ポーチとノート

  • 講談社
4.02
  • (14)
  • (27)
  • (9)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 175
感想 : 21
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065240816
#YA

作品紹介・あらすじ

2019年度の中学入試で最多出題作となった『リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ』で講談社児童文学新人賞を受賞、『ハジメテヒラク』で第54回日本児童文学者協会新人賞を受賞したこまつあやこ氏、待望の3作目。

未来の机の引き出しに入っているのは水色のノート。中学の頃からその時感じた気持ちをこっそりと綴っていた。そして、もう一つは10歳の時にプレゼントされたのにまだ一度も使われたことがない生理用品の入ったポーチ。
誰にも言えない体の悩みを抱えていた未来がある日恋に落ちて……。

「数日前に、未来ノートに綴った言葉をこっそり思い出す。

 ねえ今は
 同じ制服を着ていても
 いつかはみんな母になる?
 私一人
 取り残されちゃうのかな」  本文より。


埼玉県立浦和第一女子高等学校の生徒さん達からの感想

「この本は性についてだけでなく様々な悩みを持つ人への救急本になれると思う」
「どんなコンプレックスがあってもこれが私なんだよ、あなたとは少しちがうけどこれもなかなかいいじゃない?」
「ドキドキしながら読みました!自分は自分!青春の形もいろいろ!」
「多くの女子が不安に思う、体の成長を支えてくれる本!」
「保健の授業で習ったばかりで、とてもタイムリーな感じがした」
「なかなかオープンに話せない性のことを、やわらかな、でも芯のある筆で書いてあるところがよかった」
「中高生特有の焦燥感に共感」「違う境遇なのにここまで共感できたのははじめて」
「気持ち、伝わってるよ!と鼻の奥がじーんとした」
「性についてあまり考えたことがなかったが高校生のうちに読めてよかった」
「自分のことのようにとらえられて読めた、面白かった」
「生理って大事なんだなと思った。でもやはり面倒でうっとおしい存在です」
「アサエさんのような人が身近にいてくれたら。不安に押しつぶされそうな時に心が軽くなると思った」

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュのこまつあやこだ、表紙かわいい!と、手にとって読む。
    以下、ネタバレ含みます。


    高校二年生女子の未来(みく)が主人公。お祖母ちゃんは17歳で母を産んだのに、自分はまだ生理来ないし、恋愛は遠い世界のよう。そんなぼんやりとしていた不安が色々な経験を経て輪郭を成していく。親友が夏祭りで彼氏に閨に誘われ、どうする?と二人で悩む様が真面目な現代っ子の本音を凄く良く描いていると思った。今の時代は性教育を抑えていて(周期的に凄くやるのと交互らしい)この本のような内容はあまり公には語られない。でも、とても大切なこと。表紙的に冷やかし男子は手に取らないだろうし小学校に配架されていても大丈夫だと思う。リマトゥジュ~は塾で勧められた、と手に取る児童も多いけどこれはどうなるかなぁ。

  • 女子高校生の日常。

    素敵な63歳の祖母と江戸時代好きな親友。
    生理用ポーチとノート(途中からエスペラント語)

    恋と身体の悩みは、周囲のhelping(ヘルポ)と図書館と、徐々に明るく解決されてゆく。

    #中高生

  • 読みやすくて、すぐに最後まで読めてしまいました!女の子の悩みが沢山詰まってる作品でした。
    私はこの本に出てきたエスペラント語に魅了されて
    本気で調べ始めました。

  • 表紙が可愛らしくて手に取ったけど、とてもよかった。未来の気持ちがすごくわかる。周りに言うことの恥ずかしさ、なんとなくいやな感じ。
    性に関することってどうしても言いにくさを感じてしまう。でもみんなが言わなかったら、どうやって知ればいいんだろう?今はネットに情報は溢れているけれど、それだって正しいかわからないし、人それぞれちがうことってたくさんある。
    嫌なことからは逃げていいけど、好きな人から逃げるなんてもったいない。アサエさんの考え、素敵だなぁと思った。

  • 女性が抱く何気ない不安について描かれていました。最終的に明るい感じで話が終わるのでスッキリと読むことができました。

  • わあああ!いい!すごく良い!!
    高校生の性と青春、世界中の人をつなげるエスペラント。自分の身体に向き合うことは自分を守ること。相手に合わせず、自分の歩幅で歩いていく。中高生にも、もちろん大人にも読んでもらいたい児童書。

  • 大人にはこっ恥ずかしい内容で、予想がついてうまくまとまるなーと思ってしまうが、YA作品として同年齢の子達にはとても良い!
    恋愛の事、性の事、将来の事、親や友達との関係、広く浅くさらりと書いてあり、内容が深く細かくないためにそれが逆に、自分に当てはめやすく、ストンと心に落ちる。解決にはならないけど、問題や不安と向き合うきっかけを作ってくれるような作品。
    読後は明るい。

  • こまつあやこさんの本を読むのは2冊目です!

    前に読んだ「ハジメテヒラク」も言葉のリズムとかすごく楽しく読んだのですが、今回は途中途中に出てくるノートに綴る言葉がとても好きでした(*˘︶˘*)

  • 高校生の未来は誰にも言えない気持ちやもやもやを「未来ノート」に綴る。書いて吐き出すことで気持ちがすっきりする。司書の先生の補助で雇われた年上の男性にひとめぼれ。デートはしたいけど、キスやそれ以上のことは考えられない。自分には遠いこと。そう思うのは母にも隠している美玖の体の秘密についてのコンプレックスがある。彼氏との初めてに直面した親友。いい加減な気持ちの彼氏に傷つけられた親友を受け止める未来に、未来の体の秘密を知っても笑わずによりそった親友。信頼できる友人がいるのは貴重。
    未来の母は10代で妊娠し、後ろ指刺されてきた自分の母を反面教師に、真面目で学生時代の恋愛に否定的な感情を隠さなかった。向き合って話した母は娘を心配する、揺れる気持ちを抱えていた。
    人を好きになることは素敵なこと。性について、10代から正しい知識を得ることは大切。叶わなくてもまっすぐな気持ちを伝えられた未来は立派だ。

  • 学生の頃、自分もそんな風に感じたことがあるなぁという気持ちが沢山出てきて懐かしくなりました。母、祖母、親友、それぞれとの関係が素敵でした。

全21件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

一九八五年生まれ。神奈川県在住。
清泉女子大学文学部日本語日本文学科卒業。公共図書館にて司書として勤務した後、私立中高一貫校に司書として勤務。2017年『 リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ』で講談社児童文学新人賞受賞。『ハジメテヒラク』で日本児童文学者協会新人賞受賞。

「2023年 『雨にシュクラン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

こまつあやこの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×