月灯館殺人事件 (星海社FICTIONS)

著者 :
  • 星海社
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感想 : 48
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065280799

作品紹介・あらすじ

あの北山猛邦が真正面から「館」に挑む正統派新本格ミステリ!

「本格ミステリの神」と謳われる作家・天神人(てんじん・ひとし)が統べる館、「月灯館(げっとうかん)」。その館に集いし本格ミステリ作家たちの間で繰り広げられる連続殺人! 悩める作家たちはなぜ/誰に/何のために殺されるのか?
絢爛たる物理トリックの乱舞(パレード)とともに読者を待ち受ける驚愕のラストの一文(フィナーレ)に刮目せよ!!

これぞミステリの進化の系統樹の最前線にしてネオ・クラシック!

<星海社 令和の新本格ミステリカーニバル>シリーズ、開幕!

新本格ミステリの父と謳われた名編集者・宇山日出臣が没して十五年余り。昭和に始まったこの新本格ミステリ・ムーブメントはその発端となった「小説」の垣根を越え、漫画・舞台・映像・ゲームなどあらゆる表現ジャンルへと飛翔を続けています。
だからこそ、我々星海社はあえてこの令和の世に「新本格ミステリ」を真正面から標榜し、原点たる「小説」として問い直したいと思います。

「新本格ミステリ」の魂(スピリット)を愛し、次代へと発展、継承すべく集ったとっておきにして腕ききの小説家陣による「新本格ミステリ」の、最前線にして現在の到達地点を、どうか存分にお楽しみください。

星海社FICTIONS編集長 太田克史

感想・レビュー・書評

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  •  この表紙というか、装丁もなかなかいいんですよ!単行本の上部についている紐様のしおり(あれ…スピンって言うんですって!今回初めて知りました)、この作品に関しては紐じゃなくリボン様で、色はブルー、そして星海社のロゴが入っていて…なんか、いい感じなんです。面白いなぁ~って思って、こういうの初めてだったんで!!

     この作品は、雪に閉ざされた月灯館に集う、ミステリ作家たちを襲う連続殺人事件が題材になっています。外部との連絡もとれない状態であること、全ての密室での殺人、しかも首が切断されるという手口であるということ…ミステリ好きにはたまらない作品ですよね!!密室のトリックにもひたすら感心させられました。

     皆さんのレビューを読むと、あれ?おかしいな…と思うところがあったというのですが、私には気づけませんでしたので、ラストの一文に驚愕しました!!えっ??そうきた??って(汗)。私の読解力では、この急展開についていけず、取り残された感を感じましたが、お見事な作品です。

    • かなさん
      1Q84O1さん、おはようございます!
      私は、この作品のそこら中に散りばめられている
      伏線に一向に気づくことなく
      エンディングまで読ん...
      1Q84O1さん、おはようございます!
      私は、この作品のそこら中に散りばめられている
      伏線に一向に気づくことなく
      エンディングまで読んでしまってたので、
      急展開にショックを受けてしまいました(^-^;
      きっと私だけだと思いますよ…。
      2024/02/09
    • 1Q84O1さん
      かなさん
      伏線に一向に気づくことなく突っ走りましたか!w
      それはそれでいいじゃないですかw
      たまにはそんなこともありますよ^_^
      このレビュ...
      かなさん
      伏線に一向に気づくことなく突っ走りましたか!w
      それはそれでいいじゃないですかw
      たまにはそんなこともありますよ^_^
      このレビューを読んで、私も!っていう人が出てくるかもしれませんよ…
      2024/02/09
    • かなさん
      1Q84O1さん、そうなんですよねぇ(*'▽')
      伏線、まったく気づかず…読み終えてしまってから
      あれ??えっ!!!って感じ(^-^;
      ...
      1Q84O1さん、そうなんですよねぇ(*'▽')
      伏線、まったく気づかず…読み終えてしまってから
      あれ??えっ!!!って感じ(^-^;
      私もまったく気づきませんでしたっていうレビューが
      この先出てきたらちょっとだけ、
      嬉しい気持ちになっちゃうかもです!!
      2024/02/13
  • クローズドサークル、館もの、密室殺人、驚愕トリックがスゴイ! ド直球の本格ミステリー #月灯館殺人事件

    推理小説作家たちが小説を書くために山奥にある月灯館に集まっていた。吹雪となり誰も館から出られなくなったその日、まず一人目の殺人が行われる。密室で、しかも考えられない状態で見つかった遺体。不可能犯罪はさらに続くことになるのだが、果たして推理小説作家たちは犯人を見つけることができるのか…

    いくつも用意された密室殺人、凄惨な現場、そして犯人捜し。これぞ本格ミステリーですよ。登場人物もガッツリ変人、怪しい奴ばっかりで、繰り広げられる殺人劇を盛り上げます。

    本作、トリックが素晴らしい!
    バラエティに富んだ仕掛けをよくもまぁいくつも考えましたね、さすが北山先生。
    ネタバレにならない範囲でトリックの感想としては、1つ目は正統派、2つ目はエンタメ、3つ目は超絶技巧、4つ目は目から鱗。といった感じでした。
    そして大技も見事で、本書を読み終わった人は、おそらくみんな同じことをするでしょうね。

    さて、本作の一番の読みどころは、テーマ性だと思っています。
    この作品はジャンル分けすると新本格ミステリーになるのですが、テーマ自体も新本格ミステリーなんですよね。

    自分は20年ほど前に新本格ミステリーというものに出会い、かつてない衝撃を受けました。以来、新本格の第一世代から、本格古典、海外古典と夢中になって読み漁りました。その後はカジュアルなミステリーやサスペンス、最近では理系、恋愛、青春、ファンタジー、特殊設定といった工夫が凝らされたものや、社会派ミステリー、警察小説なども大好きになっていきました。

    はたして作者はいったい何を伝えたいのか…あなたはどう思いましたか?

    自分なりに色々考察しましたがあえて言いませんので、ミステリー好きの皆さんにはぜひ読んでみてほしい。特に長らくミステリーを愛してきたベテラン皆さんや、本職の推理作家の皆さんの意見を伺いたいと思いました。

    おそらくは今年ミステリーランキングをにぎやかにする一冊、新本格ミステリーをエンターテイメントとして魅せる傑作だと思います。ミステリーファンにはおすすめです!

    • 111108さん
      autumn522akiさん、おはようございます。

      ミステリーをたくさん読まれてるautumn522 akiさんのレビューはいつも楽しみで...
      autumn522akiさん、おはようございます。

      ミステリーをたくさん読まれてるautumn522 akiさんのレビューはいつも楽しみですが、今回は新本格好きの私に特にとてもささるレビューでした‼︎そんなに数多く読んでるわけではないのですが、自分の好きな傾向探るとやっぱり新本格になると思ってますので。テーマ自体も新本格なんて〜

      積読たくさんでいつになるかわかりませんが、絶対読んでみたいです!
      2022/07/03
    • autumn522akiさん
      コメントありがとうございます!
      111108さんこそ、めっちゃいい作品をたっぷり読んでるじゃないですか~ 本棚を垣間見てしまいました^^
      ...
      コメントありがとうございます!
      111108さんこそ、めっちゃいい作品をたっぷり読んでるじゃないですか~ 本棚を垣間見てしまいました^^

      そうなんです、本作はテーマ自体が「新本格」というところがニクイところ。ぜひ感想伺いたいので、読んでみて下さいね!
      2022/07/04
  • 可能か⁇の一冊。

    一気に読まされた雪に閉ざされた館での王道連続殺人ミステリ。

    生首晒しだのかなり残虐非道なやり口。

    でも陰鬱な雰囲気にがっつりとのまれるし、次なる犠牲者は⁇とドキドキは止まることを知らない。

    この密室は果たして可能か⁇

    必死に想像力、フル稼働。

    終わりに近づくに連れてなんだか祭りの後のような寂しさを感じながら迎えたラスト!
    まるでいきなりのナイフ投げつけ感。思わず後ろでんぐり返しをしたくなった。

    これは可能か⁇可能だったのか⁇
    すぐさまポイントをおさらい。  

    どうやらなんとか可能らしい。うまいことやるもんだ。

  • デビュー作以降一文字も書けなくなった孤木は、編集者の勧めで本格ミステリの大御所天神人が若手ミステリ作家に執筆の場として提供している自宅「月灯館」に滞在する事になる。晩餐会で不気味な宣言が流れた次の日から、雪で陸の孤島と化した館で天神を皮切りにミステリ作家達の首挿げ替え連続密室殺人事件が起こる。王道の舞台と展開、「物理の北山」大盤振る舞いににやにやしていたら、解決シーンでえ、となり犯行理由でおお⁉と投げられラスト一行で床にきっちり叩きつけられた。他の方達のレビューを確認した上で慌てて読み返したらぎりぎりを攻め過ぎ。成立してるけど空中に浮いているんじゃないか。脱帽。

  • 雪で外界から隔てられた館で起こる、『そして誰もいなくなった』を彷彿とさせる連続殺人事件。
    物理的密室はできたんだからできるんだろうと思考放棄する読者である私。それにしても既視感だらけと読み進め…… ごめんなさい、舐めてました。こうきたか!

    ラスト一行を読んで、始めから読み返しましたよ。途中、引っかかった描写もよくよく読めば、そういうことか! と、脱帽。うまいな~

  • クローズドサークル、雪の山荘、本格推理、
    そして誰もいなくなった…
    きっと好きなはずと思って手に取ってはみたけれどちょっと私好みではなかったかな…
    『終章』は面白かった!グッと来た。

  • 最後に??ってなった~。この作品ネタバレせずに感想書くのは無理なので、この先はネタバレです。


    最初読み終わって、弧木が夢川に乗っ取られたんだと思ったんだけど、いやなんか違う。弧木の死に方雑すぎでしょってなって、弧木は夢川だったのか~ってなたんだけど、それからもなんか謎すぎて。読み返しても理解できん。
    だって食事の時の描写、あれずるくない?弧木と夢川一緒にいるって思うじゃない。あの場面、弧木=夢川のことを、みんな弧木だと思っているのに文章に夢川の行動が出てくるんだからダメでしょ。それはないわ~

    と少し興奮してしまいましたが、最初の読んだ時気になったところは、読み返すと伏線だったり、さすがではありますね。

  • 2022.12.19読了。
    年末に素晴らしい作品を読めました。今年のベストはこの作品になりそう。
    いろいろと想像しながら読みましたが、この真相には脱帽です。
    北山先生が現在の新本格ミステリの置かれている状況を分析し、新本格への皮肉と敬意を込めた作品と言えるのではないでしょうか。

  • 登場人物の動きや場面展開などお決まりシーンが多くてオリジナリティを感じられない。退屈な読書だった。

  • 狐木雨論=白百合久生は気付けてニヤニヤしながら読んでたのだけど、まさかさらに=夢川蘭まで乗っかってくるなんて……

    (半分だけだけど)叙述トリックがバレバレの状態で読んでも面白かったのは、やっぱり各密室に使われた物理トリックが残っているからで、そのあたりはさすが物理の北山
    状況だけでワクワクさせる密室を作り出す能力は相変わらずです
    密室トリックも良い意味で大味な感じとか大好き
    終章の犯人の告白によると、実現可能らしいしね(笑

    『「瑠璃城」殺人事件』のセルフ再利用トリックもファンには嬉しい仕掛け

    物語終盤から、記憶に残る名台詞のパロディらしきものが散見されて、そこも楽しかったです

    「あなたが……犯人だったんですね……」
    「――狐木雨論です」
    閉幕-カーテン・フォール-

    みたいなね
    パラパラと見返して適当に抜粋してみたけど、まだまだ自分の気付けていないネタもたくさんあるんだろうなー

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著者プロフィール

2002年、『『クロック城』殺人事件』(講談社ノベルス)で第24回メフィスト賞を受賞しデビュー。代表作として、デビュー作に端を発する一連の〈城〉シリーズなどがある。

「2022年 『月灯館殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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