品である。為念)。

    そもそも、本作での晃介は古都を「性的に搾取」する側ではなく、むしろ古都のペースにどんどん巻き込まれていく〝被害者側〟である。

    表紙に書かれた副題が「L’un des grands secrets d’une femme fatale.(ファム・ファタールの大きな秘密の1つ)」であるように、古都は「ファム・ファタール」として描かれている。
    男を翻弄し、時に破滅させる「宿命の女」「魔性の女」である。

    「ファム・ファタール」に翻弄される男の物語は、映画では数多く描かれてきた。
    マンガなら、星里もちるの名作『本気のしるし』あたりに近い作品といえる。

    如月古都は、『本気のしるし』のヒロイン・葉山浮世を超えるかもしれない。マンガ界に久々に現れた〝本格ファム・ファタール〟である。

    破滅的な結末しか思い浮かばないマンガだが、その結末まで見届けたい。

    ■追記(2021年2月14日)
    本作は、コミックス1~2巻までは新鮮で面白かった。
    が、その後の失速ぶりはすさまじく、私はコミックスは4巻まで買って、あとは買わなくなった。

    それ以降は「コミックDAYS」での連載で完結まで読んだが、最後のほうはもはや作者自身も作品を投げ出している印象を受けた。

    如月古都と中年男・晃介の関係は、けっきょくコミックス2巻あたりのまんまで、ダラダラ、グルグルと堂々巡りをつづけただけだった。

    これほど竜頭蛇尾なマンガもあまりなく、一言文句を書かずにはいられなかった。

  • こっわ……噂に違わぬサイコホラーだったわ。
    ヒロインの古都が優しいように見せかけて、少しずつじわじわと自分に依存する以外の選択肢を奪っていくように立ち回ってるのが怖すぎる。
    おっさんに突きつけられてる選択は「女子高生と交際するか、大人として毅然とした態度をとるか」じゃなくて「女子高生に依存して破滅するか、何にも頼れずに破滅するか」なんだもん。ひどいよ。

    そんなわけでホラーとして楽しめるのはもちろんなんだけど、古都みたいなタイプのヒロインは美少女コンテンツや萌え系作品にも少なくない確率でいたりはするので、そういう子推しの人にはだいぶ「刺さる」かもとも思います。

  • 書店の「試し読み」で面白そうだと思い、1・2巻を購入。
    あっさりした絵柄で、ドキドキするような展開...なのですが、
    ちょっと「きぃちゃん」のキャラ設定が
    「男目線の理想・妄想を具現化した」感じで...
    いね〜よ、こんな都合のいい奴、とツッコみたくなる(^ ^;

    ストーリー展開も、わりと安易なご都合主義っぽく(^ ^;
    全体にちょっとひねり・深み不足か(^ ^;

    ま、まだ先があるようなので、これからどうなるのか...
    もう少し様子を見てみようかと(^ ^

  • ・1話
    シングルファザーの市川。妻は他界。
    お気に入りの喫茶店で新しいバイトの女の子と出会う。
    現在不登校の娘の同級生だった。

    ・2話
    販売とか営業の仕事って話が二転三転して嫌になりますね。
    『神様からひと言』を思い出しました。
    学校で会ったのをきっかけにLINEの交換をした古都から連絡がしょっちゅう来る市川。

    ・3話
    不倫だから否応なしに非難してる訳じゃなくて、誰でもやってるだろってその場のノリでした事が非難されてるんですよ。醜い。遊び感覚でやれちゃう人は何もないですね。

    ・4話
    古都に誘われ二人っきりのカラオケに。
    古都ちゃん何考えてるか分からないけど、この人とならって直感があったんですかね、市川に。

    ・5話
    こんな忙しい仕事してるのに娘の料理のことも考えてって気苦労が絶えない。
    こんな状況なら料理くらい娘がやっても良いはずなのに。
    全ての煩わしさから古都と二人逃げ出してしまう。
    よくある展開だけどどうなるのでしょう。

    ・6話
    娘の友達である古都に対して体が正直に興奮しちゃい情けなくなる市川。
    古都は容赦なくキスまでしてくる。

    ・7話
    何が間違ってるかなんて一体誰が決めるんでしょうか。

  • 翻弄して籠絡するだけです
     前原政之さんのレヴューを見て読んでみた。
     絵はうまい。
     しかしストーリーは、娘の友達が中年社会人を籠絡して翻弄する話で、何がおもしろいのかわからなかった。しかも関係を持たないまま、なあなあに終ったといふ。
     これが「母親と息子の友達」だとカストリ雑誌的な安っぽさを感じると指摘した方がゐる。そのとほりだ。エロ漫画的設定の変形でしかない。
     思ふに、実際の中年の妄想を書いてみたのだらう。たいていの男は妖艶な女子に弱いから。

  • うぅうう……こっわい……

    前情報なかったら、怖くて読めんわ…情報量などは読んでて多く感じなかった。だからこそ、ストレートな描写が痛いほど心に届く。

    しかも一巻で考え得る最悪をみた。

  • ラブとかエロとかコメディとかを期待しない方が良い。それよりは世にも奇妙な物語とかを見ている感覚に近い。
    前作の『バイバイ人類』もこれは一体?と思うまま読み終えって、結局よくわからん話だったと思ったが、同じ匂いがする。

  • シングルファザーの管理職が、仕事・家庭のプレッシャーでやられ、娘の友達に手を出すみたいな
    公教育が嫌いなので、学校の先生が学校に来させろ!と言ってくるところが読んでて一番つらかったですね
    ていうか進学校の先生ってそんなこと言ってこないでしょ
    高校の先生と女子高校生が付き合うってのは、別マで読み慣れてるけど、これはちょっと読んでてつらいなあ。さすがに父と娘ほど歳が離れてるときつい。まあ漫画なので、なんとか頑張って読むか

  • 最終巻まで読了。

    周りに感情を共有できる人がいないからこそ成り立っている関係。多分似たような境遇だったら依存する相手はお互い誰でも良かったのかな。とても脆い。
    晃介さんに対する娘の態度、古都ちゃんへの母親からの依存、どれも自分の経験と重なる事があって読んでいて心に来た。

    最終的な二人の関係は相手のつらさを互いに理解し合って慰め合う友達以上恋人未満(?)な関係。告白はしたものの結婚したいとかそういう訳じゃない。上手な表現が見つからないな。
    その後を描かずに完結したから未来に想像の余地がある。二人とも周りの人と良い関係を築けているとと良いな。

  • 精神がおかしくなりそう 女の子は可愛いんだけどそれに堕ちてしまうのはあまりに罪。

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