生物を分けると世界が分かる 分類すると見えてくる、生物進化と地球の変遷 (ブルーバックス)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065288184

作品紹介・あらすじ

すべての生物学の土台となる学問こそが、分類学だ!

なぜ、我々は「ものを分けたがる」のか?
人類の本能から生まれた分類学の始まりは紀元前。
アリストテレスからリンネ、ダーウィン……と数々の生物学の巨人たちが築いてきた学問は、
分子系統解析の登場によって大きな進歩を遂げている。
生物を分け、名前を付けるだけではない。
分類学は、生命進化や地球環境の変遷までを見通せる可能性を秘めている。
生命溢れるこの世界の「見え方」が変わる一冊!

 
地球上で年間1万種もの生物が絶滅しているという。
その多くは、人類に認識すらされる前に姿を消していっている。
つまり私たちは、まだこの地球のことをこれっぽっちも分かっていない。
それどころか、「分かっていないことすらも分かっていない」のである。
だが、分類学を学ぶことで、この地球の見え方は確実に変わる。
奇妙な海洋生物・クモヒトデに魅せられ、
分類学に取りつかれた若き分類学者が描き出す、新しい分類学の世界。

◆主な内容
プロローグ 分類学者の日常
第1章 「分ける」とはどういうことか ~分類学、はじめの一歩
第2章 分類学のはじまり ~人は分けたがる生き物である
第3章 分類学のキホンをおさえる ~二名法、記載、命名規約とは?
第4章 何を基準に種を「分ける」のか? ~分類学の大問題
第5章 最新分類学はこんなにすごい ~分子系統解析の登場と分類学者の使命
第6章 生物を分けると見えてくること ~分類学で世界が変わる
エピローグ  分類学の未来

感想・レビュー・書評

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  • その数、年間1万種!? 地球上の生物が次々に絶滅しているという恐ろしい現実(岡西 政典) | ブルーバックス | 講談社(1/3)
    https://gendai.ismedia.jp/articles/-/97497

    生物を分けると世界が分かる | ブルーバックス | 講談社
    https://gendai.ismedia.jp/list/books/bluebacks/9784065288184

    『生物を分けると世界が分かる 分類すると見えてくる、生物進化と地球の変遷』(岡西 政典):ブルーバックス|講談社BOOK倶楽部
    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000368300

  • わかりやすくて良い入門書、クモヒトデの岡西政典博士による分類学の総説的なやつ。個人差あれど、小学高学年から大学生までエンジョイできるかと思う。分類学の基本、二名法、記載、命名規約が簡単に理解できる。中高生ぐらいがターゲットなのでは。参考文献やリファレンスのQRコードがついてて、とても親切。面白いのが細胞質不和合性、他科とのコラボレーションなど、最近特に進んできている”連携”などにも言及される。
    ここ数年、この分類学、進化生物学、遺伝学の本を読む機会が多いんだが、どうしても古ぅ〜い書籍や外国語書籍が多めなので、現代日本語本の良著が出てくるのはとても嬉しい。

    個人的には『新種の発見』のほうが好き。
    分類学にあんまり親しみのない人は『新種の発見』の前に本書を読んでおくと、わかりみが深くなると思われる。
    分類、ものすんご〜〜〜く面白いです。

  • 私にとって分類学は身近なものであるが、分類学の有用性を説明するのが苦手だった。この本で筆者の「生き物を分けることは世界の理解に直結し、人類の生活を豊かにする」という主張にハッとさせられた。
    これは、その生物が棲む事のできる環境(ニッチ)を理解することが重要であり、私たちには分からないニッチの違いを、生物は感じ取り棲み分けしている。それを可能にする何かは、人類の生活を豊かにする何かである可能性は否定できないというものである。これらの考えは、分類学が生物や環境を扱う学問の基礎となる学問である所以だろう。

  • 【書誌情報】
    『生物を分けると世界が分かる 分類すると見えてくる、生物進化と地球の変遷』
    著者:岡西 政典(1983-)
    発売日:2022年07月21日
    定価:1,100円(本体1,000円)
    ISBN:978-4-06-528818-4
    判型:新書
    ページ数:256
    シリーズ:ブルーバックス
    通巻番号:2208

    ◆すべての生物学の土台となる学問こそが、分類学だ!
     なぜ、我々は「ものを分けたがる」のか? 人類の本能から生まれた分類学の始まりは紀元前。アリストテレスからリンネ、ダーウィン……と数々の生物学の巨人たちが築いてきた学問は、分子系統解析の登場によって大きな進歩を遂げている。生物を分け、名前を付けるだけではない。分類学は、生命進化や地球環境の変遷までを見通せる可能性を秘めている。生命溢れるこの世界の「見え方」が変わる一冊!
     地球上で年間1万種もの生物が絶滅しているという。その多くは、人類に認識すらされる前に姿を消していっている。つまり私たちは、まだこの地球のことをこれっぽっちも分かっていない。それどころか、「分かっていないことすらも分かっていない」のである。だが、分類学を学ぶことで、この地球の見え方は確実に変わる。
     奇妙な海洋生物・クモヒトデに魅せられ、分類学に取りつかれた若き分類学者が描き出す、新しい分類学の世界。
    [https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000368300]

    【簡易目次】
    プロローグ 分類学者の日常
    第1章 「分ける」とはどういうことか ~分類学、はじめの一歩
    第2章 分類学のはじまり ~人は分けたがる生き物である
    第3章 分類学のキホンをおさえる ~二名法、記載、命名規約とは?
    第4章 何を基準に種を「分ける」のか? ~分類学の大問題
    第5章 最新分類学はこんなにすごい ~分子系統解析の登場と分類学者の使命
    第6章 生物を分けると見えてくること ~分類学で世界が変わる
    エピローグ  分類学の未来

  • 筆者の分類にかける思い、使命感が伝わってくる本。

    分けると分かるはよいタイトルですね。分けることによって、人間と人間以外の共通点・相違点が分かりやすくなる。分けて終わりではなく、それらを紡いでいくことも重要。トランプ登場などで分断が進んだといわれる世界で、著者のようなアプローチが通用するとよいなと感じました。

  • 分類学の意味や役割について考えたことはなかったが、ふーん、なるほど〜、「分ける」は「分かる」だよねー、と色々考えさせられました。

  • 生物を分類するためには如何に手間と作法があるかを記した本書

    内容的には、そこまで難解ではないが、ある程度分類の基礎を知っている者からすれば、新たな発見はそこまで多くない印象をうけました

    もう少し、おぉ実はそうだったのか!的な内容が欲しかったですが、全く分類を知らない人には勉強になると思います

  • 新種の登録には何年もかかる

    分類学の基本は二名法(属名+種小名)

    分類の基準は
    ・イデアに基づき、理想的な形で分ける類型学的種概念
    ・変異や奇形を認める形態学的種概念
    ・子孫を残せるかどうかで分ける生物学的種概念

    別の場所に棲む動物の分類や隠蔽種、感染者と非感染者の分類の問題などがあるため、明確なルールはない

    まだ何種類の生物がいるかすらもわかっていない

  • とても面白かった。
    「生物の分類」に興味がある人は一読する価値がある一冊。

  • [鹿大図書館・冊子体所蔵はコチラ]
    https://catalog.lib.kagoshima-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BC15920044

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著者プロフィール

1983年、高知県生まれ。東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻博士課程修了。博士(理学)。文部科学省教育関係共同利用拠点事業(京都大学瀬戸臨海実験所)研究員、茨城大学理学部助教、東京大学大学院理学系研究科附属臨海実験所(三崎臨海実験所)特任助教などを経て、2022年4月より広島修道大学人間環境学部助教。著書に『深海生物テヅルモヅルの謎を追え!』(東海大学出版部)、『新種の発見』(中公新書)など。日本動物学会論文賞・藤井賞・奨励賞、日本動物分類学会奨励賞、科学技術文部科学大臣表彰(科学技術分野)若手科学者賞などを受賞。北海道大学理学部在学時に分類学に出会い、様々な未知の動物を求めてフィールドを駆け巡る。



「2022年 『生物を分けると世界が分かる 分類すると見えてくる、生物進化と地球の変遷』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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