コレクション 戦争×文学 1 朝鮮戦争

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  • Amazon.co.jp ・本 (688ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784081570010

感想・レビュー・書評

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  • 全20巻、別冊あり。時間を作って、全巻読んでみたいと、今頃になって強く思う。今頃だからこそか。

  • 既に全20巻の刊行が完了してる『コレクション戦争×文学』シリーズの
    第1巻は、朝鮮戦争である。

    38度線で分断された朝鮮半島での戦争は、未だ「休戦」状態で戦争が
    終わったのではないんだよな。

    朝鮮戦争に関しては私の勉強不足もあるんだが、まとまった著作として
    はハルバースタム『コールデスト・ウィンター上・下』でどうにか概要を
    把握している程度だ。

    しかも日本の教科書では「朝鮮特需」と言う言葉でしか覚えた記憶が
    ない。お隣の半島の戦争で、日本の経済が潤ったってさ…。すいません。

    さて、本書。在日の韓国人・朝鮮人作家と、日本人作家がそれぞれに
    朝鮮戦争をテーマにした作品をまとめている。

    韓国人・朝鮮人の作家の作品には祖国と民族が分断された悲しみ
    や切なさが溢れている。

    そうだよな。日本の敗戦によって日本の支配下から解放されたのに、
    その祖国と民族がイデオロギーによって分断されてしまうのだもの。

    例えば敗戦後、旧ソ連が要求したように北海道が分割統治されて
    いたら、日本もお隣の半島のように分断されていたのかもしれない
    と考えてしまった。

    でも、実際に祖国が、民族が、家族が分断された人々の哀しみや
    怒りは当事者でなければ分からないのだろうな。しかも北の3代目
    政権は何をするか分からん危険をはらんでいるしね。半島の統一は、
    まだまだ実現できないのかな。

    尚、本書には松本清張の作品も収録されている。清張作品は結構
    読んでいるのだが、これは知らなかった。

    朝鮮戦争当時、小倉にあった米軍基地で黒人兵の大量脱走事件を
    題材にした作品だ。戦地に送られて死にたくなかったんだよね。

    きっとそれは今の前線の兵士もそうなのだろうけれど。

  • 当事者であるがために、怒りがにじみ出ているようなものもあれば、どこか冷めた目で見ているようなものもあった。

    しかし、すべて読み終えて感じたのは、
    日本人は忘れてしまった、ということだった。

  • 松本清張著『黒地の絵』は小倉市で実際に起きた出来事を素材にして、米軍キャンプから脱走した黒人兵が民家を襲う事件を描いている。同じ事件が佐木隆三著『奇跡の市』でも取り上げられている。朝鮮戦争により日本では特需で戦後復興の足掛かりとなったのだが、いっぽうではこのような悲劇に遭遇した人々がいたのだ。『奇跡の市』では、まだまだ貧しい日本で、その日を精一杯生きる人々が活き活きと描かれ、特に子供たちの逞しさに自分の子供のころの大胆な行動が蘇った。いまの子供たちは私の目から見ると、まるで無菌室のなかで育っているようだ。

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