天狗の台所(3) (アフタヌーンKC)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 110
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065329740

作品紹介・あらすじ

一族の掟で、14歳の一年間、日本で隠遁生活をおくることになった天狗の末裔の少年・オン。愛層がなく初対面ではとっつきにくかった兄・基が、日々の暮らし同様、自分を大切にしてくれていることを理解して二人の関係は続いてゆく。水が温み、花が咲き、基がこよなく愛する日々の季節は春へと移り変わる。基の手が丁寧に作り出す、山菜のケーク・サレやイチゴとミルクのアイスクリームはNY育ちのオンの想像を超えてくる美味しさ。目で楽しみ、手を動かし、お腹が喜ぶ、天狗の兄弟の生活・春編です。

感想・レビュー・書評

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  • ドラマ化を聞いた時には嬉しかった。こう言ってはナンだが、相てんてーの作品で今のところ1番一般大衆の耳目に触れた作品じゃないだろうか。ITANで『りんご〜』を描いてた頃から、他短編→武蔵→リンボ→本作...と追ってきている自分としてはメディアミックス化は遅すぎるくらいなんだよなぁ。

    天狗の末裔の兄弟の、ただのほのぼのファンタジック農村ライフじゃあないですよ。
    伝承や風習風俗、四季の変化と現代的な価値観、巧みに織り交ぜながら食という営みを上手く物語の軸に据えて描いている。
    『千年万年りんごの子』の頃からそうだが、民俗的題材を土台にするのがとても上手い。
    題材を十分に研究され、練ってあるのに余計な書き込みはない。それでいて自然など背景の精緻な手書き描写は温かくとても良い。

    今作の天狗の末裔たちの、自然や人々との関わり方からも、手間を惜しまない面倒くさがらない丁寧な生活をしないとな、と思わされる。

    なんだろなこう、ゆっくり読める。

  • 3巻も美味しそうだし、兄弟はいちゃいちゃしてるし、何なら親子でもいちゃいちゃしてるで、幸福な時間が続いているけれど物語も作中時間も着実に進んでいるなぁ。どうなるんだろう。

  • 兄弟がサブに回って有意がメインになる回があるが、確かに有意も天狗の末裔だし隠遁生活経験あり&手伝いにちょくちょく来るしで料理もできるだろうから、メインキャラが入れ変わっても『天狗の台所』のままだな。(最初はドラマのキャスト順で有意がオンより出張ってるから、その辺の意識差を埋めるためかと思ったけど)有意をメインに据えることで、兄弟が他の人からはどう見えているのかわかるのがよかった。たまに入るといい効果かも。

    「この前のお花見」とか「さっき見せてもらった」とか「昨日言ってた」とか、台詞だけでそのシーンが直接描かれてないやつ、読者には本当に《生活の一部》しか見せてないんだなという感じがした。
    →お花見は巻末の番外編のことのよう。それなら時系列順に載せたほうがわかりやすかったような。

    1年の3/4が過ぎ、隠遁生活終了まであと少しとなった。オンに羽は生えるのか、誕生日を過ぎたらどうするのか、先が気になるところ。
    ところで、お父さんは外国の人だったの?

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著者プロフィール

たなかあい/三重県生まれ。 漫画家。 『千年万年りんごの子』で第16回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞受賞。 そのほかの作品に、 短編集『地上はポケットの中の庭』、 長編『LIMBO THE KING』『その娘、 武蔵』(すべて講談社)などがある。

「2021年 『怪奇漢方桃印 なかなかやばいの 違反解除湯』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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