免疫の守護者 制御性T細胞とはなにか (ブルーバックス)

  • 講談社
4.13
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065172841

作品紹介・あらすじ

●刊行趣旨
体を守るシステムの中で、病原微生物を排除する免疫系はもっとも重要なシステムだ。抗原(ウイルス)が侵入すると、T細胞がそれを察知して免疫機構によってウイルスを排除し感染を防ぐ。これが免疫応答だ。ところが、正常な自己の組織には反応しない(免疫自己寛容)が一方ではたらく。これが破たんすると、リンパ球が自己抗原に反応して、関節リウマチ、多発性硬化症、甲状腺炎、バセドウ病などの自己免疫疾患を引き起こす。
じつはこの免疫寛容、つまり自己を攻撃しないようにはたらく免疫細胞こそが、著者が発見した制御性T細胞だ。この制御性T細胞を取り除くと、免疫系は自己の攻撃に転ずる。制御性T細胞をコントロールすることで、自己免疫疾患、さらにはがんへの治療も可能になるという。さらに、免疫抑制剤・増強剤の創薬、治療にも役立つという。非常に複雑な免疫の世界を、制御性T細胞のメカニズムから解き明かしつつ、いままでの治療法を覆す免疫療法への応用を解説する。


●著者紹介
さかぐち・しもん
1976年京都大学医学部卒業。81年同医学部付属病院医院。83年同医学部博士を取得。83年米国ジョンズ・ホプキンス大学客員研究員。87年米国スタンフォード大学客員研究員。91年カリフォルニア大学サンディエゴ校助教授。92年新技術事業団『さきがけ21計画』専任研究員。94年東京都老人総合研究所免疫病理部門長。99年京都大学再生医科学研究所教授。2007年同再生医科学研究所長。2011年から大阪大学免疫学フロンティア研究センター教授。過剰な免疫反応を抑える制御性T細胞の発見と免疫疾患における意義を解明。
研究のテーマは、免疫応答の制御と治療への応用。紫綬褒章、朝日賞、ガードナー国際賞(2015年)受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 2021-05-02 amazon p605-

  • いくつかの発見があった。

  • 2021年9月期展示本です。
    最新の所在はOPACを確認してください。

    TEA-OPACへのリンクはこちら↓
    https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00552350

  • 文系脳でもスッと読めた。一冊の本として、純粋に面白かった

  • 491-S
    閲覧新書

  • 坂口志文、塚﨑朝子「免疫の守護者 制御性T細胞とはなにか」読了。T細胞は骨髄由来の未熟なリンパ球が胸腺で分化・成熟する。その中で、過度な免疫系の作用によるアレルギーや炎症を抑える重要な働きをするのが制御性T細胞。著者はその細胞に関する第一人者。定説を覆しその機構を突き止めたスリリングな展開に引き込まれた。今後応用面での貢献も期待したい。

  • 2月新着
    東京大学医学図書館の所蔵情報
    http://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2003529303

  • 第1章 ヒトはなぜ病気になるのか
    第2章 「胸腺」に潜む未知なるT細胞
    第3章 制御性T細胞の目印を追い求めて
    第4章 サプレッサーT細胞の呪縛
    第5章 Foxp3遺伝子の発見
    第6章 制御性T細胞でがんに挑む
    第7章 制御性T細胞が拓く新たな免疫医療
    第8章 制御性T細胞とは何者か
    第1章 ヒトはなぜ病気になるのか
    第2章 「胸腺」に潜む未知なるT細胞
    第3章 制御性T細胞の目印を追い求めて
    第4章 サプレッサーT細胞の呪縛
    第5章 Foxp3遺伝子の発見
    第6章 制御性T細胞でがんに挑む
    第7章 制御性T細胞が拓く新たな免疫医療
    第8章 制御性T細胞とは何者か

  • 請求記号 491.8/Sa 28/2109

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著者プロフィール

(さかぐち・しもん)
大阪大学免疫学フロンティア研究センター特任教授。1951年滋賀県生まれ。1976年京都大学医学部卒業。医学博士。1999年京都大学再生医科学研究所教授、同研究所長を経て、2011年大阪大学免疫学フロンティア研究センター教授。2016年から現職。過剰な免疫反応を抑える「制御性T細胞」を発見。2015年ガードナー国際賞、2019年文化勲章、2020年ロベルト・コッホロコッホ賞など、内外の受賞多数。

(つかさき・あさこ)
ジャーナリスト。読売新聞記者を経て、医学・医療、科学・技術分野を中心に執筆多数。国際基督教大学卒業、筑波大学大学院および東京医科歯科大学大学院修士課程修了。慶應義塾大学非常勤講師。主な著書に『世界を救った日本の薬』『新薬に挑んだ日本人科学者たち』(講談社)、『患者になった名医たちの選択』(朝日新聞出版)など。

「2020年 『免疫の守護者 制御性T細胞とはなにか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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