- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065234853
作品紹介・あらすじ
愛ゆえに、人は。
『流浪の月』『滅びの前のシャングリラ』本屋大賞受賞&二年連続ノミネートの著者が描く、家族の物語。
「すみれ荘」のその後を描く「表面張力」を収録した完全版。
下宿すみれ荘の管理人を務める一悟は、気心知れた入居者たちと慎ましやかな日々を送っていた。そこに、芥と名乗る小説家の男が引っ越してくる。彼は幼いころに生き別れた弟のようだが、なぜか正体を明かさない。真っ直ぐで言葉を飾らない芥と時を過ごすうち、周囲の人々の秘密と思わぬ一面が露わになっていく。
愛は毒か、それとも救いか。本屋大賞受賞作家が紡ぐ家族の物語。
感想・レビュー・書評
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あなたは、以下のような条件の『下宿』に引っ越したいと思いますか?
①『台所、風呂、トイレ、居間兼食堂』が共有スペースである。
②『朝食と夕食が出る。当日の昼までに、夕飯をいるかいらないか申告するシステム』
③『薪でできていると』いう位に『老朽化』している
さて、どうでしょうか?昨今、個の意識が格段に強まり、アパートやマンションに引っ越しても隣人と関わることも少なくなってきています。そもそも集合玄関にネームプレートさえ出すことがなくなってもくるなど、プライベート重視の流れは止まることはないでしょう。これでは、かつて風呂やトイレは共同といった面持ちもあったアパートに完全個室化が望まれるようになるのも当然の流れかもしれません。そのような中では、朝・夕の賄い付きという条件を逆にマイナスに見る感情が生まれてくるのもやむを得ないと思います。
『センシティブさあふれる現代において、下宿住まいを続けるには良くも悪くも大雑把さが求められる』。
そう、それでも上記の条件の『下宿』に住む人がいるとしたら、ある意味での『大雑把さ』は欠かせないものなのかもしれません。
さて、ここに上記の条件の『下宿』を舞台にした物語があります。二十代と三十代の三人の『下宿人』と『大家代理』の四人が暮らす様を描くこの作品。そんな『下宿』に、『作家』を自称する一人の男が転がり込んでくることから巻き起こる『下宿人』たちの変化を見るこの作品。そしてそれは、そんな顛末のその先に、『血のつながりなんかよりもずっと濃い』『下宿人』たちの関係の深さに人の繋がりとは何かを見る物語です。
『五月晴れの午後、駅前の駐輪場から自転車で帰』ろうとするのは主人公の和久井一悟(わくい いちご)。そんな和久井が『角を曲がろうとしたとき、道の端を歩いていた男』と交錯します。『だ、大丈夫ですか』と訊く和久井に『痛い』と答えた男は、『大丈夫じゃない。首も、腕も、足も、全身が痛い』と『怪し』くつぶやきます。『救急車を呼びます』と言う和久井を制する男は、『病院に行きましょう』という呼びかけも断り、『でも一応、連絡先くれる?』と言います。『ぼくは和久井一悟です』と紹介する和久井に、男は『芥一二三(あくた ひふみ)』と名乗るのでした。『よかった』と、帰路を辿り、ソファに横になっていると玉城美寿々(たまき みすず)が『調子悪そう…無理して夕飯作らなくてもいいのに』と声をかけてきました。『食費ももらってるんだし、そういうわけにはいかないよ』と返す和久井。『和久井の実家はすみれ荘という下宿を経営していて、現在は三名の下宿人がいる』という中に、『すみれ荘の大家代理人という身分』で暮らす和久井は、身体が弱く、『入退院の繰り返しで就職もでき』ないままに今を生きていました。そんなところに『ただいまー』と、『上郷青子(かみさと あおこ)と平光隼人(ひらみつ はやと)が並んで居間兼食堂に入ってき』ました。和久井の状況を見て『あとはわたしがするから…』と言う青子に、『管理人代理くらいちゃんとしないと…「いい年してぶらぶらしてる人」疑惑に拍車がかかる』と言うも『もう手遅れだと思う』と隼人に言われて落ち込む和久井。そんな時、和久井の携帯が鳴り『芥一二三』と画面に表示されました。和久井が出ると『昼間あんたに轢かれた者だけど』と脅すように話す芥は、『病院に行ったら、右手の甲にヒビが入ってた』『仕事が不便で困ってる』と続けます。そんな芥は『俺は作家だ…仕事を手伝ってほしい』と『口述筆記』と、それに伴う『同居』の依頼を和久井にしてきました。そんな申し出に『うちは下宿をやってます』と返した和久井に、明日からの滞在を申し出ると電話は切れました。電話の後、他の面々に内容を説明すると『おかしな人じゃないように祈る』『いまさらよそに引っ越しなんて嫌』と盛り上がる一同。そして翌日、右手に包帯を厚めにした芥がスーツケースを引きながら現れました。『入居の申込用紙に』『芥一二三、二十九歳…』と芥の言葉を代筆し部屋に案内した和久井に、芥は『読む?』と自らの著書を手渡します。手渡された『魔弾と神子の贄』という本を開くと『… 捕虜の左目に焼けた鉄棒を突き入れた。じゅうと肉の焦げる音…』という記述を見て『ひっと内心で声を上げた』和久井は『引きつりながら本を閉じ』ました。そして始まった芥の『口述筆記』をする和久井の毎日。『すみれ荘』に暮らす面々に順番に光を当てていく中に、芥の正体と『すみれ荘』に来たまさかの理由が明らかになっていく衝撃的な物語が始まりました。
凪良ゆうさんの作品の定番形式とも言える〈プロローグ〉と〈エピローグ〉の間に挟まれた五つの短編に、いずれも〈○○の告白〉という意味深なサブタイトルが付けられたこの作品。『薪でできてるの?』という位に古さの感じられる木造二階建てアパート『すみれ荘』を舞台に、そこに暮らす三人の『下宿人』と『大家代理』の和久井が暮らす住まいに『俺は作家だ』という芥が新たに入居してきたところから物語は始まります。”古い木造二階建てアパート”を舞台にした小説は多々あります。私が読んできた作品では、光と闇が交錯する”真綿荘”を舞台にした島本理生さん「真綿荘の住人たち」、”いいことも悪いことも、ずっとは続かないんです…”と語るチヨダ・コーキが暮らす”スロウハイツ”を舞台にした辻村深月さん「スロウハイツの神様」、そして老若男女の”性”と”生” を”小暮荘”の住人の暮らしに見る三浦しをんさん「小暮荘物語」など傑作揃いです。そんな物語に共通するのは、昭和を代表するマンガ家たちが若手時代に暮らしたという伝説の”トキワ荘”のイメージの上に描かれる世界観の物語でした。島本理生さん「真綿荘の住人たち」のレビューにも書きましたが、島本さんも辻村さんも、そして三浦さんも”トキワ荘”の呪縛からは逃れられないと、それぞれの作品を読んで感じました。
そんな私が”四棟目”として出会ったのがこの作品、凪良ゆうさん「すみれ荘ファミリア」です。上記した通り、”古い木造二階建てアパート”を舞台にした物語のイメージが私にはあり、傑作への期待感と共に”トキワ荘”の雰囲気感の物語をそこにイメージして読み始めました。しかし、そんな期待に反して、この作品は今まで読んできた同種の作品とは全く異なる色合いを早々に感じました。それは、一つには『すみれ荘』の詳細がほとんど語られないこと、そして物語の主眼が『大家代理』の和久井の自転車との怪しい接触事故により『右手の甲にヒビが入った』と結果的に押しかけて新しい下宿人となった芥一二三とは何者か?という”ミステリー”な物語が主眼に展開していくからです。『下宿人』同士の交流も描かれはしますが『すみれ荘』”共同体”が熱く描かれる雰囲気感は薄いと思います。ただ、だからといってこの作品の魅力が下がるわけではありません。上記した三作品とはまた異なる魅力がこの作品にはあると思います。
では、そんな物語の登場人物をご紹介しましょう。
・和久井一悟: 三十三歳。幼少期より病弱で就職も叶わず、『すみれ荘』の『大家代理』として食事の用意等を行なっている。『三年前に事故』で妻を亡くす。五歳の子と別れて暮らす。
・和久井の母親: 還暦を過ぎている。離婚した際に和久井のみ引き取る。『中学の同級生だった』三上と再会し、『すみれ荘』を出て二人で隣町に暮らしている。
・玉城美寿々: 二十六歳。『子供用品を扱う会社に勤め』、『すみれ荘』には六年目。『イケメン好き』だが、『PMS』に苦しめられている。
・平光隼人: 二十七歳。『テレビ番組の制作会社に勤め』、『すみれ荘』には六年目。『大学時代には映画サークルを主宰』していた。
・上郷青子: 三十六歳。『フラワーショップの店長』で、『すみれ荘』には十六年目。『一番の古株』で『みんなの姉的存在』として慕われている。
・芥一二三: 二十九歳。『売れ線無視の残虐描写』で『十年選手』の『作家』。和久井の自転車接触事故で『右手』負傷により『すみれ荘』へ。
・三上: 和久井の母親の『恋人』。『駅前にビルをいくつも持ってる地主』で『家庭菜園が趣味の気のいい人』。
主要な登場人物は上記した七人になります。このうち和久井の母親と三上を除く五人が物語の舞台となる『すみれ荘』に暮らしています。上記した通り、他の”古い木造二階建てアパート”を舞台にした物語とは異なり、この作品では「すみれ荘」自体の描写がほとんどなされませんが、『すみれ荘では朝食と夕食が出る。当日の昼までに、夕飯をいるかいらないか申告するシステムになっている』という点の規則のみ説明がはっきりあり、そんな食事を摂る場となる『居間兼食堂』が建物の唯一のコミュニケーションスペースであり、登場人物たちの語らいが行われ、それが物語を進めていきます。
そんな物語では、『すみれ荘』という建物よりも、そこに暮らす人々に順番に焦点を当てていく中に、ミステリーな存在である芥一二三の正体に迫っていくという展開を取りますが、そこにはそれだけで物語が成立するほどの重い内容が語られていきます。二つあげたいと思います。ひとつは、『PMS』という『月経前症候群』により、『無間地獄に等しい肉体的苦痛と精神的疲弊』に『一ヵ月のうち約半分を苦痛と共に過ごす』中に『人格が豹変する』美寿々の物語です。そして、もう一つが『テレビ番組の制作なんてブラックの代表』と『定時がないし、徹夜は当たり前だし、せめて十日に一日は休みたい』という日々を送る隼人の仕事の光と影を描く物語です。名前だけだった『下宿人』たちに順番に光が当たることで、その人物が他の『下宿人』が中心となる物語に登場してもどんどんその存在が大きくなっていく物語は、誰が住んでいるのか見えなかった読者に『すみれ荘』がどんどん実態をもって迫ってきます。この辺りは、他の作家さんの展開の仕方同様、いかにも王道な物語の描き方だと思いました。
そんな風に個々の人物に光が当たるのが縦軸だとすると、物語はそれぞれの人物たちを繋いでいく先に、作品自体が背負うミステリーとしての芥一二三の存在が明らかになっていく物語が横軸として描かれていきます。しかし、この作品でいうところのミステリーとは、芥の正体が分からないという状況で展開するものではありません。物語のかなり早い段階で、芥の正体に和久井も和久井の母親も気づいている様が描かれます。
『芥一二三、本名斉藤央二は、二十四年前に別れた和久井の実の弟だ。両親が離婚した際、和久井は母親に引き取られ、弟は父親に引き取られた。和久井は九歳で、弟は五歳。以来一度も会っていなかった』。
そのことを『目の下にある涙形のほくろ』で気づいたという和久井。ミステリー作品において、そのミステリーとするものの答えがわかったとしたらその瞬間に物語は終わったも同然となります。しかし、この作品はミステリーなのです。それこそが、芥の正体ではなく、芥がどうして他人のフリをしてまで、兄の元に現れたのか、この真相を求めていくのがこの作品の何よりもの読みどころとなっていきます。そんな過程に、凪良さんはもう一つの仕掛けを入れられます。それが、
『一族を皆殺しにされ、美しき殺し屋へと成長したヒロイン。自らが復讐するべき相手が実の姉だと知り、姉妹の戦闘が幕を開けた』。
そんな風に断片的に物語に描かれていく”小説内小説”の存在です。”小説内小説”が登場する作品も数多あり、私は外と内でダブルに展開するこのような二階層の構成の物語が大好きです。しかし、この作品に登場する”小説内小説”は少し趣が異なります。何故なら、それは作家・芥一二三が語る物語を主人公の和久井が口述筆記する中に描かれていくものだからです。自らが書くという中に、そんなもう一つの物語を必然的に意識する和久井は、その内容が芥が自分の元に来た理由を示しているのではないか?と感じるようになり、当然に『物語の結末がかなり気になって』いきます。そして、そんな物語は中盤の〈名前のない毒 青子の告白〉で急展開を迎えます。芥にのみ疑惑の目を向けてきた読者の推理を根本からひっくり返すまさかの展開、そして〈イマジナリー 央二の告白〉、さらには〈不条理な天秤 母の告白〉を経て、そもそものこの作品のテーマがそんなところのにあったのか!と驚天動地な物語がその全容を現します。これには、驚きました。これから読まれる方にも同じように衝撃を味わっていただきたいと思いますので、その詳細にはここでは触れませんが、
『世の中の人すべてが理解し合い、許し合えるなんてのは幻想だ。だからといって希望を捨てることはない。世界にも、心にも、グレーゾーンというものがあっていい』。
そんな風に語られる凪良さんならではの、凪良さんだからこその納得感のある物語、そしてその結末に、冒頭、”軽量感”を感じたこの物語が、凪良さんらしい”重量級”の物語であることに感じ入るとともに、
『すべての愛や恋が輝いていたり、美しくある必要はない… みな、それぞれのやり方で日々を送ればいい』。
夜空を見上げながら芥が語るそんな言葉に、この作品に込められた凪良さんの強い思いを感じました。
『変化も希望もない毎日に突然現れた弟。これは災難か、もしくは僥倖か。さっぱりわからないまま、謎の弟との生活がはじまった』。『すみれ荘』という”古い木造二階建てアパート”に暮らす三人の『下宿人』と、『大家代理』である和久井の日常が作家の芥の出現により大きく揺らいでいく様が描かれていくこの作品。そこには、そんなアパートに集う人々の生き様を見る物語が描かれていました。芥が和久井の元へと転がり込んだ理由を追うミステリーな物語がいつしか”家族って、私にとっては怖いものなんです”とおっしゃる凪良さんが多くの作品でテーマとされている”家族で一緒にいるよりも他人同士で一緒にいる方が生きやすい”という先の物語へと昇華するまさかの吃驚仰天な物語の中に、人の優しさを感じるこの作品。一見、”軽量感”のある物語の始まりが、凪良さんらしい”重量級”の物語に結実するこの作品。
凪良さんらしく、とてもよく練られた構成の物語の中に、『誰もが持つ様々な顔。ある人からは表で、別の人からは裏に見える』という人の心の表と裏の存在をあらためて認識もさせてくれた傑作だと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
凪良ゆうさん いいなぁ。。
人間の見えない部分が、、、
人の弱さ。
最後に付け加えられた「表面張力」がまた怖い。
それにしても青子さん、、、
メモ
面倒な事って、
実は大事なこと
ありのままの自分ってなんだ?
人間同士だから相性があって、ほんの多少なりとも差は出てくるの。
内の両親はわたしより桜子をかわいがってた。
愛情なんて元々身勝手で不平等なものなんだ。
だからがある世の中事件が絶えない。
気づかず通り過ぎ、気づいて振り返り、慌てて戻る。
間に合わないことのほうが多いが、間に合うこともいくつかはある。
そうして今日という比が流れ、過ぎ去り、また明日が来る。
普通そうにしてても、みんな、誰にも見せない顔がある。 -
凪良ゆう さん大好き!!
作品もそうですが 文も大好き!
すごく面白かった
三上さんもそうだけど
青子さん…すげぇぇ怖ぇぇ…
個人的に青子さんに関しては、ハッキリとした問題が解決していないから
主人公が子供や義理の父達と上手くやっていけるようになっても意味がないような…世代変わったら結局 青子残るし
来るよぉ~青子は…
この作品の感想は、私ベルゴが普段思ってる【個人個人が見えてる、感じてる世界は個人が作り上げた世界】って事
結局、自分に都合のいい解釈で出来事を体感、思い込む…
その思い込みが正解だと思い込む
だから人は揉めるし、傷つけるし、争う
価値観は皆違うし
全く同じ価値観はない
人には人の…(ん?…乳酸菌の話みたいになったな…)
自分の価値観だけでなく、回りの価値観も俯瞰で見た方が良いと思う
木を見ないで 森を見る
※だから結局俺が何を言いたいかって言うと
【バイクのウィンカーって…なんか…ウルトラセブンに出てくるペガッサ星人になんか似てるよね!?】って事!!
(ペガッサ星人で検索!!) -
愛情って何だろう?と考えてしまった一冊でした。
異性への、友人への、我が子への愛情。
やっぱりそれはエゴでしかないんだ、とこの一冊まるまる訴えかけてくる。
子への思いは“無償の愛“なんてよく言うけれど、子への愛情が一番エゴたっぷりな気がしました。
「子供のためなら母親は菩薩にも鬼にもなる。ある意味正しく、一方ではその正しさが刃になる」
我が子のためなら、昨日憎んでいた相手にも今日は微笑みかける。我が子のためなら自分の信念やプライドなんてすぐに捨てられる。やっぱりある意味無償の愛なんでしょうね。
人を思う気持ちって厄介だな、と思わせられた一冊でした。でも、思う相手がいないよりは幸せだな、とも。 -
語り口は、穏やかで、もの静かに物語が進行していく。
一悟(いちご)くんは虚弱体質の33歳。
妻とは死別し、娘は妻の両親に虚弱体質が故にとられてしまった。
娘の誕生日プレゼントを選び、自転車で帰宅する途中で、男性と接触してしまう。
虚弱体質の一悟くんは、母親から譲られたすみれ荘という下宿屋を営んでいる。
玉城美寿々、平光隼人、上郷青子がこの下宿屋の住人だ。
そのすみれ荘へ、先日自転車で衝突事故を起こしてしまった、芥と名乗る男がやってくる。
芥の右目の下には、涙形のほくろがあった。
小さい頃、両親が離婚し、自分は母親に引き取られ、弟は父親に引き取られたが、弟にも涙形のほくろがあった。
まさか、実の弟なのか?
穏やかな物語の中に、愛故の様々な事件が巻き起こる。
先日読んだ神さまのビオトープより、断然こちらの話の方が好みだな。
虚弱体質の一悟くんのお人好しさも大好きだ(^-^)
すみれ荘の住人のキャラクターも非常に良い。
何より、怪し過ぎる芥くんと、一悟くんの関係が気になって仕方がない。
筆致は激しくないのに、それぞれのキャラクターはかなり激しい想いがあったりして、優しい本なのに、力強さも感じ、収まりも良く、とても楽しめた(*^^*)-
2022/09/10
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アールグレイさん
アールグレイさんのお好みのジャンルかもしれません(^-^)
機会があれば是非(^^)アールグレイさん
アールグレイさんのお好みのジャンルかもしれません(^-^)
機会があれば是非(^^)2022/09/10 -
bマキさん(^_^)/
ありがとうございます<(_ _)>いつか・・・・・きっと
good night(ρд-)zzzbマキさん(^_^)/
ありがとうございます<(_ _)>いつか・・・・・きっと
good night(ρд-)zzz2022/09/10
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ヤバい、なんか凄い凪良ゆうさんにハマってるように思われたらどうしよう
最新作の『汝、星のごとく』も手元にあるし
ブクログのサイン本プレゼントにもエントリーしたし
客観的に言ってもどハマリ中だけどそんなことはない(なぜそんなに頑なか)
それにしても最後の短編は余計だったと思うのだがどうだろう?
あれがなければ★5だったんだけどな
登場人物がみんな何かしら壊れていた
壊れている人間だけでちょっと感動的な物語を成立させてるのがすごい
深く考えるとサスペンスホラーだ
深く考えないようにしよう
壊れてる人ばかりなので誰ひとり共感できない
ただそれぞれに少し理解できる部分もなくはない
壊れていない人間なんていないからなのかもしれない
人はみな結局は欠陥品なのだ
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2022/10/07
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すみれ荘って昔一度違うレーベルから出てたんだよね…幻の本で手に入らなかったの!
ちょっと名が売れて出版社変えて新装版で短編プラスしての発売な...すみれ荘って昔一度違うレーベルから出てたんだよね…幻の本で手に入らなかったの!
ちょっと名が売れて出版社変えて新装版で短編プラスしての発売なわけさ〜
凪良さん一般文芸出します?から
凪良先生うちで一冊出させてください!
になってるよね( ̄▽ ̄)笑2022/10/07 -
2022/10/07
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「流浪の月」の凪良ゆうさんの作品。
評判が良かったので読んだが、残念ながら「流浪の月」や「滅びの前のシャングリラ」ほどは心に残らなかった。
ん〜、なんだろ?
「愛は毒か、それとも救いか」というテーマは軸があって読ませる作品ではある。一悟と芥の関係性も面白い。
でもなぁ、僕にとってはリアリティがあまりない。
というか、一悟にも芥にも感情移入できなくて、不完全燃焼のまま読了。
歳のせいですね、きっと。
装丁は好きだし、本棚に飾っておきたい文庫本。軽い気持ちで読めるし、今後何度か手に取るんだろうな。
その度、印象も変わるかも。
「表面張力」はとても面白い。
追加収録する必然性があった章(短編?)だと思う。 -
初凪良ゆう作品。本屋大賞で名前は知っていたが、この本を読み終わって調べたらボーイズラブが得意な作家とか。言われてみると、この本も愛憎が交錯し、最後は離ればなれに育った兄と弟の深い愛情かも知れない。
内容はミステリー要素も多いに盛り込まれ、愛情の裏返しで何度も兄を殺してしまいそうになる女性や、結婚をしたい相手を独占しようと相手の関心先を次々放火するお爺さんなど、色々罪深い人が現れる。人の良い兄は全てを受け入れてしまうが、悲惨な環境で育った弟に救われる。
付録の短編も後日談のようで面白かった。 -
すみれ荘の管理人をしている和久井さんを中心とする、いろいろ複雑な下宿人たち、それから
20年以上も親の離婚で生き別れた弟芥くんのお話
人って本当に複雑すぎて難しい。
信じていた人に、こんなに長く深く裏切られたり
傷つけられたり…
親の複雑な愛情に振り回される子どもたち
毎回ながら、人間の裏と表の愛憎を凪良ゆう
さん独特の表現で表されストーリーに
引きずりこまれあっという間に読んでしまいました。
歪んでいることを自分なりに充分に自覚しながらも、そうせざるを得ない人たちを、主人公和久井さんは、受け入れて、自分なりに理解しようとする。
身体は弱いかもしれないけど、強さと大きさを感じました。
これからの和久井さんと芥くん
幸せになってほしいなと思いました。 -
この作品も引き込まれるように夢中になって読みました。
主人公は、下宿の管理人一悟、幼いころから病弱であったが故にこの職業についている。下宿人はそれぞれ個性ある3人だったが、両親の離婚によって生き別れた弟と思われる小説家も住むようになる…。
読み始めてすぐは、この下宿人たちが繰り広げる日常のあれこれかと思っていましたが、読み進めると、だんだんミステリとかサスペンスのようになってきて…すごく面白かったです。
【作中で気になった文章】
・『世界は面倒ごとであふれている。けれどあらゆる面倒な仕事や人間関係のしがらみこそが、自分を支えていたりもする。』
・『神さまは人にとって無駄なものはなにもお与えにならない。冬が長く続き、きみの心は植物の種のように眠っている。けれどいつかふたたび芽を出す。それまで、神さまが慈しんで作った君のすべてを大事にしなさい。』