- Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065329740
作品紹介・あらすじ
一族の掟で、14歳の一年間、日本で隠遁生活をおくることになった天狗の末裔の少年・オン。愛層がなく初対面ではとっつきにくかった兄・基が、日々の暮らし同様、自分を大切にしてくれていることを理解して二人の関係は続いてゆく。水が温み、花が咲き、基がこよなく愛する日々の季節は春へと移り変わる。基の手が丁寧に作り出す、山菜のケーク・サレやイチゴとミルクのアイスクリームはNY育ちのオンの想像を超えてくる美味しさ。目で楽しみ、手を動かし、お腹が喜ぶ、天狗の兄弟の生活・春編です。
感想・レビュー・書評
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ドラマ化を聞いた時には嬉しかった。こう言ってはナンだが、相てんてーの作品で今のところ1番一般大衆の耳目に触れた作品じゃないだろうか。ITANで『りんご〜』を描いてた頃から、他短編→武蔵→リンボ→本作...と追ってきている自分としてはメディアミックス化は遅すぎるくらいなんだよなぁ。
天狗の末裔の兄弟の、ただのほのぼのファンタジック農村ライフじゃあないですよ。
伝承や風習風俗、四季の変化と現代的な価値観、巧みに織り交ぜながら食という営みを上手く物語の軸に据えて描いている。
『千年万年りんごの子』の頃からそうだが、民俗的題材を土台にするのがとても上手い。
題材を十分に研究され、練ってあるのに余計な書き込みはない。それでいて自然など背景の精緻な手書き描写は温かくとても良い。
今作の天狗の末裔たちの、自然や人々との関わり方からも、手間を惜しまない面倒くさがらない丁寧な生活をしないとな、と思わされる。
なんだろなこう、ゆっくり読める。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
3巻も美味しそうだし、兄弟はいちゃいちゃしてるし、何なら親子でもいちゃいちゃしてるで、幸福な時間が続いているけれど物語も作中時間も着実に進んでいるなぁ。どうなるんだろう。