ダーウィンクラブ(3) (モーニング KC)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065275771

作品紹介・あらすじ

CEOと従業員の経済格差が千倍以上の巨大企業への犯行予告があった。それから3年、犯行予告された企業の一つ・ワイルドスペース社がロケットの発表中に襲われた。さらに日本のロケット発表会の現場も襲われる。その放送を見ていた石井大良は、幼少時父親を殺したと思われる男の顔をそこで発見。彼を追うなかで大良は、彼が所属する組織「ダーウィンクラブ」の存在を知った。何とか組織に近づくためある企業に潜入を開始した…。怒濤の展開! 格差と陰謀が紡ぐクライムサスペンス!!

感想・レビュー・書評

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  • 格差を是正するという名目で始まった巨大企業テロ。一連の犯行には「ダーウィンクラブ」という謎の組織が関与していた。天木から組織と接触する方法を聞いた大良。彼は言われた通りに配送業者・トロイに潜り込み、配送員の業務の中で「正しいこと」をしようとするが──。

    マイペースながらも順調に潜入を続けていく大良。顔と名前を覚える能力がこんなところで役に立つとは!配送員として上り詰めていったら友だちができて、婚活パーティーに参加してモテモテになっていた!な…何を言っているのかわからねーと思うが、大良も何をされたのかわからなかった…みたいな展開が面白い。最初はほのぼのしていた空気感が、徐々に組織へと繋がっていく緊張感へと入れ替わっていくのが上手い。

    時間に追われる配達員、年収や若さに縛られた婚活、限られた資産家が富を独占する世界、現実にも通じる様々な社会問題が描かれる。クラブへの入り口の一つを配達員にしたのは、アルゴリズム化された仕事の中で「正しさ」や「特殊さ」を発揮できる人間を選定するためなのかな?そして、富の再分配を促して淘汰をコントロールしようとしているのか。

    「そうやって金持ちは才能があるって庶民が思うの格差が広がってる国だけらしいよ」
    「仲間がいるっていいだろ 世の中には人を助ける仕事をしてる人たちがいるけど 当の困ってる本人はその人たちのことを知らなかったりするからな 知り合いが多いと助けてもらえる方法がわかるんだよ」
    まともなことを言っている一方で、テロや殺人もためらわない。大良は組織の中でどんな「正しさ」を目の当たりにするのだろうか。

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著者プロフィール

2010年、アフタヌーン四季賞冬のコンテストにて、準入選を受賞。
「アフタヌーン」にて2013年『ネメシスの杖』を、2016年『インハンド 紐倉博士とまじめな右腕』を連載。
医療サスペンスの新たな描き手として注目を集めている。


「2019年 『インハンド プロローグ2 ガニュメデスの杯、他』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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