江戸の岡場所 非合法<隠売女>の世界 (星海社新書)

著者 :
  • 星海社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065312810

作品紹介・あらすじ

江戸市中に数十箇所を数えた非合法私娼街「岡場所」に蠢く下級遊女たちの実像とは? 江戸遊女研究の第一人者が詳述する江戸裏面史。

感想・レビュー・書評

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  • 文字通り江戸時代の岡場所─吉原ではない非合法な私娼街について膨大な資料を基にその実際と暮らしを描く。岡場所の女性たちの息づかいが聞こえてきそうな、そんな気がする本であった。

  • 江戸といえばの代名詞の一つ、花街。

    吉原が圧倒的に有名だが、その影に深川をはじめとした私娼地・岡場所や反公認の遊廓・内藤新宿があった。

    公的庇護のない、いわば雑草魂のような根強さと自由さとでのさばった岡場所に焦点をあてながら、当時の性産業、吉原のように体裁が整えられたものではなく、泥臭さの残るより庶民の実情に絡んだ業界の様子がどのようなものだったのかに迫る。

    合わせて、史資料から幕府や民衆のセックスワーカーに対する態度、そこから醸成された倫理観がどのようなもので、それらがどう明治へと繋がっていったのかへの考察も行っている。

    なかなか重厚で面白かった

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著者プロフィール

1944年北海道函館市生まれ。立教大学名誉教授。72年横浜市立横浜商業高等学校定時制教諭を皮切りに武蔵中・高等学校、梅光女学院大学(現在梅光大学)、立教大学で教鞭をとった。2010年立教新座中学校・高等学校校長、2015年自由学園最高学部学部長を務めた。主な著書に『新日本古典文学大系74仮名草子集』(共著、岩波書店)、『江戸遊里盛衰記』(講談社現代新書)、『近世大名文芸圏研究』(八木書店)、『新編色道大鏡』(共編、八木書店)、『江戸遊女紀聞』『江戸遊里の記憶』(以上、ゆまに書房)、『時に海を見よ』(双葉文庫)がある。近刊に『生きるために本当に大切なこと』(角川文庫)他がある。

「2023年 『江戸の岡場所 非合法<隠売女>の世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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