一生使えるかぎ針あみと棒針あみの基本 (実用No.1シリーズ)

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  • 主婦の友社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784074340309

作品紹介・あらすじ

かぎ針あみと棒針あみ両方の基礎を丁寧に解説しています。あみ針と糸の選び方、糸だまから糸を引き出す方法、針の持ち方といった基礎の基礎から、目の作り方、あみ目記号の見方、模様あみや編みこみなど様々なあみ方、目の増し方、減らし方、糸の替え方、とじ方、はぎ方、糸始末の方法などの基本テクニックを、とてもわかりやすいリアルなプロセス写真で詳しく解説。あみ目記号は約100種類と豊富に掲載。さらに、マフラー、帽子、セーター、カーディガン、ボレロなど、ウエアや小もののあみ方も紹介しています。この1冊があれば、両方の手あみがマスターでき、さらに作品集のあみ方の確認などにも役立ち、もっと手あみが好きになります。手あみをするときの必携として長く重宝すること間違いなしです。

感想・レビュー・書評

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  • [江東区図書館]

    編み物上手のママに編み物を教わる!という友人にくっついてかぎ針編みをやってみようとなったので、訳が分からないなりによさげな本を探してきた中の一冊。

    編み物に関しては、友達に少しやり方を教えてもらい、目の掬い方(目かず数えや、針を通す目の位置)が全く分からないながらも「基本は二回掬い取る」ことがわかってからコースターもどきを作る過程で、平編みやら輪編みがあることなど、すこ~しづつ分かってくるにつれた現時点で使おうと決めたのは下記の三冊。

    ◎➀「誰も教えてくれなかった基礎のキソ かぎ針編み困ったときに開く本」
     松村忍&[hao] / 新星出版社
    ○②「親切すぎる徹底解説 一生使えるかぎ針あみと棒針あみの基本」
     ミカ※ユカ / 主婦の友社
    △③「かぎ針編みのすべてがわかる クロッシェ図鑑」
     サリー・ハーディング / 文化出版社

    編み物を始めて戸惑ったのは主に三点。糸をどう指にかけるか、どこを掬うかという「編み方(指)」と、輪編みや往復編み、それぞれの編み始めや作り目→1段目→2段目と進む流れなどの「編み進め方」、そして実際に編み始めて数える編み目の数や立ち上がり目の扱い、段の始めや終わりでの「進行状況の見極め」など。

    最初に全体像を理解したい自分としては、全くかぎ針編みの手法も流れも分からずに始めたこともあって、「作り目の仕方」だの、「編み始め(輪編みの場合)」などの名称でいきなり教えてくれるよりも、フロチャートでまず全体の流れを示したうえで、それぞれの段階について教えてほしかったけれど、生憎と今のところそのような説明の本は一冊もない。

    ただ、私見だけれどこの三冊の中で「全くの初心者」に使いやすいのは➀。各編み目の編み方については③。写真が大きく、さらにクロッシェ図鑑とうたうように、綺麗な模様編みや方眼編み模様の紹介など、初心者向けの他の2冊にはない、先々への広がりも見せてくれた。残念だったのは②。各所でいい面もあった反面、「初心者向け」とうたうには、やや編み始めなどの説明が分かりづらい上に、掲載写真の肝心な編み目部分が小さすぎて、写真掲載の意味があまりない。

    ■糸の種類や道具導入
    ③が一番種類も豊富で毛糸玉全体の写真を載せてくれている(P.10~)ので、初心者にも説明されている毛糸玉のイメージが着きやすい反面、そこまで多種類の情報はまだ必要ではないし、「編む」という作業に対しての特徴などを断定的に紹介している点で、②や➀の方が初心者向け。

    ■編み方(指)
    これは、どの本でも糸のかけ方の説明自体はさほど変わらなかったのだが、通常の糸のかけ方ではなぜかうまくいかず四苦八苦していた私にとって、Q&Aで他のやり方も紹介してくれた➀のP.14&P.21の存在は本当に助かった。自覚症状としては違ったものの中指が糸を押していたらしく、「糸がきつい≒目が小さくなる場合」のように、糸を中指の後ろを通すかけ方で左手が大分楽になった。最終的には自己流を覚悟していたが、最初から完全なアウトローにはなりたくなくてなんとか基本通りで、と努力している際には、教本で紹介されていると採用しやすい。

    ■1段目~作り目(鎖編み)から~の拾い方
    これは断然➀がわかり易かった。P.16の写真とイラストによる説明は一品。ともすると、この三種の掬い方がある説明がない本もあるし、すくい方自体の説明があっても、その仕上がり感や適応例の説明がない(②のP.12など)本が殆んどなので、ためになった。

    できれば➀のP.16に加えて、「通常は簡単なくさり目の半目に針を入れるのが多い」こと、けれども「本書➀では、楕円の編み時など理由がある場合はくさり目の半目と裏山、それ以外の場合は編みづらいけれども縁がきれいに仕上がるので裏山に針を入れる」の一言があると、他書と合わせて読み進めた場合、混乱せず(当初は本ごとに違うことに気づかず、分かったと思ったのにまた分からなくなったと悩んだり、本ごとにやり方が違うと気付いても、実は同じことを言っているのに自分が理解できていないのかと自分の理解を疑ったり)に良かった。

    ■2段目~作り目(鎖編み)以外から~の拾い方
    案外このことについてまとめて説明している本は少ない、というかこの三冊の中でこれだ!というものはなかった。実際2段目からというのは、実際の編み目(主に細編み、中長編み、長編みなど)紹介に突入してしまうため、その編み方の中で実際に説明されるだけのことが多い。けれども初心者は、「頭2つ」とか言われても、それが分かっていても分からなかったり、写真を見ても自分の毛糸では同じ網目が見つけられなかったりするものなんだーーーーー!!
    ②は特に、各編み方での説明時、肝心かなめの2段目の終わりでの針の入れ方の説明も殆んどないし、何より各写真の中の網目が小さすぎて写真が参考にならない。その点、基本の編み方について写真がもっとも大きく見やすいのは③だった。ただ後述するように編み方自体がやや一般的ではないので、やはりこの点でも一番役に立ち使いやすいのは➀だった。

    できれば➀のP.16での説明に加えて、②のように同ページ内で「作り目(鎖編み)以外の目から拾う(2段目以降の)場合」についても「通常は網み目上側に出来ている鎖網み目の頭2本の下に針を入れるのが多い」ことを説明しておいてほしかった。
    何しろ、本によっては頭2つを掬わず、どうみてもこちら側1本を掬っている写真などもあったりして、これも混乱する。(実際、②のP.12の説明からも、細編みでは半目1本かと思ってP.23で困惑した)更に追求すれば、頭半目の拾い方も、「こちら側」と「向こう側(≒畝編み/筋編み)」があり、それ自体が「編み方」になってしまっているから説明がまとまっていないのだろうが、③のP.59&P.60で半目の掬い方でもまた違いが出ること、向こう側を掬う場合は畝編みというらしいことを知り、②のP.30で畝編みを確認するも、その下の筋編みと説明が全く変わらないので理解しづらく、ようやく最後の4コマ&冒頭の「通常は輪編みで使われる」の文言にそうなのか?と思ったところを、最終的に➀のP.113で正しく理解出来た。

    更に、「段の最後で前段の立ち上がり目(の鎖目)から拾う際、通常は半目に針を入れる」こと、けれども「本書➀では、立ち上がり目に穴があかないよう、段の最後で前段の立ち上がり目(の鎖目)から拾う際には半目と裏山に入れる」の一言があると良かった。
    実際、立ち上がり目のところがボヨンと伸びて両サイドとも隔段ごとにボコボコして困っていた友人が、➀での説明通りの「半目+裏山」に針を入れて編みなおしてみると立ち上がり目の段もすっきりとして隔段ごとの違いが抑えられた。①のP.16にある通り、網目が伸びづらい編み方なので、楕円など両側から拾う際にいいと紹介されていたが、立ち上がりの目から拾うなど編み目を伸ばしたくない場合にも◎

    ■編み進め方(立ち上がり目や段の始まりと終わりについて)の説明
    これについては、断然➀!!!
    まずは「平編み(往復編み)」と「輪編み」があり、更に「輪編み」に「筒状編み」「円編み」があることを紹介してからそれぞれの編み方の説明に進むのでスムーズ。惜しむらくは、この種類説明についても樹形図的なものと、それぞれの編みに対して②のような、説明部分の編み図と仕上がり写真を示しておいてくれるとよりイメージしやすかった。そして折角大きな流れを説明してからそれぞれを紹介しているけれど、項目番号などがないので、一旦説明した流れの中の「どこ」を説明しているところなのか、見分けのつかない初心者には分かりづらくなることが多かった。
    その点②は、「リングやゴムをあみくるむ作り目(P.20)」が載っていたのは良かったけれど、それぞれの編み方がなぜ紹介されるのか、分類(輪編み→筒状/円編み)が理解しづらかった。

    それにたまたまブーツを作ろうとしていたので楕円編みを探したのだが、それに関する紹介は②にはなく、➀は要所ごとでの写真説明もあったのでその写真を頼りに段の終わりなどを理解できた。立ち上がり目による筋目と、一見同じ円編みでもらせん編みでは筋目が発生せず流れていくなどの説明が写真とともにされていたのも➀。

    そして比べ読みでやっと気づいたけれども、③は1段目の立ち上がり目を作る際に、細編みだけでなく他の編み方も端の台の目から編み始めているので、うかつに各編み方の説明を読んでしまうと他の本とやや説明が異なり、混乱する。特にP.55に紹介されている「針を最初に入れる鎖目の数」は、一見わかり易くてよいのだが、結果的に細編み以外は1目少ない数が提示されてしまっているのでこの数字で覚えてしまうと主流?他の本?と違って混乱したり間違えたりするかも。欧州(恐らく著者は英国人)ではこのやり方が主流なのかな?気を付けないと。

    ■その他
    作品を作り始めたら必要になるだろう細々とした技術については③が充実していた。糸端の始末(P.54)などは各編み方の終わりでも紹介されていたし、編み出し増目(P.106~)やはぎ方(P.117~)、ボタンのやスナップのつけ方など半分裁縫に関する仕上げ方(P.166~)なども。また、立体的な編み地(P.62~)で紹介された、「松編み
    (下を絞る)」→「玉編み(松編み×房編み)」→「房編み(上を絞る)」→「ポップコーン編み(松編み→引き抜き編みによる玉編みもどき)」の流れはわかり易い。
    ただ、➀や②でもとじはぎや色替え(糸替え)などの紹介はあったので、またそのあたりをメインで調べたいとなった時に読み比べしてみたい。

    束編みについての説明は、各書微妙だった。
    ある程度わかれば簡単な説明で分かるからかもしれないが、➀ではP.53で簡単な説明があり、拾い目(P.84&85)でも多少説明はあるものの、写真などでの説明はさほどナシ。②ではP.13に多少写真との説明があるものの、この本自体写真がさほど使い物にならないのと、冒頭の知識集的なところでの記述なので探さないと分からない感じで、③ではざっと見た限りではそれらしき説明は見つからず。

    ■理想の教科書■
    個人的に理想の教科書は、こんな感じかな。
    けれども実際には存在しないので、⑦と➀メイン、レッスン小物については④と⑤も参照する感じで使っていこう。

    ➀フローチャートや分類図などで、編む手順(作り目→1段目→2段目)や編み進め方の種類(平編み、輪編みなど)をより系統立てて一瞥説明してほしい。
    ②Lesson1までは⑦基本で。
    ③それ以降は➀の「かぎ針編みの編み進め方(P.28)以降のように。
    ④但し、糸紹介は③など、各書のポイントについては必要に応じてもう少し詳しく、わかり易く。

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