- Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065228302
作品紹介・あらすじ
蔦重の最高傑作「東洲斎写楽」はなぜ一瞬にして消えたのか?
喜多川歌麿、東洲斎写楽、恋川春町、山東京伝、曲亭馬琴……鋭い閃きと大胆な企てで時代を切り開いた稀代の出版プロデューサー・蔦屋重三郎が世に送り出した戯作者や絵師たち。江戸の精華として誰もが知る彼らの人生の栄光と悲哀を描いた連作短編集。
寛政六年、奢侈禁止令によって客足が遠退き、破綻の危機に瀕した芝居町。立て直しのために芝居小屋「都座」の座主・都伝内が白羽の矢を立てたのは蔦屋重三郎だった。同じく奢侈禁止令の影響でさびれていた吉原遊郭を、無名の絵師だった喜多川歌麿を起用して花魁の錦絵を描かせ、評判を高めて再興した手腕を買われたのだ。苦慮する蔦重は、都伝内が上方から迎えた人気作者・並木五瓶の話を聞き、書見台に散らばる走り書きに目をつける――。
「最後の機会を与えましょう――。もし、あなたが、本気で絵に取り組もうという覚悟と気組があるのならば」
『ぴりりと可楽!』で第三回細谷正充賞を受賞した著者の新作、早くも登場!
感想・レビュー・書評
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初めての作家さん。
江戸時代の版元、蔦屋重三郎の携わった絵師や物書きのデビュー前を描く連作短編。
吉森さんの解釈した世界を楽しめます。
いろいろ謎の多い絵師たちの物語を納得いく物語に仕上げています。
まだまだ知らないことが多いなと思う江戸時代の一幕でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
蔦屋の元に集まった、絵師や戯作家たちの無名時代のエピソードがてんこ盛りで面白かった!
来年の大河に向けて、蔦屋絡みの本を読み漁ってる。
蔦屋入門編としては最適。
来年の大河が楽しみになってきた。
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地本屋「耕書堂」を興した蔦重こと蔦屋重三郎。
稀代の出版プロデューサーの彼と、彼が関わった絵師や戯作者たちの物語。
喜多川歌麿や恋川春町、東洲斎写楽など錚々たる人々の仕事に対する姿勢や悩みが描かれている。
さらりとした筆致で読みやすい。
「やりたい事をやるのではなく、やるべき事をやるのが仕事」という一文が心に留まった。