保健室経由、かねやま本館。2

著者 :
  • 講談社
4.36
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本棚登録 : 284
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065204191

作品紹介・あらすじ

※このシリーズは1巻完結型です。基本的には、どの巻から読んでも楽しめます。

〇下記にひとつでもあてはまる子は、必読!
□ お笑いが、好き!
□ 親友を探している
□ 将来の夢、何にしよう?
□ 運命って、あるのかも!?
□ 湯治場(トージバ)って、なに?
□ 「かねやま本館」に、行ってみたい!


〇あらすじ
――「だって、あいつ、いつも笑ってたから」
千葉尚太郎(通称:チバ)は教室で起こったささいな事件をきっかけに、クラスで空気のように扱われている。嫌われ者になり、とうとう人前で発言することができなくなったチバがたどりついたのは、中学生専門の湯治場「かねやま本館」だった。
ここでチバは、明るくにくめない赤毛の男の子「アツ」に出会い、意気投合、その日のうちにお笑いコンビを結成する。

いつも元気で人気者に見えたアツ。ところが、そんなアツが、制止するチバの腕をも、ふりきり、かねやま本館の「規則その一、紫色の暖簾はけっしてのぞいてはならない」を破ってしまった。チバの手元に残されたのは、アツが置いていった一冊の赤いノート、『俺様のネタ帳』。

このノートに、アツが規則を破った理由が書かれているのかもしれない。どうにかしてアツを救いたいチバは、意を決してノートを開く。
そこに書かれていた、親友・アツの驚くべき「悩み」と「本音」とは……!?


銀山先生って何者? かねやま本館って何? 温泉には効能が? 
「疲れたら、休んでもいいんだ」
かねやま本館で出合う怪しい人間や子どもたちとの交流、温泉での休憩を通し、自分自身の悩みに向きあっていく、心温まる物語。シリーズ第二巻!

感想・レビュー・書評

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  • お願いします。
    どうか大人の私にもこの“かねやま本館の湯治場”を利用できる入館証をください(._.)
    ……………………………………………………………………

    シリーズ1から好きになったこの物語の世界。
    空想することでしか行くことができないのならばと、時を置かずシリーズ2も図書館で借りてきた。
    良かった。またうるっと涙が出た。

    お笑いが好きな二人の中2男子の話。
    不思議な湯治場で出会い、友情を育む。
    しかしこの湯治場には2つの規則があり、一人がそれを破ってしまうのだ。
    破るとどうなるのか……
    その先は………………(内緒)

    今回の温泉の効能は、「疑心」「諦め」「喪失感」「自己嫌悪」「虚勢」「信頼」。
    その日のその人の心に合った“お湯”に導かれる。
    そしてその自分に向き合っていく。

    人の心の中にある悩みやモヤモヤって、こういう気持ちから成り立っているんだなと気付かされる。
    “温泉の効能”という形なら素直に受け止められそう。

    今回、「俺様のネタ帳」という赤いノートが、重要なアイテム。
    このノートを読めるのは湯治場でだけ。
    現世界に戻ると白紙になって読めなくなるのだ。
    書き残されたノートや回想も織り交ぜた物語進行の描写が見事だと思った。

    3/10追記
    「俺様のネタ帳」のページだけ本の用紙のデザインが別の物になっているのにも注目。工夫されてる、面白いなと思った。

  • たぶん泣く話じゃないんだけど、
    泣きながら読んだ。とくに漫才のところ。

    休む必要がある中学生に現れる不思議な湯治場かねやま本館。一冊完結になってるみたいなので、どこから読んでもよさそう。

    この話は、かねやまで出会った2人が漫才コンビを組むお話。はーたのしかった。

  • 一巻とはかわり、主要登場人物二人の視点から見たかねやま温泉。しかも今回はタブー破りも。複雑な構成ながらスピード感かまあり、すぐに読めた。こんなことない!と思いながらも勇気の出てくる作品。

  • みんなで「どんなおにぎりがいやか」を話していたシーンが一番好きだった。すごく楽しそう! おいしそうなおにぎりを食べながら、そんなことができるなんて、うらやましい。ぼくも、やってみたい。
    アツが、規則を破っちゃったのが、かわいそう。すごいつらいかんきょうだと思う。ぼくは、めぐまれてるなって思った。最後2人が出会えて、ほんとにうれしかった。(小5)

  • シリーズ第2巻。
    お笑い好きな2人を中心に、物語がテンポよく進んでいく。
    1巻の方が湯治場色(?)が強くて、個人的には好みかも。
    期限がきたらかねやま本館でのことは、忘れてしまうという設定だけど、アツのことは覚えていたということなんだろうか。

  • 図書館で見かけて迷わず借りたのは、一巻目がとても面白かったからです。

    中学生が抱える悩みを、不思議な温泉で癒して解決していくので、読み出したら止まらないし結末もスッキリ解決。こちらまで温泉につかったみたいでいい気分になります。

    一巻目とは違う主人公でしたが、一巻目の設定もよく分かっているので、すごく読みやすかったし、温泉の謎にも触れるのでワクワクしました。

    お笑い要素も満点で楽しく読み進めるので、中学生の読書にすごくオススメです。

  • 絶対あえるってわかってるんだけど、、それでもウルっときちゃう

  • 赤毛のアツと、色白のチバ。2人で紅白温度計。
    お笑いにはそんな興味ないけど、かねやま本館はやっぱり良い。絶対に除いてはいけない紫の暖簾をくぐったアツに会うため、俺様のネタ帳を読んで前に進もうとするチバ。
    2人が会えてよかった!でも規則を破った子はかねやま本館のことを忘れるっていうのはどうにもならないんだな。再会したら思い出す、とかいうご都合主義より好きかもしれない。
    今の子は休むのが下手って銀山先生は言ってたけど、大人はもちろん子どもも休みのとりかたを知らないのかもなー。疲れたら休む、あたりまえだけど忘れちゃいけないことだよね。

  • 今回は、男子2人が主人公。
    しかも、のっけから一人が禁断の紫の暖簾の向こうに消えて、行方不明に。
    尚太郎は、相方アツの残した小さなノートを読んで、禁を破ってしまったため、かねやま本館では、もう2度と会えないアツの手掛かりを探し始める。
    緊張感とスピード感のある展開だった。

    かねやま本館の人たちは、湯治に来た子たちを心から助けてあげたいのだなあと。

    見つけてもらうと決心した尚太郎はかっこ良かった。
    男の子の物語だった。

  • 中学生の悩みって友達だけじゃないよねって言うことを再認識出来た気がします。親との関係も影響してくる。かねやま本館は、本当に癒しの場所ですね。私も本当に行けるなら、行ってみたい。
    諦めない気持ち、忘れたとしても引き寄せる「信頼」、後半は涙が止まりませんでした。
    キヨや小夜子さん、保健室の先生の謎も少しづつ答えが提示されていました。1巻でも気づく所なんですが、話題として本の内容で出てくるのは…始めたかな?彼らの言葉が、チバ君を励まし続けたんだろうなぁ。チバ君、よく頑張った。最後の数ページは、読みながら笑顔になってしまいました。

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著者プロフィール

1985年生まれ。東京都出身。多摩美術大学美術学部絵画学科卒業。『保健室経由、かねやま本館。』で第60回講談社児童文学新人賞を受賞し、デビュー。同シリーズ1~3巻で第50回児童文芸新人賞を受賞。アンソロジー短編集『1話10分 謎解きホームルーム』(新星出版社)4、5巻にも作品が収録されている。そのほかの作品に、『おはなしサイエンス 宇宙の未来 パパが宇宙へ行くなんて!』(講談社)がある。

「2023年 『保健室経由、かねやま本館。6』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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