- Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065213094
作品紹介・あらすじ
孤立した無菌病棟に、少年と少女。
翌朝、一人だけになった。
ウイルスすら出入り不能の密室でーー
彼女を誰が殺した?
☆☆☆
『ジェリーフィッシュは凍らない』の著者による
甘く切ない青春の痛みをまとった
本格ミステリ
☆☆☆
半人形――それがコノハの最初の印象だ。
隻腕義手の痩せた少女が、タケルのただひとりの同居人だった。
医師の柳や看護師の若林とともに、病原体に弱い二人を守るはずだった無菌病棟、通称《クレイドル》。
しかし、ある大嵐の日、《クレイドル》は貯水槽に通路を寸断され、外界から隔絶される。
不安と焦燥を胸に、二人は眠りに就き、
――そして翌日、コノハはメスを胸に突き立てられ、死んでいた。
外気にすら触れられない彼女を、誰が殺した?
感想・レビュー・書評
-
静かに本を閉じたくなる一冊。
舞台は嵐の中の孤立した病院、無菌病棟。
取り残されたのは少年タケルと少女コノハの二人。
不安感押し寄せる二人に翌朝待ち受けていたのは孤独だった。
誰がコノハを殺めたのか…。
無菌病棟という菌さえ侵入できない完全密室に漂うのは孤独とせつなさだけ。
それを胸に携え真相に迫る過程は緊迫感はもちろん、究極の選択、次から次へと溢れる疑問、孤独感故の自問自答に最後まで惹きこまれずにはいられない。
そしてたどり着いた真相。
思わずため息ホロリ、涙ホロリ。
この願いに静かにそっと本を閉じたくなる。良かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2021/05/15読了
#市川憂人作品
少年少女2人だけの密室無菌病棟で
ある日少女が殺される。
タイムリーにもコロナ禍で読んだが、
結構怖かった。
あまりにも悲しい話だが
考えうる最善のエンディングでよかった。
読後感はさておき
今までの市川作品の中でも
インパクトのある作品になっている。 -
面白かったです。
これがミステリーなのかは分からないけど、すごく綺麗なお話しでした。
一番驚いたのは若林看護師のことかな。 -
はい、面白かったです。
これまたどんでん返しもので、
とんでもない結末を迎えます。
同著の「灰かぶりの夕海」を彷彿とさせますね。
市川先生はどんでん返しものを書くのが上手いなぁ。
現在と過去が交互に進行して、
少しずつ謎が解き明かされていきます。
正直最後まで謎の糸口すら掴めませんでした。
とにかく騙されたいと思う方にはおすすめですね。 -
21.05.01読了
満足。市川さんは、相当賢い人なんだろうなと。出てくる話は、難しいし、ついてくので精一杯。だけど、読み応えがあるし、最後の話のまとまり方が気になる展開。
実際こんなことはないんだろうけど、あったらこんな感じなんだろうか?と思わせるような話だった。
これだから、次も読みたくなるんだよなー