晴れ、時々くらげを呼ぶ

著者 :
  • 講談社
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感想 : 102
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065194744

感想・レビュー・書評

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  • 広告で目にし気になったので手に取りました。うーん、個人的には君の膵臓をたべたいみたいに下手くそでもページを捲る手が止まらないとか、感情垂れ流しになってしまうとか、嗚咽するほど泣くとか、響くものはなかったかな。
    クラゲって実際降ってきたことあったっけ?魚とかならあった気がするんだけど。


  • 空の装丁に惹かれて。

    面白かった!すごくすきでした。

    側から見たらどうでも良いようなことを純粋に真剣にやる…には私は歳をとってしまいましたが、本気でワクワクしました。

    迷惑って何?…とても考え込んでしまいます。

    実在の本の登場も楽しすぎました。

    (でも、純粋さも無邪気な心も、忘れずに大切に生きていたいし、真っ直ぐでいたいし、たまにははっちゃけたい。)

  • クラゲよ、こい!
    クラゲよ、降れ!

    クラゲ乞いなんて、また突拍子もない。
    若手の作家にありがちな、妙なもんを気取ってる作品だなぁ…なんて、最初はひねくれた見方をしてしまった。

    理不尽に対抗するための手段がクラゲを呼ぶことというのは、大変慎ましい。
    健気で、
    細やかな世界への抵抗を、
    いつのまにか本気で応援していた。

    作品全体に流れるのは、優しさで、
    クラゲを呼ぶことも、
    登場人物たちの成長も、
    寄り添ってくれる物語も…、
    根底には、包み込むような優しさがあふれていた。
    読んでいるとき、とてもふわふわとした気持ちになれた。

    心地よい透明感に満たされた雰囲気のよい作品で、
    傷ついて、寂しくて、人と関わることをやめてしまった人に対して、
    関わることを教えてくれる。

    ストーリーも面白く、
    物語が、意外な形で主人公の背中を押してくれており、
    他人に対する無関心を決め込む主人公の成長や、抱えた寂しさが解消される過程は、とても感動的だった。

    今の多くの若者に読んでほしいと思う。
    それは、この作品が無関心であることの残酷さを伝えているから。

    個人主義になって、人との関わりが表面的になってしまっている人が増えていると思うが、この物語は、すごくストレートに、他人との関わり方を教えてくれる。
    傷ついている人に向き合うのことは勇気がいる。
    その勇気を持つことを応援してくれるような気持ちになる。

    そして、もっともっと、本を読みたいなぁと
    思わせてくれる。
    とても魅力的な小説だった。

  • 「くらげを呼ぶ」という現実離れした願いを叶えるための地道な努力が微笑ましく,高校生の友情や憧れなどをたくさんの本の紹介とともに描いて,本当に爽やかな読後感.万引きしたチロルチョコを積み上げる場面とかプールで魚が泳いでる場面とか印象的なシーンなど心に残るシーンも多かった.

  • クラゲを呼ぶために必死になる姿。それぞれのキャラクターが一丸となって頑張る姿が素敵でした。

  • 装丁がとても美しく、綺麗で一目惚れしました。
    読んでみたら、一気に読むのはもったいない、
    この世界を一瞬で読み終わらせるのは
    もったいないことだと思いました。
    最後の章なんかは胸がしめつけられるけど、
    苦しいようなでもじんわりとしたものを
    感じながら読み終えました。
    とても綺麗で青春で、苦しくて暖かくて、
    とてもくらげを見たくなりました。
    この小説と出会えて良かったです。

  • 久しぶりにジャケ買い。装丁に一目惚れして購入。
    表紙外して本を見るのが癖なんですが、
    この本は本自体にもクラゲが描かれてた♬



    父親を亡くしたあと他人と関わりを持たずに、
    毎日流されるように生きている主人公・越前享。
    ある日、屋上で「クラゲ乞い」をする
    奇妙な後輩・小崎優子と出会う。
    サッカー少年・遠藤、成績優秀な生徒・関岡、
    図書委員の先輩・矢延先輩。
    世界をちょっとだけ変えたかった「僕たち」の物語。


    読書が苦手な人、特に10代にこそ読んでほしい作品。
    眩しいほどの青春もので
    思春期ならではの閉塞感や倦怠感、
    わけもなく苛々してしまう感じが
    瑞々しく描かれてました。

    図書委員の生徒たちが本のトークをしてる場面では
    自分もその中に入りたい!!!って思いました。笑笑
    本への愛を感じる物語。

    最後のクラゲが降ってくるシーンなんかは、
    本当に美しくて、ゆっくりゆっくり読みたくなる
    描写でした。


    読み終わった後は思わず空を見上げて
    「クラゲ降らないかなー」なんて
    思っちゃいました(*´◒`*)



  • 「図書委員の不思議ちゃんと、なぜか彼女につかまった僕のちょっとおかしな青春小説!」なのかと思いきや!
    いやぁ、くらげに胸キュンする日が来ようとはね。くらげですよ、時代はくらげ!

    不思議少女小崎さんがなぜ毎日空に向かってくらげを呼んでいるのか。くらげというのは何かの暗喩なのか。あるいは、海にいる本物のくらげのことなのか。そしてくらげを呼んでどうしようというのか。
    僕がなぜ図書委員をしながらわざわざ家にある本を図書館で借りて読んでいるのか。なぜくらげ呼びに付き合っているのか。

    いろんななぜを抱えつつ、そして仲間を巻き込みつつ、ある日本当に起こる奇跡。そして本当の目的。
    くらげ、呼べちゃうんだねぇ。あぁあ、青春だなあぁ。

  • 本当にクラゲが空から降ってくる、それだけのお話なのだけれども、学園ものにお約束のシニカルな帰宅部の主人公が異性の相手に遭遇して被害者(いじめ、DV…)が登場したり親友が絡んできて訳知りの先輩がチャチャを入れてくるお決まりのパターン(さらに、死別した親、難病の友人等)に最近流行り?のビブリオ・ネタを加味する料理加減がうまくて軽快に読ませる。☆三つが妥当な作品だが、クラゲが本当に降ってくる場面が素敵すぎるので四つに昇格。
    【付記】「ファフロツキーズ現象」というと難解な印象だが、「falls from the skies」(空からの落下物)を略した造語と知って拍子抜け。日本で は「怪雨(あやしのあめ)」と昔から言われてたそうな。竜巻説が最有力とされているものの実証されたわけではないと……。

  • 雨乞いならぬクラゲ乞いをする不思議ちゃん「小崎」と
    本が嫌いな図書委員「越前」の青春小説。

    力を持たない学生にとっては理不尽に対抗する手段も理不尽だ。

    物語も読みやすくて良いが、
    何より沢山の作家の名前が出てくるのが印象深い。

    鯨井あめさんはきっと本が大好きなんだろうなと思った。

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著者プロフィール

1998年生まれ。兵庫県豊岡市出身。兵庫県在住、大学院在学中。執筆歴13年。2015年より小説サイトに短編・長編の投稿を開始。17年に『文学フリマ短編小説賞』優秀賞を受賞。20年、第14回小説現代長編新人賞受賞作『晴れ、時々くらげを呼ぶ』でデビュー。本作は二作目の長編小説。他の著書に短編集『きらめきを落としても』がある。

「2023年 『アイアムマイヒーロー!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

鯨井あめの作品

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