まだ間に合う 元駐米大使の置き土産 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
3.53
  • (3)
  • (17)
  • (5)
  • (3)
  • (2)
本棚登録 : 164
感想 : 16
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065272930

作品紹介・あらすじ

推薦のことば

YOSHIKIさん
「X JAPANのXは、無限の可能性。
だから『チャンスは誰にでもある』という藤崎さんの本に心から共感」

佐藤可士和さん
「読むと勇気が湧いてくる。
人生のリ・デザインの実践的アドバイス」


人生に「もう遅すぎる」はありません――。
次世代への直球アドバイス!
元駐米大使にして、現在は教育者としても活躍する著者が語る、学生時代・社会人・国際人の心得。

主な内容

1 人生のデッサンは自分で
●時間のモノサシと場所のモノサシ
●時間管理を覚える
●役に立つ勉強は
●選択肢を考える練習
●ほれる仕事を選ぶ

2 社会人 入門から卒業
●スタートは大事
●外交官直伝! 記録とりの極意
●組織への忠誠心はほどほどに
●思い込まずに「ちょっと待てよ」
●危機に直面したとき
●社会人の「アイウエオ」
●経験は勘の母
●退職――OB入門

3 国際社会に出る
●一度は井戸から出てみる
●めざす英語のレベルと訓練法
●PRマンにはなるな
●会議の発言「引用されてナンボ」
●スピーチはアタミで


わたしは、けっして外交官生活を楽々とこなしたわけではありません。むしろ、こけつまろびつという感じでした。わたしがやった失敗も書きました。どうして失敗したのか、失敗から何を学んだかも本音で書きました。
わたしのやったとおりがいいから参考にしてほしいというつもりはまったくありません。むしろこういう回り道はしない方がいいですよ、と伝えるために恥をしのんで書いています。
「こんな人でも組織や国際社会をなんとか生きぬけたのか、それなら自分だって」
と自信を持っていただければ幸いです。(「はじめに」より)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 題名を見たとき、50歳をすぎたおっさんでも、『まだ間に合う』と言われているかと思って手に取りましたが、もっとずっと若い人に向けたメッセージだったようです。とはいえ、著者の歩んできたキャリアでの経験談が面白くて、最後まで読みました。経験談から語られるアドバイスですが、著者のような経験をするような人はごく稀なケースなので、我が身に置き換えて想像しながら読むことになります。前半は、学生や社会人になりたての若手に向けて、実践的な助言があります。学生のアイウエオと社会人のアイウエオが印象に残っています。
    学生のアイウエオ
    ア:圧縮、イ:インプット、ウ:疑うこと、エ:英語、オ:思い出作りは早すぎる
    社会人のアイウエオ
    ア:あわてずあせらず、イ:いばらず、ウ:ウソをつかず、エ:エエカッコシイせず、オ:おこらず

    なのだそうです。
    国際社会で活躍したいと思っている人は、是非本書を読んでください。参考になることが詰まっています。

  • 元外交官で駐米大使まで務めた方による、自身の経験談を交えた社会・会社での立ち居振る舞い方、先を見据えた上での勉強の仕方などを紹介する自己啓発系の内容。
    外交官という公務の世界の内容が多く、企業社会にはストレートに当てはまらない内容も多い様に思えたが、エリート公務員や霞が関の役人達の仕事ぶりが垣間見れて読み物としても面白い。

    個人的に刺さった箇所は以下のとおり。
    ・勉強する分野の選択に当たっては『時間の物差し』(いつまでも使い続けることができる知識)と『場所の物差し』(どこでも使える知識)を意識する
    ・これから求められるどこでも使える知識、技術は英語(ただし、AIに置き換わる分野なので副専攻くらいにとどめる)、データサイエンス、プログラミング、ファイナンスの分野。
    ・トップの心得(あいうえお)
     焦らず、慌てない
     威張らない
     嘘をつかない
     ええ格好しない(自慢話をしない)
     怒らない

  • 著者は2008年から約4年間駐米大使を務めた外交官。
    父親も外交官で、本書はサラブレッドが書く自慢話かと思いがちだが、冒頭でそんな話ではないと釘をさされる。
    有り難いことに外交の裏方として働く若い頃の失敗談を多く語ってくれる。要人訪問時の段取りの重要性や、国際会議に参加するときの上司の意図の見逃しなどエピソードが豊富。それらの経験を踏まえて、米国の外交舞台で活躍をするのだが、他国の外交官との折衝や相手に伝わる英語スピーチでのコツなど実務的な話が満載。
    これは買いの一冊。

  • 「大人」は若い人に対しては、自分の立ち位置や
    辿ってきた道とは関係なく、偉そうな事を言いま
    す。

    「大人」である私が言うのですから本当です。

    「早くから海外に目を向けろ」「日本が国際競争
    力を取り戻すためには若者が夢を持たないといけ
    ない」など、ほとんどが紋切り型と言っていい内
    容ばかりです。

    しかし実際に現場を見てきた人の言葉は違います。

    ある意味著者の経験に基づく提言ではありますが
    それは事実でもあるからこそ重たいのです。

    日本人として生きるべき方向性を示してくれる一
    冊です。

  • 元外交官の方による自身の経験や学びを語ったもの。

    国家間の関係性を左右するのでなかなか気が抜けなそうな仕事だなと思うけど、その一方でいろんな国と携われるのはいいなと思いました。
    仕事として携わるのは大変だろうけど。

    英語学習に関する話や会議のメモや書類の作りなど書かれていて、参考にしてみようと思えることもいくつかありました。
    英語教員への学びを提供する逆JETはぜひやったらいいな、と思いました。

  • 22.07.08読了
    外交官としての経験から仕事のやり方についての話だが、民間企業でも社会人として社内でのコミニケーションの取り方等に参考になった。

  • 東2法経図・6F開架:B1/2/2650/K

  • p4 ビスマルク 愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ

    p18 吉田松陰 夢なき者に理想なし 理想なき者に計画なし、計画なきものに実行なし、実行なき者に成功なし、故に夢なき者に成功なし

    p28 コンピュータの専門家が、自分は時間の有効活用のためにSNSを一切やらない

    p32 これから求められるスキル コンピュータサイエンス、プログラミング、ファイナンス、そして英語

    p55 吉澤謙吉 外交六十年 中公文庫

    p122 ハロルド・ニコルソン 外交 外交官が目標とすべき資質として、誠実、正確、平静、上機嫌、忍耐、忠誠心

    p122 あいうえお
    あわてずあせらない いばらず ウソつかず エイカッコシイせず おこらず

    p137 仕事の報酬はさらなる仕事だ

    p142 言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ

    p154 後藤新平 金を残して死ぬのは下だ。事業を残して死ぬのは中だ。人を残して死ぬのが上だ

    p160 OBのやってはいけないこと
    自慢、説教、問いただし

    p176 耳の訓練にいいのはyoutube 大統領のスピーチ

全16件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1947年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学、米ブラウン大学、スタンフォード大学院にて学ぶ。1969年、外務省に入り、北米局長、外務審議官、ジュネーブ国際機関日本政府代表部大使などを経て駐米大使を務め退官。日米協会会長。
第二の人生では教育研究関係に進み、上智大学、慶應義塾大学、昭和女子大学特別招聘教授などを経て、現在、中曽根平和研究所理事長、北鎌倉女子学園理事長、東京音楽大学特別招聘教授、お茶の水女子大学経営協議会委員、文部科学省科学技術・学術審議会専門委員などを務める。
世代、国境を越えて交流し、新しいことにチャレンジするのが好き。オートバイ、モーターボートの免許を取得。


「2022年 『まだ間に合う 元駐米大使の置き土産』 で使われていた紹介文から引用しています。」

藤崎一郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×