ダーウィン事変(4) (アフタヌーンKC)

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065279465

作品紹介・あらすじ

半分ヒトで半分チンパンジーの「ヒューマンジー」チャーリーは高校に入学したばかり。
両親は平和な学園生活を送ってくれることを願っていたが、チャーリーは「動物開放」を掲げるテロ集団・ALAに目を付けられてしまう。
チャーリーと仲良くなった同級生のルーシーは、チャーリーを学園生活になじませようと奮闘する。
しかし、ALAはチャーリーを仲間に引き入れようと画策し、周囲の人間からチャーリーが孤立させるため、学園を揺るがす「最凶の事件」を起こす。FBIや周辺住民などから一層注目を集めてしまうチャーリー。そして、「最悪の事態」が起きてしまう。チャーリーやルーシー、そして周囲の人たちを巻き込み、世界は大きな変化を見せる!

「このマンガがすごい!2022」や「マンガ大賞2022」など、数々の賞などにランクイン&ノミネート!
「テロ」「炎上」「差別」など、ヒトが抱える問題に、ヒト以外のチャーリーが対峙する話題作。
作品集『パンティストッキングのような空の下』が「このマンガがすごい!2017」(宝島社)のオトコ編第4位にランクインし、話題になった漫画家・うめざわしゅんによる連載作品第4巻!

感想・レビュー・書評

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  • 「逆に聞くけど…きみがヒューマンジーであることは、きみ自身から切り離せることなの?チャーリー」

    人間とチンパンジーのハーフであるチャーリーを軸に、動物の権利やら差別やらテロリストとの戦いなどを散りばめて、人間という種とは、と問うサスペンス漫画。
    まだお話は途中ですが、間違いなく名作です。

    著者の過去作をkindle unlimitedでいくらか読んだけど、暗くて主張強めの作風が多かったので、上手いこと一般向けに読みやすくしたなあという感想。同人出身の方なのかしらん。

    人間離れした身体能力と知性を持つまるで進化した人間のようなチャーリーと、今巻ラストに発覚した衝撃の事実を合わせるとこれは「YASHA(吉田秋生)」だな・・・と思ったのですが、このあと人類を減らすためのウイルスとか出てきたらどうしよう。

    進化論でルーシーなのでアウストラロピテクスの名前かと思ってずっと読んでいましたが、チャーリーとルーシーなんだからピーナッツですねコレ。

  • バートとハンナの葬儀。ルーシーは森の中でチャーリーに出会う。

    ルーシーはフィルと共にリナレス議員に接触。チャーリーの新しい里親を探すというリナレスの言葉に、フィルが自分のところでチャーリーを預かると申し出る。

    フィルの下で新生活を始めたチャーリーに第二次性徴が訪れる。

    ルーシーは自分が精子バンクから人工授精した子供だということをチャーリーに打ち明け、それをファイヤーアーベントが知っていたという謎について語る。

    チャーリーはルーシーにセックスを求めたり、人間の子供と友達になろうとするなど、人間らしい感情の兆候もでてくる。

    肥満体形の人間を屠畜するというALAの新たなテロ発生。

    一方、チャーリーとルーシーは、チャーリーの母猿エヴァ危篤の報を受け、研究所に向かい、瀕死のエヴァから子供が二人いたことを告げられる。なんとチャーリーにはオメラスという弟がおり、ALAの中枢にいるのは、そのオメラスらしいのだ…

    息づまる展開!

  • 【あらすじ】
    半分ヒトで半分チンパンジーの「ヒューマンジー」チャーリーは高校に入学したばかり。両親は平和な学園生活を送ってくれることを願っていたが、チャーリーは「動物開放」を掲げるテロ集団・ALAに目を付けられてしまう。チャーリーと仲良くなった同級生のルーシーは、チャーリーを学園生活になじませようと奮闘する。しかし、ALAはチャーリーを仲間に引き入れようと画策し、周囲の人間からチャーリーが孤立させるため、学園を揺るがす「最凶の事件」を起こす。FBIや周辺住民などから一層注目を集めてしまうチャーリー。そして、「最悪の事態」が起きてしまう。チャーリーやルーシー、そして周囲の人たちを巻き込み、世界は大きな変化を見せる!

    ・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

    感想は最終巻にまとめて記載予定です。

  • 新しい家族
    新しいコミュニケーション
    恋愛?
    A

  • 1巻が無料だったので読んだら大変面白く、すぐに既刊2~4巻を買って読んだ。

    ちょっとポン・ジュノの映画『オクジャ』を彷彿とさせるが、もっと深みがある。波乱万丈のエンタメとしても一級品だ。

    うめざわしゅん の作品集は、大部分をKindle Unlimitedで読むことができる。それぞれ才気に満ちていて面白い。
    この『ダーウィン事変』が初長編なのかな?
    2022年の「マンガ大賞」も受賞した本作で、一皮むけたというか大化けしたというか……。

    本作を「21世紀の『寄生獣』」と評する声があると聞き、深く納得した。

    『寄生獣』はパラサイトの視点から、『ダーウィン事変』は「ヒューマンジー」(ヒト+チンパンジー)の視点から「人間とは何か?」を問う。テーマが通底しているのだ。

    立花隆の『サル学の現在』には、《サルのサル性を知らなければ、ヒトの真の人間性もわからない》という印象的な一節があった。つまり、“サル学とは人間学だ”と立花は言うのである。

    同様に、前代未聞のヒューマンジーを主人公に据えることによって、『ダーウィン事変』は「人間とは何か?」を随所で読者に問う、ものすごくスペキュラティブなマンガになっている。

    スペキュラティブでありつつ、極上の娯楽作である点も、『寄生獣』との共通項だ。

  • 展開が早くて、一度読んだだけでは内容が消化できない。もう一度読んでみよう。

  • 月刊誌での連載ということもあるだろうが展開が早い。
    シングルイシューではあるがそれが引き起こす波紋は非常に多岐に渡り、オルタナティブを持たないヒトという種(という幻想)という前提を基にした世界の限界と脆弱性が突きつけられる。

    しかし、単行本の続きが雑誌の最新号で読めるというのは良くあるけど、単行本の収録が雑誌掲載より早いというのは珍しいかも。しばらく休載となるためか?

  • 人道的、人道的、人道的。
    果たして我々は、人の道を踏み外していないと断言できるだろうか。
    人である限り、全てその行為はヒューマニズムであるとも言える裏腹。
    物語は更なる深淵へ。
    この作品が、我々の生きる混沌に満ちた世界をますます浮き彫りにしていく。
    続きが楽しみだ。

  • 個人的にこれこそ文学という作品。
    米国を中心としたリベラルと保守の摩擦をファンタジーの設定内において、的確に刺してくる感じ。
    風刺ほど浅くなく、ヴィーガン、アニマルライツ、人種主義など現代社会の違和感をもっと根源的に問いかける物語。
    彼がアメリカでこの作品を出せば、ある人は称賛し、ある人からは命を狙われるのではないか?
    日本に住まいながら、よくここまでアメリカや現代社会を猫写できたと感心する。
    漫画としてもミステリアスで面白いが、テーマ設定の切り口は知性の高さが垣間見られる社会派漫画。

  • 初版 帯

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著者プロフィール

漫画家。作品集『パンティストッキングのような空の下』が「このマンガがすごい!」2017(宝島社)のオトコ編第4位にランクインし、話題になる。
本作『ダーウィン事変』にて「マンガ大賞2022」大賞受賞、第25回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞、「このマンガがすごい!」2022(宝島社)のオトコ編第10位ランクイン、第1回「CREA夜ふかしマンガ大賞」6位ランクインなど、数々の賞を獲得した。
他の著作に『ユートピアズ』『一匹と九十九匹と』『ピンキーは二度ベルを鳴らす』『えれほん』など。

「2023年 『ダーウィン事変(5)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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