デジタルトランスフォーメーションで何が起きるのか 「スマホネイティブ」以後のテック戦略

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065179888

作品紹介・あらすじ

「従来のビジネスモデルには、必ず“機会損失”がひそんでいる。

顧客の価値を最も高めるものはなにか?

デジタルトランスフォーメーションこそが、それを再考する絶好の機会になる」──アドビ最高経営責任者 シャンタヌ・ナラヤン

「フォトショップ(Photoshop)」や「イラストレーター(Illustrator)」はなぜ、サブスクリプション制に移行したのか?

それが促した企業変革=デジタルトランスフォーメーションとは?

JAL、アスクル、三井住友カード、アドビ……。
話題のDX=デジタルトランスフォーメーションの本質が、詳細な事例で知識ゼロから理解できる!


〈おもな内容〉

第1章 「ビジネスの方向性」はデータが決める──顧客は「なにを」「どう」求めているか

「デジタルな顧客接点」とはなにか?/「世界観」を語れ!/顧客体験価値を最大化させる「データ」活用/コンバージョンレートは重視するな/企業向けEコマースと個人向けEコマースの違い/「扱っていないのに検索されている商品」に注目せよ/Eコマースで「独自色を出す」とはどういうことか


第2章 デジタルトランスフォーメーションとはなにか──「なにを」「どう」デジタル化するか

「サブスクリプション」モデルの選択/技術革新のスピードにビジネスモデルが合わなくなった/既存ビジネスにひそむ「機会損失」/「第二の創業」/「デジタルな会社」とはなにか?


第3章 「流通のデジタル化」が加速した経営改革──「なにが」「どう」変わったのか

「最初の30日」で「1年後の顧客」が見える/ユーザーの属性を仕分けせよ/数億円単位で利益を左右する画面構成/社内全体が「同じものさしで状況判断できる」強み/改善サイクルは「3日間」/データサイエンティストを大量雇用する理由


第4章 「顧客の望むこと」はすべて、データが教えてくれる──「なにを」「どう」活用すべきなのか

「見せるべき情報」を「見せるべき人」に/追いかけすぎると顧客は逃げる/その施策はどんな顧客価値を生み出すか/「検証迷子」というリスク/解約時でも「顧客満足度を上げるべし」


第5章 デジタルトランスフォーメーションが生み出す「新しい価値」──それはアナログなビジネスでも活かされる

システム=コスト部門の間違い/「短期的な成果」は期待しない/「簡素な接客」、「濃密な接客」/マス広告の価値が見直されている/日本企業に共通する「ある誤解」/「数字を読み取る文化」を定着させよ/「変化しながら先を見据える」ビジネス感覚を磨け

感想・レビュー・書評

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  • 技術そのものではなく、技術を取り入れた後の世界観を語る(営業が商品を知りすぎるとダメな一因)。
    顧客分析では男女や年齢といった属性に目が行きがちだが、大事なのは我々に対するニーズ。
    データから求められる店の姿を考える=データから弊社が求められている商品の姿を考える
    メルマガしないで行動トリガーメールのみ(行動トリガーメールの詳細知りたい)

    顧客を群で捉え、個で見出しづらかった全体像を見えるようにするのがデジタルマーケティングの重要要素

    入店直後からべったり

  • 2019年だけどちょっと古い感じがする。JAL,アスクル,Adobeの事例。e-コマースの話?個人消費もデジタルが窓口になる中でこれまでの成功事例や売る側だけの観点では消費者に選択されない現実。情報技術を活用する=データによって最適化していく,それを短期間で。その仕組みを作ることで企業としての適応度が上がる。これのお手伝いができる企業はかなりの利益をあげるな。全体を一気に変えるのは難しそうだ。やれるところで改善を重ねてみることから。

  • ちょっと古いけど、いわゆるDXについて、事例をベースに紹介している本。
    とはいえ幅広く、というよりかはアドビ社を事例に挙げて、他社への展開事例としていくつかを提示している。オンライン記事なども多く出ているけど、やっぱり共通するのは「小さく始めて、早くリスクテイクして」という感じの話かなぁ。
    利益に直結しないシステム投資をどう通すか、という点において「世界観(イメージ)をいかに伝えるか」は、そうだよね、と。当然と言えば当然ではあるんだけど、やるのは難しい。
    また、本書全体で言われているのが「顧客視点」。類書でも同じ主張は多いし、昨今よく言われるテーマではあるけど。Web販売においてコンバージョンレートを追い求めるのは一つのKPIだけど、顧客視点では違う、というのは面白い。コンバージョンレートが低くても、自社のファンになってくれれば、それは成功だよね、と。短期的な成果を求めるのであれば、確かにコンバージョンレートなんだろうけど、中・長期で見たときにはそうとは言えないね、と。ただ、じゃぁどういうKPIで測るのかって難しい気がするよね。となると、やっぱり長期的に顧客動向を拾える必要があるよねぇ。となるのが一つのDXの姿なのかね。(と言っていると思う)
    アドビがパッケージ売りからサブスクリプションモデルに変革した事例が載っているけど、製品の改善タイミングがパッケージの販売タイミングに限られてしまうから、というのは確かにね、と。ユーザービリティの改善など、短期間でもどんどんやっていく必要があるものもあるのに、とか、新しい機能をベータで入れて反応を見る、とかは、サブスクリプションモデル(というかクラウド提供)だとやりやすいよなぁ。ただ、顧客目線で見たときに、それは本当なのだろうか? ユーザービリティ向上のためにUIがコロコロ変わったりしたら、それは顧客からすると微妙だったりするのでは? 提供側の都合でUIだけじゃなく、仕様が変わると顧客としては困る気がする。また、サブスクリプションモデルのメリットとして色々書かれているけど、それはクラウド提供のメリットな気もするんだよね。別にパッケージ売りでもクラウド提供で随時最新が提供されれば、サブスクリプションモデルである必要は必ずしもないのでは。
    金融の事例では、プッシュ型の通知(メルマガとか)は結局見てもらえないから、ユーザーのアクションをトリガーに通知(マーケティング)する方が良い、ってなってるけど、これは確かにそう思う。いろんなところに会員登録すると、メルマガが山のように来て、全部読まずにゴミ箱に行ってるしな。。。 本当に顧客に届けたいものが届いているか、と言われると、かなり微妙。オオカミ少年じゃないけど、バンバン通知すると、本当に見てほしいものも消されるだけな気がする。
    また、解約時にも顧客満足度向上を狙う、っていうのは、面白いな、と。解約は企業からすると避けたいから電話でのみ受け付ける、など解約プロセスのハードルを高くするのは一つの方策だろうけど、確かに逆効果。SNSなどで色んな口コミが拡散されることを考えると、解約やりやすいから試してみなよーみたいな感じで、新規顧客獲得につなぐこともできるだろうし。これもまた「顧客目線」でちゃんと考えられているか、が大事だな、と。

  • internet技術を会社の業務に有効に活用している事例を紹介して、デジタルトランスフォーメーションの内容を具体的に解説している好著だ.アドビの事例は非常に参考になる.サブスクリプションを大胆に導入したCEOナラヤンはインド出身の由.新内閣がデジタル庁を作ると息巻いているが、あっさり民間の優秀な人材をトップにおいて進めるのが最良の方法と思う.

  • 横文字のキーワード先行が著しい現在、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」とはどういう意味で、何をもたらし、何が起き、どう活用すべきかをしっかり理解しておく必要があるという本書の問いかけには賛成。具体的な企業を例にとりDXの取り組みや結果起こった変化を紹介しており、言葉先行で具体的なイメージがまだの人にはおすすめ

  • アナログで規制産業に、どうやったらデジタルトランスフォーメーションを起こせるのだろうか…。

  • 要約済み

  • 大変面白かった。
    サブスクで世の中はどう変わるのか。
    デジマで出来ることの最前線をアドビのソリューションを通じて紹介し考察したものだがアドビがサブスクの最前線を走っており、デジマも豊富な資金力で注力していることから最先端の取り組みと捉えて間違いなく、今後のマーケティングを占うのにふさわしい本だった。

  • いくつかの事例をあげて構成されているが、かなり上部だけで、結局よく分からない…

  • Twitterでも精力的に情報発信をされており、個人的に応援しているITジャーナリストでもある西田宗千佳さんの最新書籍。
    タイトルは随分と大上段だが、主な内容はAdobe社の製品を採用している企業への取材とそこから読み取れる考察だ。若干Adobeのパブ本という感じはするものの(※1)、そこは経験豊富なジャーナリストらしく、Adobeわっしょいという感じではない。

    本書で指摘されているいちばんん重要な点は、単にデジタルを使えばデジタル・フォーメーションであるというわけではないということ。デジタル化することで商流を変更し、データが取得可能なような形で「商流を再構成」することが重要なのだ。
    僕は個人的にRPA(Robotics Process Automation)と呼ばれる技術が大嫌いなのだが、まさに理由はこれで、単なる自動化をデジタル・トランスフォーメーションと言って欲しくないのである。

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著者プロフィール

ITジャーナリスト。
1971年福井県生まれ。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。取材・解説記事を中心に、主要新聞・ウェブ媒体などに寄稿する他、年数冊のペースで書籍も執筆。テレビ番組の監修なども手がける。主な著書に「ポケモンGOは終わらない」(朝日新聞出版)、「ソニー復興の劇薬」(KADOKAWA)、「ネットフリックスの時代」(講談社現代新書)、「iPad VS. キンドル 日本を巻き込む電子書籍戦争の舞台裏」(エンターブレイン)がある。

「2022年 『メタバース×ビジネス革命』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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