閻魔堂沙羅の推理奇譚 A+B+Cの殺人 (講談社タイガ)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 156
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065207857

作品紹介・あらすじ

大人気「死者蘇生」ミステリシリーズ第7弾!

第55回メフィスト賞受賞作はここまで進化した!

感想・レビュー・書評

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  • 長編。それほど大きな話ではないですが、短編に比べて沙羅の登場シーンが多いですね。なんかちょっと閻魔大王が不憫に思えてきました。

  • 現世でショッピングを楽しんでいた沙羅の前に現れたのは二人の放浪兄妹。 酒に溺れて働かない父親と病床に臥せる母親、窮地に陥った兄妹には何故か殺意の眼が迫っていて・・・。 
     
     今までの安楽椅子裁判官とは打って変わって現世に遊びに来て帰れなくなってしまった沙羅ちゃん。 閻魔堂のデータも使えず自力で情報を集めて推理する。 ABC、事件の鍵が全て集まったとき今回は沙羅ちゃんお友達の為に自ら裁判しますよ!!

  • 沙羅の語りが長く、説教臭い。

  •  昨年9月に刊行されていた、『閻魔堂沙羅の推理奇譚』シリーズの第7作である。第6作に続き長編だが、第6作に続き重そうな設定だなあ…。心の中で木元さんに刊行の見落としを詫びつつ、覚悟して読み始める。

     前作の主人公は実の母が殺人犯という設定だったが、今回の主人公はヤクザ崩れで酒浸りの中年男。幼い頃から暴れ放題で、家族からも疎まれ、暴力団に入ったものの破門された。本人に同情の余地がないため、ある意味読みやすそうに思える。

     ところが、こんな男にも妻子がいて、妻は末期癌で余命はわずか。残された兄妹はどうするのか。この男に養う能力がないことは、学校や児相も把握している。男がどうなろうと知ったこっちゃないが、兄妹の行く末はどうなる?

     極秘で地上に来ていた閻魔堂沙羅が、偶然この兄妹と知り合うという異例の展開。沙羅に人間のような情はないが、成り行き上兄妹を見捨てられなくなる。兄の逞しさに感心する一方で、危うさも感じる。あの父だからこうなったのか…。

     ぶっちゃけた話、主人公はどうなってもいいから兄妹を助けてくれと思いながら読んでいた。お約束通り殺され、沙羅の前に送り込まれた主人公。こんな男でもチャンスをくれるという。沙羅の脳裏には、あの兄妹の存在があったのだろう。

     恨まれる要素には事欠かない主人公である。なるほど、A+B+Cと要因を積み重ねれば、男にも答えは導けたのだった。シリーズ史上、最もひねりがない動機と構図だろう。真相を知った男も、読者も、深く納得せざるを得ない。

     妻との出会いをきっかけに、一時期は真面目に働き、家族を支える喜びを感じていた主人公。拾った命をこれからどうするのか。正直、架空の人物とはいえあまり応援する気にはなれないが、せいぜい真っ当に生きてもらいたい。

     コロナ禍の昨今、前作同様に、いやそれ以上に、平穏な日常に感謝するのみ。

  • 今回は変化球。いつもと違って沙羅ちゃんが動き回って活躍する姿は頼もしい。絶対にうまくやってくれるだろうとの安心感。それにしてもこのシリーズ、殺された人のダメさ加減には目も当てられないことが多い。その分、周りに徳の高い人がいたりするので救われている。沙羅ちゃんの口から出てくる、人間のダメなところ、どうあるべきか、といったことが多めだった印象。最もなことばかりであり、彼女の口から言われることで、納得しかない。説教臭さは感じられず、素直に受け入れられる。表紙の望月けいさんによる沙羅ちゃんのイラストは毎度のことながら、キリッとした中にも可愛さや色気をも秘めており、毎度楽しみ。

  • 2020.11.13読了。
    ドラマ化もされ、今後も期待できそうですね!

  • 沙羅がほとんど下界にいる珍しい回。タクシー運転手さんがいい人で良かった。

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著者プロフィール

埼玉県出身。『閻魔堂沙羅の推理奇譚』で第55回メフィスト賞を受賞し、デビュー。現在までに閻魔堂シリーズ7巻を手がける。2020年、同シリーズがNHK総合で「閻魔堂沙羅の推理奇譚」としてテレビドラマ化。

「2022年 『遺産相続を放棄します』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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