ブルーピリオド(9) (アフタヌーンKC)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 48
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065219942

作品紹介・あらすじ

東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻。高2で絵を描くことの楽しさに目覚めた矢口八虎(やぐちやとら)の新しい生活が始まった。新しく出会った仲間たちと受ける講義、課題、講評は……厳しい。つらみ。「受験絵画」が終わっても今度は「美大絵画」の壁が八虎を悩ませる。「それ絵画でやる意味ある?」 凹んでモチベーションすら無くす日々は八虎を成長させるのか、それとも……。くせ者ぞろいの講師、教授陣に振り回され、八虎苦悩の藝大1年生時代は続き、そして盛夏、藝大祭名物・「神輿(みこし)」製作が始まる。自分の悩みで手一杯の八虎にとって、初めての「チームプレイ」は救いとなるか!
マンガ大賞、講談社漫画賞と2冠の超話題の美大受験漫画「藝大編」、早くも最新刊登場!

感想・レビュー・書評

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  • 大学入学してから、ちょっとアレ〜???って思ってたけど、今回はめちゃくちゃに良かった、、スピード感とか落ちたかな?勢いない?って思ってたのは、八虎自身にも勢いがなかったからだし、合格目標にしてたらそうなるよねってそれがそのまま表現されてたんだなぁって気付いた。今回は八虎が大学に入って1番楽しそうだったし、成長が見れて本当面白かった、、。次は世田助くんの成長が楽しみ。あと今回は特に両開きが多くて、絵もすっごい綺麗だった、、最高、、展示の絵もだけど、学生みんなの表情も良かったし、なにより八雲の八重歯が良かった、、。

  • 全既刊読了。高校生の美大受験群像。表現することの素晴らしさと痛みが描かれている。初心者ながらダンスを習い、表現する喜びを感じている自分にはそれがとても刺さった。指導する予備校教師が教育者として理想的!YOASOBI「群青」とぴったり。アニメ化とかしたら主題歌これだね!

  • このシリーズは新刊が出る度に買って読むのではなく、何巻かまとめて読むほうが面白いかも。

  • 世田介くんと八虎の対比が巧み。世田介くんが「苦手」と称してきたのは八虎と猫屋敷教授。両者に共通する特徴はなんだろうね、とか考える。八虎が猫屋敷教授をとっつきやすく感じていて、槻木教授に苦手意識を覚えている一方、世田介くんは猫屋敷教授が苦手で、槻木教授のことは苦手どころか歯牙にもかけていない、というあたりも。八虎が槻木教授に絵を覚えられていなかったのと、猫屋敷教授の「私の全部をギブしないとみんな私の作品見ない」ってのは表裏だよね。

    当初は槻木教授しんどいな、猫屋敷教授が唯一の救いなのか、とか僕も思っていたが、今になって逆に感じてきた。槻木教授は良くも悪くも学生を突き放していて、過度に期待も失望もしておらず、評価は極めて客観的だ。猫屋敷教授は、今回の八虎の言葉を借りれば、自分にかけている呪いを周囲にもかけている節があり、今回の世田介くんへの言葉のように、勝手な役割を期待して押しつけたりする。教授、大学教員という立ち位置で考えると、猫屋敷教授より槻木教授のほうが適任なのではないか。まぁ両者とも言葉足らずなのは一致しているが、大学なんて「先生生徒」みたいな場所じゃないしなぁ。

    世田介くんと八虎にめちゃくちゃ仲良くなってほしいわけじゃないけど、龍二のときみたいに、何か静かに通じ合えるようにはなってほしいかなぁ、と次巻を願う。

  • 藝祭から新学期、そして進級制作へと藝大ライフは進んでいく。教授の発言や絵に対する価値観に振り回される八虎の戸惑い。受験編が明確な目標と、キレの良い指導でテンポ感を出していたから、大学編は魚の骨が喉につっかえたような読み味。これは大学=高い自主性という部分をテーマの一つにしてるからなのかな。教授陣は人となりがわかってきて面白くなってきたものの、言葉足りなすぎでは?と感じる部分も多い。

    世田介の内面掘り下げは八虎との関係性の上でも重要なポイントだよね。対極にいるからお互いに嫉妬と劣等感を抱いてしまうんだろうね。猫屋敷先生は八虎サイドの努力と戦略派の極み的な人で、だからこそ伸びしろがあるのに才能に任せて描いている世田介に突っかかってるのかなと思った。このあたりで言葉をわざと足りなくさせて物語を進めてくのは作者が意地悪い気がした(笑)

    努力と才能の話は鉢呂の言葉がわかりやすくてよかった。ぼくは「才能」って言葉は努力を否定してるみたいで使いたくないんだけど(序盤での森先輩の話もあるし)、努力できる才能って言葉は使ってたので、八虎みたいな見方もあるんだなと勉強になった。ここも自分が持たざるもの=才能への裏返しという感じではあるよね。八雲の「努力は環境による」っていうのは自分にない視点で面白かったなあ。

    「自分にも他人にも…俺が言われて嫌だと思ってたのに 勝手に自分の言葉にして視野狭めてたな…」
    耳に入れた言葉を自分で呪いにしちゃうってよくあるよね。八虎も世田介もそう。ラストで八虎が問いかけた言葉は世田介の呪いを解く鍵となるのだろうか。

  • ベラスケスの絵を見ているシーンが面白い。
    時代背景、技法、知識がないと疑問すらわかない。知識が増えることで、作品からのメッセージをより受け取れるようになる。
    美術が教養と言われるのはその辺りなのだろうか。

  • 八虎がこじらせてますね…
    学んでいくと知識が邪魔しちゃって始めたばかりの気持ちを忘れやすくなりがち。って、そんな話じゃなかった?

    いや前回からだいぶ間が空いたから熱冷めちゃって取り戻すのに時間かかるけど、登場人物みな魅力的で目移りしちゃう。

  • 背ラベル:726.1-ヤ-9

  • 美術の蘊蓄久しぶりに有り

  • 前から思ってたけど、よたすけ君の箸の持ち方!
    なんで、みんなスルーなの?

    教授会の場面が恐ろしい。
    宝石になるダイヤは、ひとつだけ....か。
    現実は、そうなのかもしれないけど、みんな宝石になるダイヤを磨く原石でいるために、あの厳しい受験を突破してきたわけじゃないのに。なんか、複雑な気持ち。

    猫屋敷先生のアレは、指導と言えるのか?

    大学って、一体何をするところなんだろうな。
    高校までの先生と教授ってどう違うんだろう?
    自分がそこにいたときには、そんなことは全く考えていなかったな。

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著者プロフィール

東京都出身。東京藝術大学卒業後、2014年に月刊アフタヌーンの新人賞「四季賞」で受賞を果たし、増刊good!アフタヌーン2015年5号にて読み切り『ヌードモデル』でデビュー。2016年にアニメーション監督・新海誠氏の作品『彼女と彼女の猫』のコミカライズで初連載。『ブルーピリオド』は月刊アフタヌーン2017年8月号から連載開始。第1巻発売から注目を集め、 「マンガ大賞2019」第3位、「このマンガがすごい! 2019」(宝島社)オトコ編第4位、「みんなが喜ぶTSUTAYAコミック大賞2018ネクストブレイク部門」大賞、第2回「マンガ新聞大賞」第3位、「マンガ大賞2020」第1位、講談社漫画賞総合部門を受賞。電球が大好きでアクセサリーなど種々収集中。


「2021年 『ブルーピリオド(11)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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