友達未遂 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065257296

作品紹介・あらすじ

創立130年の全寮制年女子高である星華高等学校は、街から離れた山奥にあり規律に厳しいことで地元では有名だった。さらに同校には特徴的な「マザー制度」というものがある。3年生を「マザー」、新入生を「チャイルド」といって寝食を共にしつつルールやマナーを教えるというものだ。入学式の3週間前早々に同校にやってきた一之瀬茜は、家庭に居場所がなかった。一人で生きていくことを誓っていた茜はしかし、マザーである緑川桜子にかわいがられ、とまどう。そんな茜の周りである日不審な事件が起きた。茜と桜子、ルームメイトの真琴と千尋の4人は事件をきっかけに自分たちの運命と向き合うことになり……。

感想・レビュー・書評

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  • 大人と子ども、主観と客観、服従と裏切り、そして嘘と真実。色んな対比が絡み合って、四人は成長していく。

    本作『友達未遂』はYouTubeチャンネル『ほんタメ』の旧称『ぶんだんTV』の企画であった『オチすご』で知りました。モデルの尾身綾子さんが課題本をオチ直前まで読書してきて、番組撮影時にオチを読んでリアクション&レビューをする企画なのですが、そこで本作『友達未遂』が清々しいハッピーエンドと高評価であったので、今回読んでみたという経緯です。

    感想ですが、4人の女子高生にとって、ハッピーエンドな結果だったんでしょうが、私個人は、どうしてもギャフンと言わせて欲しかった人がいて、それがなく終わってしまったことに物足りなさを感じました。


    (マドンナめ…。)

  • 全寮制女子校の4人が行き着く「友情」とは? 『友達未遂』 | BOOKウォッチ(2019/6/6)
    https://books.j-cast.com/2019/06/06009160.html

    【書評】『友達未遂』宮西真冬著 読む者の心揺さぶる力 - 産経ニュース(2019/6/9)
    https://www.sankei.com/article/20190609-QDCY5QYJFFNHLPVYPAQB44C2SE/

    【装画】友達未遂(著:宮西真冬) - Kana Arimura
    http://kana-arimura.com/2021/10/tomodachimisui/

    『友達未遂』あとがきのあとがき/ 宮西真冬|tree
    https://tree-novel.com/info/misui.html

    『友達未遂』(宮西 真冬):講談社文庫|講談社BOOK倶楽部
    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000356589

  • 面白かった。
    全寮制の女子高。上級生と下級生がマザーさん、チャイルドさんと呼び合うシステム。やたらと口出ししてくるOGたち。
    ちょっと設定は現実的ではないけれど、そこにある少女たちの思いにはしっかり共感できた。

  • 村を出て、バカにされないように虚勢を張っている間に、自分が本当に好きなことを忘れてしまっていた。ものさしを取り戻さなければいけない。子供の頃はちゃんと持っていた、自分がどうしたいのか、何を好きで、どうなりたいのか、それを測るものさし。
    子どもの頃のように自由に絵を描いてみよう。受験用のデッサンではなく、ただ、自由に、気の向くままに。
    これからも絵を描きたいのか。
    それとももう辞めたいのか。
    ちゃんと、自分自身で、決めなければいけない。

    「こういうお空の色をね、茜色っていうんだよ」
    「あかねいのいろ?」
    「そう。お母さんね、この色が大好きなの。それでね、あなたのことも大好きだから、茜って名前にしたんだよ」

  • 結構好きなお話だった。
    みんながみんな色んなものを抱えてる。

  • 最後はスッキリして読み終えられた。4人の苦悩と葛藤、感情がすごく伝わってきて読んでる側も心が痛くなる場面がたくさんあった。特に印象的だったのは、復讐というものは結局は互いに幸せになれないことなんだと改めて感じさせられた。4人が仲良くなって、ハッピーエンドで良かった。

  • 創立130年の全寮制年女子高、星華高等学校は
    先輩をマザー、後輩をチャイルドと呼ぶ。
    小さな世界に生きる彼女たちの高校生活は...。

    華やかで、でもドロドロした世界観が広がって行くのかと思っていたら
    いろいろな展開がありスイスイと読ませる。

    タイトル「友達未遂」
    どう読み取ればいいのだろう。
    そこだけ謎だった。

  • 学校の世界設定は好み。マザーとチャイルドみたいに一見不思議なことも中にいるとそれが普通で、尊いものとされている異常性がいい。
    1〜4章まではそれぞれにフォーカスした構成になっているから、結局それぞれの家庭環境と向き合う所がメインであまり惹かれなかった。

  • 全寮制の女子校で続発する事件に巻き込まれた少女たちを描く各紙誌絶賛のサスペンス。

  • 4.0

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著者プロフィール

1984年山口県生まれ。2017年、『誰かが見ている』が精緻に組み立てられた心理サスペンスとして高く評価され、第52回メフィスト賞を受賞しデビュー。他の著書に、全寮制女子高で不審な事件が次々と起こる『友達未遂』、介護に悩む女性とDVに苦しむ男性を描いた『首の鎖』がある。

「2022年 『彼女の背中を押したのは』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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