- Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065173305
作品紹介・あらすじ
幽霊話をすれば無代(ただ)になる妖しい飯屋。
怖くて、可笑しくて、美味しい!?
「古道具屋 皆塵堂(かいじんどう)」の著者、待望の新シリーズ!
奉公先を追い出され、日傭取りの仕事で糊口をしのぐ虎太は、
看板娘のお悌に惹かれ飯屋「古狸」へ。
そこは怪談を聞かせると無代になるという不思議な店。
怖い話は苦手なのに、お悌と無代飯に釣られて古狸に入り浸る虎太は、
死神が棲むという家に行く羽目に。
「不運な男」虎太はそこで何を見た? そして古狸の謎とは?
感想・レビュー・書評
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輪渡さんらしい作品。
懇意になった四兄妹の、行方不明の父親探しを手伝うために、父親が大好きだった怪談話の現場に潜入することになった虎太。
四兄妹の世話役的な治平が、〈溝猫長屋〉シリーズの大家さんみたいで真面目なんだかおとぼけなんだかって感じだし、主人公の虎太は怖がりなのに四兄妹の紅一点、お悌の気を引きたいために怪談話の現場に泊まり込むことになるし、ヘタレなのに無鉄砲でお気楽で、如何にも良いように使われそうなキャラクター。
肝心の怪談話の方は、幽霊を見たら死んでしまう「死神の棲む家」、行方知れずになった娘が現れる「神隠しの長屋」、目覚めると知らない場所にいる「見知らぬ家」、雨戸が立てられている筈なのに灯りに透ける幽霊が見える「見る人、見ない人」、これまた輪渡さんらしい怖さとユーモアが入り雑じった面白さ。
最初は中途半端で終わるな、と思っていたら、段々と繋がっていくのがこれまた面白い。
バカにされているのか、可愛がられているのか。それでも悲壮感がないのが輪渡さんらしさ。
最後に猫が出て来て輪渡さんらしさがパワーアップ。
団子好きな同心にまで上手く利用されてるのがお気の毒だけど、代わりにタダ飯がたらふく食べられるのだから良いのかな。
行方知れずの父親が見つかってないので、続編はありそう。猫が苦手な〈皆塵堂〉シリーズのあの人との絡みがそのうちありはしないかと思わず期待してしまう。 -
輪渡颯介さんの待望の新シリーズ。やっと読めました。
輪渡作品ではお約束の“幽霊”に絡んで話が展開するのですが、雰囲気がユルいのでサクサク読めます(幽霊描写部分はちょいと怖いですが)。
主人公の虎太は、愛すべきアホというか、単細胞なので、今後もバンバン受難していくことでしょう(笑)。
あと、輪渡作品にこれまた欠かせない、猫がなかなか出てこないな・・。と思っていたら、やっぱり最後に出てきて虎太が世話を押し付けられていました。
「古狸」ファミリーの名前が何気に、里見八犬伝でお馴染みの“八徳(仁・儀・礼・智・忠・信・考・悌)”になっているのは意味あるのでしょうか。亀八さんだけ違いますが(あ、“八”か?)、今後「仁」「信」が加わるのかな・・と期待します。
あと、団子好き(?)な同心・千村の旦那もくせ者っぽくて好きかも。 -
奉公先を追い出されて日雇い仕事でその日暮らしの虎太は、看板娘のお悌に一目惚れして飯屋「古狸」へ通う。そこは実話の怪談を聞かせると飯代がタダになるという店で、虎太はお悌にいい格好したいのとタダ飯のため怪談の実地検証に行くことに‥怖い話は苦手なのに幽霊運のよい虎太と愉快な仲間たちの話。
最初は連作短編集かと思って、これで終わり?と思ったら中盤から話がどんどん繋がり始めて面白かった。
「古狸」の面々が怪談を収集している原因に関してはまったく解決していないので続編が楽しみ。 -
この作家さんは人を描くのが上手。
みんな個性的でステキです。 -
溝猫長屋の登場人物を大人にしたみたいな設定w
へたれでおバカな虎太がナイスすぎる~。
幽霊話は、なんだか中途半端じゃないかなぁと思っていたら、そっかぁ。
お悌ちゃんは、ちょっとなぁって思うけど。
新シリーズということで、行方の知れないあの人のことも明らかになっていくのかな。
続きがでたら必ず読もう。 -
なんとなく溝猫長屋シリーズを思い出す。幽霊が出る部屋にビビりの虎太を送り込む話だが、幽霊を祓うとか成仏させるとかが目的でないのが面白い。幽霊が出たことを確認して終わり。まだシリーズが始まったばかりなので今後は違う展開もありそう。
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怪談飯屋古狸シリーズ、1作目。
怪談と謎解きと、先の古道具屋皆塵堂シリーズや溝猫長屋シリーズと登場人物が異なるだけでよく似た展開のお話ですが、安心安定の面白さは期待通りです。ホラーものは元来苦手ですが、輪渡さんの描くキャラは皆ほんわかしているので、怖いながらもいくらでも読めちゃう。終盤まで読んで、さすがにもう猫は出てこないかと思ってたら、やっぱり出てきて笑った。今後のシリーズ展開、楽しみにしています。
いいね!有難う御座います。
「おにぎりの本」のおにぎりのポイントを追記しました。
見てください。
やま
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