老虎残夢 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065342787

感想・レビュー・書評

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  • 桃野雑派『老虎残夢』講談社文庫。

    第67回江戸川乱歩賞受賞作。

    南宋時代の中国を舞台にした一種のクローズドサークル・ミステリーであるが、個人的には苦手な同性愛で味付けされているのが気に食わないなと思ったのだが、同性愛には重要な意味があったのだ。

    まさかの壮大な展開に驚愕の結末。練りに練られた素晴らしいミステリーだ。


    八仙島の湖に浮かぶ孤島で八仙楼という名の道場を開く『碧眼飛虎』と呼ばれる武術の達人・梁泰隆は23歳の蒼紫苑を一番弟子に取り、家族を惨殺された17歳になる恋華を養女にして暮らしていた。紫苑と恋華と女性同士ながら互いに惹かれ合い、師父の娘と弟子との禁断の恋と知りながら、泰隆には内緒で愛し合っていた。

    ある日、泰隆は紫苑に島の外から3人の武俠を呼び、その中の1人にだけ奥義を授けると告げる。泰隆の元で18年間に亘り修行を積んだ紫苑が奥義を授かる資格が無いのには、ある理由があった。

    さっそく、海幇の文和、女性事業家の祥纏、僧侶の為問という泰隆と縁のある3人の武俠が八仙島に来て、雪の夜に屋敷の中で宴会が開かれる。3人の武俠と紫苑、恋華はそのまま屋敷に泊まり、泰隆だけが軽功という技で湖面を渡りながら、孤島にある八仙楼に帰る。

    翌朝、唯一の船が八仙楼側にあることを不思議に思いながら、紫苑と3人の武俠が八仙楼を訪ねていくと、泰隆は毒を盛られ、腹を匕首で刺されて死んでいた。

    一体誰が孤島の中で武術の達人である泰隆に毒を盛り、匕首で刺し殺したのか。泰隆が伝えようとした奥義の正体とは。

    定価869円
    ★★★★★

  • 江戸川乱歩賞受賞作!
    その名に恥じない作品でした!!

    特殊設定ミステリー之新たな挑戦!?

    武侠の要素を上手く取り入れた傑作!!

  • 密室×武侠×百合。
    登場人物の名前は読みづらいが人数が少ないので整理がしやすい。江戸川乱歩賞受賞作ということでデビュー作を読ませていただいたのだが、先が気になりぐんぐん読めた。
    特殊設定ミステリではあるものの、武侠物としての概念が特殊な設定になっているだけで、意外とすんなり世界観に馴染める。
    物語の舞台となる宋という時代や敵国の金国など、あまり知らないことを学ぶきっかけになったし、何より面白かったので、次作も期待している。

  • 同じ作者の「星くずの殺人」が面白かったので、デビュー作である本作も読みました。
    特殊設定のクローズドサークルのミステリです。
    中国の南宋時代の武侠たちという主要人物の設定が、かなり特殊なのです。
    武侠というのは、超人的な武術の達人です。
    徐々に登場人物達の事件の動機に繫がりそうな背景事情が明らかになってくるので、中盤からは目が離せない展開になります。
    ちょっと変わったタイトルだと思って読み始めましたが、読み終えると、これほど的を射たタイトルはないと思いました。

  • 二つ名を持った江湖の住人達が飲み食いしたり気を放ったりする南宋武侠百合サスペンスだった。とても充実した。
    エピローグで国破れて百合あり、ってなる展開になるはずが南宋が豊か過ぎるせいでなかなか滅ばないのが面白かった

  • 百合要素が全てを破壊した。コイツはゴジラだぜ。

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著者プロフィール

1980年、京都府生まれ。帝塚山大学大学院法政策研究科世界経済法制専攻修了。南宋を舞台にした武侠小説『老虎残夢』で第67回江戸川乱歩賞を受賞し、デビュー。筆名は、敬愛するアメリカの伝説的ギタリスト、フランク・ザッパからとった。

「2023年 『星くずの殺人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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