虚構推理(18) (講談社コミックス月刊マガジン)

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  • Amazon.co.jp ・マンガ
  • / ISBN・EAN: 9784065294666

作品紹介・あらすじ

怪異達の知恵の神になった少女と、怪異にさえ恐れられる男が、怪異に挑む[恋愛×伝奇×ミステリ]!!  “怪異”の知恵の神になった少女・岩永琴子が一目惚れした相手・桜川九郎は、“怪異”にさえ恐れられる男だった!?  2人に振りかかる奇想天外な事件と、その恋の行方は――!?

白倉半兵衛と雪女はいかにして出会い、いかにして死んだのか。岩永琴子が用意したのは一つの“嘘”と、一つの“真実”だった――【幻の秘剣を巡る江戸剣客ミステリ「雪女を斬る」、終幕まで一挙収録!!】

感想・レビュー・書評

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  • 幻の秘剣を巡る江戸剣客ミステリ「雪女を斬る」を終幕まで収録。白倉半兵衛と雪女の出会いと別れに隠された真相とは?!真実を知りたい静也に提示されたのは一つの嘘と、一つの真実を語る推理だった。

    今回はミステリというよりも伝奇と剣客小説寄りの仕上がり。無偏流の使い手・半兵衛と雪女の殺陣は迫力がすさまじい。秘剣『しずり雪』を会得したいと願う半兵衛の思い、そこに重なるドラマが刃の音から死の肌触りまで伝わる絵によって切実になっている。達人同士の太刀さばきから、おぞましいほどの太刀筋まで表現力がえげつない。いわゆる動きのない推理ものに動きをつけるのが上手いとは思ってたけど、アクションを描かせたらこうなるよねって迫真の描写が見事だった。

    己のルーツを知りたかった静也。彼に提示された二つの解。残酷ながら現実的に説明がつく虚構と、現実とは信じがたいが美しくも切ない真実。それらが琴子から真逆の形で提示されるのが何とも皮肉。立場上は語れないことも、語らずに伝えたりして粋な計らい。現実のような虚構推理と、幻想のような真実という対比に加え、それをどう解釈するか委ねるところが余韻深い。

    重めの話が続いたので、次の短編エピソードでは一息つけそう。もうすぐ20巻台に突入ということで、物語としても動きがありそうかな?

  • 少し悲しいクライマックスでした。最近は自力で推理するのに疲れてただ読んでるだけでしたが、純粋に物語自体面白かったです。

  • 面白かった。両方ともの解釈を提示してみせるのは面白みがあってうまい。
    実際に起きたことを語ってみせる流れも非常に絵が美しいこともあって面白かった。

  • シリーズ随一と言っていい程に虚構要素が少ない巻。けど著者が後書きで述べているようにあの有名なホームズシリーズだって推理パートが終わった後は犯人の冒険譚が語られたりするのだから、有りっちゃ有りなのか

    そもそも『雪女を斬る』において最も重視されていた点は真実の解明でも隠匿でもなく、現代を生きる静也に自身を呪われた身の上でないと実感させること
    なら虚構のような過去の物語の上に彼だけの真実を築かなければならない。それは他人にとっては虚構のようであろうと彼が最も必要とする物語となる
    だから真実が残酷でない今回の場合は真実そのものが語られる流れになると…


    語られるは白倉半兵衛と雪女の長くけれど短いひと月の関わり。二人が紡いだ「雪女を斬った」という虚構の上に無偏流の極意は築かれているのだけど、一方で半兵衛が語る事がなかった真実、雪女への慕情が白倉半兵衛を壊してしまうとは哀しい話…

    人と妖怪が織り成した哀しい恋物語。けれど無偏流に呪われた要素など無く、ましてや今を生きる静也に怪異と直面させる理由も無い
    珍しく琴子が依頼人を騙すこと無く、また遺恨の残らない形で終えたこのエピソード。それだけに爽快感の有る締め方になっていたね

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著者プロフィール

【片瀬茶柴(かたせ・ちゃしば)】
本作にてデビュー。

「2021年 『虚構推理(15)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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