青野くんに触りたいから死にたい(10) (アフタヌーンKC)

著者 :
  • 講談社
4.56
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本棚登録 : 190
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065302590

作品紹介・あらすじ

生者と死者。
断絶した世界のふたりが、手を伸ばし合う。
切なくて怖くて愛おしくて、心がぐちゃぐちゃにされて、でも読まずにいられない…。
話題騒然! 今いちばん面白い、唯一無二のホラーラブストーリー。

文化祭の舞台上で青野の霊を呼び、優里を生け贄として捧げる儀式
「夫婦石の涙」を企む内田と文化祭実行委員たち。
内田の呼びかけに応じ、観客たちの前に黒青野が現れた…!
ついに、青野、母親・瞳、弟・鉄平…3人の過去が明らかになる。

優里は、命を捧げずに青野と生きられるのか。
最終章「受肉編」は、胸かき乱される展開へ!!

感想・レビュー・書評

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  • 後半、青野くんとそのお母さんの過去にフォーカスされる巻。
    夫を亡くし、職場に馴染めないシンママの瞳。彼女持ちの男から狙われるがそれすらまともに拒めないのを見て、拠り所がないのかなと思った。
    龍平への「男の人にならないでね」「男の人は康一さんだけ」という発言、何度も自分に向かってくる鉄平を遠ざける様子から男性を嫌悪しているように見えるが、そんな瞳自身、男性と不倫をしているという事実…

    生前の康一がどんな人間なのか分からないのでまだ何とも言えないが、瞳の康一への執着ぶりが優里が青野くんに向ける盲目的なそれと似たものを感じた。
    作中何度も優里と瞳を重ねる描写が出てくるが、二人は根っこのところでよく似ていたのではないだろうか。
    青野くんは自分の母とよく似た女の子と付き合うことに何を思っていたのだろう……。

    青野くんの死因が自死だということが初めてはっきりと断言された巻でもあったが、この過去を踏まえて見ると青野くんがどうして命を絶ったのか、色々と想像できる。
    ますます目が離せない展開になってきたと思う。

  • 青野母の心の弱さがリアル過ぎて、辛い…。
    幼い子どもが2人いるのに、青野父が死んでしまったのに、どちら側の両親にも頼れないあたり…青野父への依存が強過ぎるところとか…。
    察します…。
    不遇の連鎖を断ち切れなかったんですね。
    ひたすら痛いです。

  • 「青野くんは 自殺したの…?
    青野くんの お母さんみたいに…」
    「そうだよ」

    なんとなくそんな気がしていた。青野の母が自殺したと聞いた時に、明らかに問題のある家庭で生まれ育ったのだと確信したから。
    8巻の最後に鉄平がぼそっと言っていたが、まさか青野本人が自身の死因について断言するとは思っていなかった。
    作者ははじめからこの展開を考えていただろうか。どこか行き当たりばったりに見せながらロジカルで計算し尽くされた恐ろしさがある。展開どころか次の頁の登場人物の台詞さえ、まったく想像させない。

    回想のシーンでは『子宮に沈める』を思い出した。最初は部屋が片付いているのだ。旦那に先立たれ、突然シングルマザーになってしまい、生きるために働くも仕事もうまくいかない、誰も助けてくれず、子どもにも強く当たるようになる、というよくあるパターン。さらに職場の男性に言い寄られ、断りきれず関係を持つようになり、そんな自分や男性への嫌悪感からさらに虐待がエスカレートしていくという地獄の悪循環。兄弟の中で幼く手が掛かった鉄平のほうがいわば生贄のような存在に成り果てていた。
    青野はアダルトチルドレンだったのか。それを踏まえると、「だってどんなふうにしたら人が傷つくかよくわかってるから優しくできるんじゃないの?優しい奴ほど人を傷つける方法をたくさん知ってるんだよ」という台詞の真意も少しだけ見えてくる。

    優里が青野の母となり経験し直す形で回想を見ていく構図になっているが、表紙と裏表紙のイラストを見てもなんとなく、青野の母と優里の姿は重なる部分が多い。見た目もさながら、他に何の希望も持たず一人の男性に依存して盲目的に愛し続けているところが、苦しいほどにそっくりなのだった。
    青野はなぜ、自殺したのだろう。愛しい人を失った母の姿を見ていたはずなのに。自分が死ぬことで優里が母のようになってしまうリスクを抱えながら。自殺するならなぜ、優里と付き合ったのだろう。なぜ、少しでも彼女に幸せを提供したのだろう。
    考えもしなかった。青野の死が衝動的なものではなく、優里と付き合った時点ですでに決めていたことだとしたなら、なんて残酷なのだろう。ゾッとしてしまった。この恋は本当に最初から絶望が約束されていたのかもしれない。

  • 辛い。
    辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い。

    頼むからみんな幸せになってくれ〜という気持ちと、もう青野くんは死んでいるから決して皆が幸せになることはないという事実と、どれだけ辛い展開になってもものすごく面白いからこの漫画はいつまでもいつまでも続いてくれ、という気持ち。

  • 全てのコマに意味がある気がして何回もページを往復してしまう。続き気になる!!

  • 今までチラチラとしか見えていなかった青野母満載の巻。
    鉄平を閉じ込めたい気持ちが分かるとパートナーの友達が言っていたという話を聞いて、結構共感する気持ちなのかもしれないと感じた。

    希美ちゃんのシャーマン然り、
    町の歴史と血筋による役割という部分にもフォーカスが当たってきた。

    「わたし、藤本くんのものになっちゃおうかなあ」の時の優里の顔が好き。

  • なんとかならんのか。つらい!

    • あじフライさん
      なんとかなってほしいよ。
      お金を出してつらさを味わったけど、また次もお金を出すのだ。
      なんとかなってほしいよ。
      お金を出してつらさを味わったけど、また次もお金を出すのだ。
      2023/01/26
    • hiroshimamarshさん
      御意!
      御意!
      2023/01/26
  • とても辛い。電子だから、最後にカバー裏表紙と表表紙が並んでてああ〜〜……となった。

  • 1/23→1/25

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著者プロフィール

2014年『ボインちゃん』で「アフタヌーン四季賞2014 秋のコンテスト」四季賞受賞。
読み切り『セーラー服を燃やして』『崖際のワルツ』を発表(「good!アフタヌーン」2016年1号、2号に掲載)。
2016年12月より「アフタヌーン」で『青野くんに触りたいから死にたい』を連載開始。

「2023年 『青野くんに触りたいから死にたい(10)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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