星くずの殺人

著者 :
  • 講談社
3.39
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本棚登録 : 1463
感想 : 100
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065289549

作品紹介・あらすじ

江戸川乱歩賞受賞第一作
無重力に浮かぶ首吊り死体
死を呼ぶ宇宙ツアーが始まった

令和のディクスン・カー(候補)が打ち上げる“天上”最高のゲーム! 法月綸太郎
地球を見下ろす、宇宙的ホワイダニットに震えた。 大森望

完全民間宇宙旅行のモニターツアーで、念願の宇宙ホテル『星くず』についた途端見つかった死体。それも無重力空間で首吊り状態だった。添乗員の土師(はせ)穂稀(ほまれ)は、会社の指示に従いツアーの続行を決めるが――。
一癖も二癖もある乗客、失われる通信設備、逃げ出すホテルスタッフ。さらには第二の殺人まで起きてしまう。帰還を試みようとすると、地上からあるメッセージが届き、それすら困難に。『星くず』は宇宙に漂う巨大密室と化したのだった。

感想・レビュー・書評

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  • 宇宙空間のホテルが連続殺人現場というのがユニーク。宇宙での様子がよく調べられていて描かれている。殺人方法というのがねえ、ちょっと難しかったな。なんか、すっきりとはしない。犯人はよく考えてみれば、この人でなければならなかったなあ。

  • 宇宙ホテルでの殺人、そしてクローズドサークル… 奇想天外な動機と真相に驚愕必至 #星くずの殺人

    ■あらすじ
    宇宙旅行が実現化された世界、主人公は副機長となり旅行者たちと宇宙ホテル『星くず』に向かった。しかしホテルに到着してすぐ、無重力状態の首つり死体が見つかってしまう。さらにホテルの通信システムも失われてしまい、宇宙空間でのクローズドサークルになってしまう…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    宇宙空間での殺人、そしてクローズドサークル。
    なんて本格ミステリーファンの心をくすぐる設定なのっ
    これはワクワクが止まりませんよ。

    環境、プロット、登場人物などもしっかり描けていて、読みごたえもある作品。
    また本作はSF要素を含んでいますが、まったく考えられないようなフィクションではなく、近未来にありそうな設定なんです。物語に出てくる小道具やツールなども読者が理解できるものばかりで、荒唐無稽ではなく身近に感じられるのも良いですね。

    なにより宇宙っつーのが夢があるというか、特に主人公である土師が地球を眺めるシーンがあるんですが、これが壮大で素晴らしい。個人的にはもっともっと膨らませてくれてもよかったですね。

    そして謎解きミステリーとしても、無重力という独特の環境を生かしたアイデアが面白い。解法も動機も奇抜な発想力で、大変チャレンジングで驚きました。

    登場キャラクターの推しは、やっぱり周ちゃんですね。
    事実を京都弁で淡々と話す彼女が力強く、物語をしっかりとけん引してくれます。放たれる社会性のある核心のついた言葉に、ドキリとさせられることもしばしば。
    また政木の偏屈ぶりと可愛さも、超大好きでした~

    どんな方にも楽しんでもらえる、ちょっぴり不思議なミステリーでした。

    ■ぜっさん推しポイント
    無限で壮大で限りない宇宙空間… どこまどもどこまでも無が広がっている。
    しかしそんな世界観なのに、本書を読んで伝わってくるのは人間の不自由さやコンプレックスばかり。

    どんなに技術が進んでも、人間はどこまでも自分本位なんでしょうね…

    • マメムさん
      初コメです。
      序盤の離陸シーンはワクワクしました♪周ちゃんを主役にした続編出ないかなと思いますよね。
      初コメです。
      序盤の離陸シーンはワクワクしました♪周ちゃんを主役にした続編出ないかなと思いますよね。
      2023/04/29
    • autumn522akiさん
      マメムさん、こんちわです。
      コメントありがとうございます!

      わかる~周ちゃんは引きが強いですよね。まだまだ魅力が出せそう。

      そ...
      マメムさん、こんちわです。
      コメントありがとうございます!

      わかる~周ちゃんは引きが強いですよね。まだまだ魅力が出せそう。

      そして最序盤でいきなり離陸シーンは素晴らしいですよね。
      一気に世界に引き込まれてしまいました。
      2023/04/29
    • マメムさん
      autumn522akiさん、お返事ありがとうございます♪

      確かに引きが強いですよね(笑)
      むしろ引き付けているかのごとく感じました。
      autumn522akiさん、お返事ありがとうございます♪

      確かに引きが強いですよね(笑)
      むしろ引き付けているかのごとく感じました。
      2023/04/29
  • いつか夢見る宇宙旅行♪
    ワクワクドキドキな離陸から始まる本作『星くずの殺人』へ、いざテイクオフ!!

    格安の宇宙旅行ツアーに抽選であたった年齢も性別も生い立ちも様々な乗客とベテランパイロット、そして主人公が宇宙ホテル『星くず』を目指して離陸する冒頭の描写は、ちょっとワクワクしました。

    ですが、宇宙ホテル到着後から立て続けに非日常的な事態が連続し、あっと言う間に宇宙ホテルがクローズド・サークルに成り果てる。

    そして、クローズド・サークルとなったホテルで巻き起こる不自然な遺体。さらには………。

    と言ったクローズド・サークルあるあるながら、宇宙を舞台としているためか、理系(特に天文学や物理学、電子工学好き)には納得できるトリックで、登場人物それぞれの個性も強く、程良い読後感でした。

    ただ1つだけ欲を言うなら、高校生探偵モノが良かった。。。

  • まず、同時期に図書館から借りた本書と『爆弾犯と殺人犯の物語』(久保りこ著)の表紙絵や内側の装丁が似ていて、デザイン会社が同じなのかどうか思わず確認してしまった。
    全然違った。

    次に本書の表紙絵の女子高生が2〜3度ペロッと舌を出したり、ぐいぐい自己主張をしてきたりした段階で、「あ〜、また私の嫌いな、あざといテヘペロ女の出現かぁ」とがっくりきた。
    本書は初読みの作家さんなのだが、著者名から性別がわからず、検索した。
    そして男性だとわかり、「どうしてこうも中年男性作家さん達はテヘペロ女が好きなんだろうか…この後も私はイライラさせられるのだろうか」と気持ちが萎えたのであった。

    しかし幸いなことに、本書の周(あまね)は、この2〜3度ほどのペロッだけで終わってくれたので良かった。



    【ネタバレあり】


    あまりの聡明さと活躍ぶりから、彼女は高校生でありながらも実は警察だとか探偵だとか政府か会社から派遣された人間だとかじゃないのかな?(特殊任務を負っているのでは?)とずっと考えながら読んだが、そんなことはなかった。



    最近、宇宙飛行士のノンフィクションものを数冊読んできたので、高度や速度や宇宙環境についてはイメージできたのだが、二酸化炭素や電磁波など化学的なことは理解できないので軽く読み飛ばした。

    その人物の名前を書かないでおくが、最後の一文のセリフを発した人物が、この中で私は一番好きだな。

  • 宇宙ホテル『星くず』で起こる不可解な事件を描いたミステリー。

    いわゆるクローズド・サークルもの。
    民間宇宙旅行のモニターツアーの6名の参加者は一癖も二癖もある面々…
    軽いタッチで会話も多く、どんどん読めました。
    壮大な宇宙空間の描写にワクワク、緊迫感ある展開にドキドキ。
    でも私の中では引っかかるところや雑に感じるところもあって、失速してしまいました。残念。

  • 首吊りが不可能な無重力が広がる宇宙空間での殺人事件。
    設定だけで、面白そうで手に取りました。
    今まで読んだことがない設定なので、それだけで読んでいて楽しめました。
    宇宙のこともいろいろ勉強になりました。

  • 宇宙旅行での連続殺人事件。主人公は副機長兼添乗員,土師ハセ。機長は無重力下の首吊死,地球との連絡は途絶え,ホテルスタッフは脱出ポッドで逃亡。異色の動機。地球平面説の政木が際立つ。


  • 宇宙ホテル『星くず』で起きた密室殺人。

    逃げ場のなさや規模感は、比類することが
    考えられないぐらいの壮大なスケール。

    場所が場所だけに警察が駆けつけることも
    できなければ、命を守る医療機関もない。

    限られたスペースは閉塞感や不安を煽り、
    無作為に選ばれた搭乗人物たちは次第に
    互いに疑心暗鬼に陥っていく。

    場所の設定が違うとこんなにも大きな
    お話になるとは、、、驚きました。

    • マメムさん
      初コメです。
      確かに、この状況下では警察も救急もすぐ来られないですからね。未来に起きそうな作品でした。
      初コメです。
      確かに、この状況下では警察も救急もすぐ来られないですからね。未来に起きそうな作品でした。
      2023/06/24
  • '23年6月5日、読了。桃野雑派(←凄いペンネーム!)さんの小説、初読みでした。

    その存在を知ってから、大きな期待を持っていました。で、今回ようやく、読了しました。

    設定は、凄いなぁ、と思いました。とても、面白かったです!宇宙のホテルでの、無重力下での、首吊り死体とは(⁠・⁠o⁠・⁠;⁠)
    でも、結末は…僕的には、イマイチだったかなಥ⁠‿⁠ಥ犯行の動機が、ちょっとなあಠ⁠_⁠ಠ
    でも、アクロバティックな仕掛けもあって…ちょっとの笑い(登場人物、政木の論!)もあり、楽しめました。

    桃野さんの次の作品に、期待大!

    • マメムさん
      初コメです。
      冒頭の離陸シーンはワクワクしました♪
      初コメです。
      冒頭の離陸シーンはワクワクしました♪
      2023/06/05
    • まーちゃんさん
      マメムさん、こんばんは。いつも「いいね」をありがとうございます。

      僕は、「地球平面説」に、そしてそれを熱く語る政木に、笑ってしまいました
      マメムさん、こんばんは。いつも「いいね」をありがとうございます。

      僕は、「地球平面説」に、そしてそれを熱く語る政木に、笑ってしまいました
      2023/06/05
    • マメムさん
      まーちゃんさん、お返事ありがとうございます。

      確かに政木のキャラが一気に変わりましたよね。最後まで(なんでよ?!)って心の中でツッコミまし...
      まーちゃんさん、お返事ありがとうございます。

      確かに政木のキャラが一気に変わりましたよね。最後まで(なんでよ?!)って心の中でツッコミました(笑)
      2023/06/06
  • 前作【老虎残夢】から設定を大きく変わり、宇宙が舞台のミステリー小説です!まずそのチャレンジ精神に拍手です!

    作品も宇宙が舞台のSF小説は多くあるが、ミステリー小説ではあまり無いので楽しみでした!

    内容もSF苦手な方でも楽しめますし、キャラクターも魅力的でオススメです!

    作者桃野雑派の次回作にも期待です!!

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著者プロフィール

1980年、京都府生まれ。帝塚山大学大学院法政策研究科世界経済法制専攻修了。南宋を舞台にした武侠小説『老虎残夢』で第67回江戸川乱歩賞を受賞し、デビュー。筆名は、敬愛するアメリカの伝説的ギタリスト、フランク・ザッパからとった。

「2023年 『星くずの殺人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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