- Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065298602
作品紹介・あらすじ
第62回メフィスト賞受賞!
法廷を舞台にした、衝撃と感動の傑作ミステリー
法曹の道を目指してロースクールに通う、久我清義と織本美鈴。
二人の過去を告発する差出人不明の手紙をきっかけに不可解な事件が続く。
清義が相談を持ち掛けたのは、異端の天才ロースクール生・結城馨。
真相を追う三人だったが、それぞれの道は思わぬ方向に分岐して――?
感想・レビュー・書評
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会社の方からご紹介頂いた本。
映画のCMも目にしたことがあったので気になっていた作品。
法曹の道を目指してロースクールに通う、久我清義と織本美鈴。
二人の過去を告発する差出人不明の手紙をきっかけに不可解な事件が続く。
清義が相談を持ち掛けたのは、異端の天才ロースクール生・結城馨。
真相を追う三人だったが、それぞれの道は思わぬ方向に分岐して――?
物語が進むに連れて明らかになってくる事実。
単なる人物紹介だと思っていた事柄の一つ一つが終点へと繋がっていく。
法廷遊戯という題名だけあって、難しい用語も多く、法廷の場面も多い。
中山七里先生の悪徳弁護士を読んでいたからか?その辺はさほど苦痛てはなかった。
この作家さん、滅茶苦茶頭いいなぁって思って読み終わると、作家さん、司法試験に合格してるとか。。。
すごっ。只者じゃないわけだ!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
仕事が忙しい上に体調まで悪くなって本を読むのも感想を書くのも滞る。
少し良くなったので、薄れてしまわない内にエキスだけでもと書き留める。
底辺のロースクールに通う清義と美鈴に、既に司法試験に受かりながら在学する秀才の同級生・馨、3人の物語。
最初から最後まで、繊細で論理的、緊張感が張りつめた話が進む。
学生たちのお遊びだった「無辜ゲーム」がエスカレートし次々と起こる事件が薄気味悪く、次々と明らかになる過去の出来事がいちいち衝撃的。
終盤の法廷劇は、同害報復、再審請求、公訴時効といった法の考え方や仕組みに沿って、散りばめられた様々なピースが完成形に向けて組み立てられていき、最後まで理詰めで、それ故に起こる二転三転がこちらの予断を上回る。
同じ施設で育ち互いを護ろうとした清義と美鈴の社会に対する見方が哀しい。
妻に愛想を尽かされ死んだことにさせられて墓まで建てられた権田の話が妙に記憶に残る。-
仕事が忙しいと体調悪くなりますよね。。。
大丈夫でしょうか。。。
そんな時は本も読めませんし、感想なんて書けませんよね。。。
...仕事が忙しいと体調悪くなりますよね。。。
大丈夫でしょうか。。。
そんな時は本も読めませんし、感想なんて書けませんよね。。。
お休みの日は、兎に角心と身体を休めてあげてくださいm(_ _)m
この本はそんな体調の時に読むには少し重めでしたね(^◇^;)
バカ笑いできるような本が、回復には良いのかもしれません。。。
お大事になさってくださいm(_ _)m2024/03/10 -
bmakiさん
わざわざお気遣いありがとうございます。
いつもレビュー読ませていただいています。いいねもありがとうございます。
...bmakiさん
わざわざお気遣いありがとうございます。
いつもレビュー読ませていただいています。いいねもありがとうございます。
風邪に花粉にでちょっと大変でしたが、土日休んだのでなんとかなりました。
ただ、本はあまり読む気になれずで、調子が戻ってから、読書のペースも戻したいと思います。2024/03/11
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無罪ー犯罪の証明がないこと
冤罪ー無実であるのに犯罪者として扱われること
無辜ー罪のないこと
語義は、似ているけれど、全く別物であることに、今まで無関心だったかもしれない。
審判者の青年が仕掛けた模擬法廷での無辜ゲーム。
そのゲームの最終目標は、父親の無実の立証。
主人公の二人の生い立ちからストーリーはなんとなく予測できるけど、ゲームを仕掛けた青年のそこまでに至る悲壮感と周到さが痛みがあって良かったです。
無辜について周知させる筋書きに加えて、ハムラビ法典の“目には目を”の同害復讐法について、過度の復讐を避ける温情的な意味合いの刑罰という一説の興味的でした。 -
結末を迎え、重暗い空気ながら、澄んだ気持ちになりました。
著者が弁護士ということで、裁判に関しては丁寧に描かれており、難しい内容でありながら、理解しやすかったです。
ミステリーとしても、終盤に畳み掛けてくる展開には圧巻でした。
法律の言葉の意味や考え方に興味を持ちました。
例えば「無罪推定の原則」。これは、「何人も、有罪と宣告されるまでは無罪と推定される。」という考え。
殺人事件のニュースで逮捕された人をみると、「あっ、犯人。」と思ってるいるのですが、厳密にいうと、まだ無罪の人なんですね。これ以外にも法律に関する言葉が沢山出てきて、好奇心がそそられました。
ミステリー小説で花が登場すると、花言葉を調べるようにしています。それが、物語のキーになる事が多々あるので。本作でもある花が登場します。作中でその花の花言葉について触れられる事はないのですが、物語を読み終えると、花言葉が物語の根幹にあることに気づかされます。 -
無辜(むこ)とは、何らの罪も犯していない人を意味する
人が人を裁くルール作りは難しい
よく事実と真実は違うとあるが、無辜は如何!?
法定用語で教養になったが、これはミステリーなのか?
変化球の裁きでなく直球で裁けばよいのになと言う感想
うーん難しい
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精緻に練られた物語で、法的な仕組みを理解した後に、その意味に気づいて、感情を揺さぶられるという読書体験でした。
実は表紙の絵がちょっと不気味で、なかなか手に取る気にならなかったのですが、もっと早く手に取るべきでした。
過去の罪の記憶を共にする男女が、恋愛とは違う深い結びつきを持ちながら、しぶとく生き抜いてきた。その先の意外な巡り合わせの中に込められた死者の思いを各々が受け止め、自らの罪に向き合う。受け止め方の違いによる結末が切ないです。 -
映画化と話題になっていたので
模擬法廷をゲーム感覚で開催し法律家を目指す学生達。その後実際の事件の弁護士、被告人、被害者となるお話ですが、施設で育った清義と美鈴、秀才の馨が中心。
いくら恵まれない環境で育ったとはいえ、詐欺でお金を稼ぎ、冤罪の罪をきせ、死に追いやっていたこと。それで普通に学校行って、法律勉強して、弁護士なるなんてその神経が考えられない。清義と美鈴は自覚のない本当の悪人と思う。理由はともあれ先生を刺したこともあるそうやし…
そした最後に罪を償い美談にするところ、きっと映画では泣けるような演出にするんだろうなぁ、、、本当にちゃんと読んで映像化を決めてるのか疑問に思う。
あと美鈴が杉咲花ちゃんでは、なんか違うかな?杉咲花ちゃんに痴漢はイメージ湧かない。
ビビって人に罪を押しつけた事件を、数年後いい感じにする話。 -
法律に疎い私でもするりとストーリーが入ってきたうえ、ストーリー展開がとても面白い作品でした。
本作は第1章と第2章からなるミステリー作品であり、その舞台はロースクールや実際の裁判所。文字を追っているだけで裁判のやり取りが聞こえてくるようなスムーズな文体であるとともに、状況が2転3転していくストーリー展開で読みやすさがありました。
個人的にはどうしてこのキャラクターはこの場面で、こういう行動を取ったのだろうと疑問に思った箇所もあり、少し共感出来ない感じは残りました。