はじめてのクラシック音楽 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065308660

作品紹介・あらすじ

どうぞこの本を手に取って、クラシックの世界の中へと踏み込んでみてください。先は急がなくてもいいのです。ゆるゆると散策するつもりで。飛ばし読みでも大丈夫です。そして、気になる作曲家、作品、演奏家がいたら、聴いてみてください。そして、「あなたの美」を見つけてください。
クラシックは縦横の線だか表のようなものだと思ってください。縦線は作曲家や作品、横線は演奏家です。作曲家がいなければ、音楽は生まれません。しかし、演奏家がいなければ、現実の音として聞こえてきません。作曲家と演奏家の絡み合いにこそが、クラシックの楽しさであり、ややこしさであります。どちらに興味をひかれてもいいので、おもしろそうだと思ったら聴いてみる、ただそれだけを考えればいいのです。
(「はじめに」より)

感想・レビュー・書評

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  • 最近、住んでいる近くでクラシック音楽のコンサートを聴く機会がたくさんあり、大変ハマってしまった。

    初めは、平野啓一郎の『マチネの終わりに』の最初のほうを読んだところから。クラシックギターのアランフェス協奏曲などを聴き始めた。クラシックギターの曲の多くはスペイン発祥なのも、スペイン語を勉強している私に影響していると思う。

    そして、今月初旬に聴いたヴァイオリンソナタや、今月末にはチェロソナタを聴きに行く予定だ。

    本についてだが、この本は確かに入門書だった。出てくる曲たちを音楽ストローミングサービスで聴きながら読み進めると面白かった。その反対に、本なので体系的にクラシック音楽を学べたのが良かった。やっと曲の題名や順番を理解できた。

  • クラシック初心者のために、著者が遠慮のない文章でそれを解説していく。
    前半はクラシックの歴史や基礎知識が述べられ、後半に時代ごとの辞典という構成だ。初心者に特に参考になるのが後半だろう。紹介されている曲をyoutubeやサブスクで調べながら読み進めれば、聴いたことがある曲がたくさん出てきて多くの発見ができるだろう。
    個人的な注文として、「〜短調」の意味も記載していただけるとよかった。オペラ編もあるようなので、いずれそちらも読むつもりである。

  • これ読んでヴィヴァルディの四季をちゃんとコンサートホールに聴きに行きたいと思った。

    社会主義や共産主義は芸術が潰される。ハンガリーに数年共産党に支配された社会主義時代の建築が今も残ってて、オウム真理教のサティアンみたいな美的要素の無い殺風景で箱みたいな建築がある。

    これカルメン=パパ活女子、ホセ=パパと考えると、現代にも息づく物語なんだね。古典文学の普遍性は半端ないね。

    ヴィヴァルディ 四季
    メンデルスゾーン フィンガルの洞窟
    ブラームス
    グフタスマーラー
    スメタナ モルダウ
    ムソルグスキー
    セルゲイ・プロコフィエフ
    ジョルジュビゼー カルメン
    武満徹 弦楽のためのレクイエム

    許光俊(きょ みつとし)
    1965年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部美学美術史学科卒業。東京都立大学修士課程人文科学研究科修了。同博士課程中退。横浜国立大学教育人間科学部マルチメディア文化課程を経て現在、慶應義塾大学法学部教授。近代の、文芸を含む諸芸術と芸術批評を専門としている。 コロナ以前には頻繁にヨーロッパを訪れ、現地でのコンサート体験は数知れず。日本有数の海外コンサート通として知られる。『邪悪な文学誌 監禁・恐怖・エロスの遊戯』(青弓社 )、『オペラに連れてって! お気楽極楽オペラ入門』(青弓社、のちポプラ文庫)、『クラシック批評という運命』(青弓社)、『世界最高のクラシック、『世界最高のピアニスト』(ともに光文社新書)、『最高に贅沢なクラシック』『オペラ入門』(ともに講談社現代新書)、『昭和のドラマトゥルギー 戦後期昭和の時代精神』、『クラシック魔の遊戯あるいは標題音楽の現象学』(ともに講談社選書メチエ )など多数の著書がある。

  • クラシック音楽の入門として最適。堅苦しくなく難しくもなく読みやすい。作曲家や演奏者についても、好事家への目配せもありつつ、ほどよくライトな感じで好印象。

  • 取り上げない名前に個性が出てる。

    テレマン、コレッリ
    ワルター、トスカニーニ、クレンペラー
    ベーム、ヴァント
    ジュリーニ、アバド、シノーポリ、シャイー
    ギレリス、ブレンデル、アシュケナージ
    シェリング、グリュミオー
    クレーメル

    逆に、作曲家をリュリとラモーで始める当たりが「歴史観」なのかな。

  • ●バロック音楽以降、さらには1685年生まれのバッハあたりから後の音楽。そして第一次世界大戦の始まる前の1910年代までがほとんど。
    ●バロック音楽は、喜怒哀楽が明快で、メロディーがあって、伴奏がある音楽。ビバルディの四季など。
    ● CDを手にすれば、その感触を見、デザイン、さらにはそれをどこで買ったか、どんな状況だったか、誰と一緒だったか、そういうことが全部ひっくるめて記憶にインプットされます。音楽を聴く事は、人生の1部であり、決して耳からの情報だけの問題ではありません。
    ●オーケストラのコンサートホールは、定員が2000人位の広さです。電気を使わず、一番小さな音から爆発的な大きな音まで、生の音で堪能してもらうためには、これくらいが限界なのです。
    ●ホールの残響の基準は2秒程度。ピアノや歌はもうちょっと短めの方が良い。

  • この手の本は何度か読んだが、そんなにはまらず現在に至る。一方、クラシック好きは身近にいて楽しそうだし、興味はある。そんな恒にあって満たされないニーズで読んでみた。きっかけは書評。

    はじめに、おわりに、に本書の特徴が凝視されている。入門書や魅力を説く内容でなく、俯瞰的にクラシックをとらえて、面白さがわかるようなコンパスのような内容を目指したとのこと。クラシックでない、釣りの著者の体験が紹介されており、コツをつかめば沼にはまるという例えはその後の内容を読み方につながった。

    曲の種類から作曲家、楽器、演奏者の概説、おすすめ曲、世間一般の評価と著者の評価と、客観的つつ、著者の言葉も感じられる。

    クラシック音楽だけでなく、西洋絵画も教会や歴史を理解しなければ、深く味わえないという内容からも、今までのとっつきにくさの理由がクリアになった。

    本書では、音楽を聴いたときの表現法がいろいろとあり、それが斬新で刺激的だった。食事の表現と同じように、わかると価値観も広がると思う。

  • 東2法経図・6F開架:B1/2/2693/K

  • クラシックだけでしょうね、こうした入門書があるのは。
    ロックでも名盤シリーズみたいなのはあるけど、「はじめてのロック」」とか「はじめてのジャズ」はないよね。
    そんなに聴いてもらえないものなのかなぁ。普段耳にはしているでしょうに。ところで本書だけど、著者の「毒」が結構効いてる。ボクにはいやらしかったな。ちょっと「上から目線」すぎるよ。

  • 【蔵書検索詳細へのリンク】*所在・請求記号はこちらから確認できます
     https://opac.hama-med.ac.jp/opac/volume/468017

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著者プロフィール

1965年、東京都生まれ。慶應義塾大学教授。著書に『クラシックがしみる!』『問答無用のクラシック』『コンヴィチュニー、オペラを超えるオペラ』『オレのクラシック』『クラシック批評という運命』(いずれも青弓社)、『クラシック魔の遊戯あるいは標題音楽の現象学』(講談社)、『世界最高のピアニスト』『生きていくためのクラシック』(ともに光文社)、『痛快!クラシックの新常識』(リットーミュージック)、『これからを生き抜くために大学時代にすべきこと』(ポプラ社)、編著に『クラシック知性主義』『絶対!クラシックのキモ』(ともに青弓社)、共編著に『クラシック・スナイパー』シリーズ、『クラシック反入門』(ともに青弓社)、共著に『クラシックCD名盤バトル』(洋泉社)など。

「2016年 『クラシックの秘宝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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