- Amazon.co.jp ・本 (784ページ)
- / ISBN・EAN: 9784081571086
作品紹介・あらすじ
カバーイラストは荒木飛呂彦描き下ろし!
評伝を積み重ねて描く、本邦初の本格的アジア通史全編書き下ろし。
「アジア」と名指される広大な領域を、東西南北、古代から21世紀へと、縦横無尽に駆けめぐる。
現代のアジア史研究の第一人者である編集委員たちと、東洋史研究の伝統を継承した人々が、古代から21世紀までを展望し、圧倒的個性を掘り起こす!
「月報」エッセイ・浅田次郎
羽地朝秀/雨森芳洲/徳川吉宗/荻生徂徠/
李イク/乾隆帝/阮恵/阮福暎/ハイダル・アリー/
ラームモーハン・ローイ/ミドハト・パシャ/
中央アジアの知識人群像/容コウ/西太后/袁世凱/他。
感想・レビュー・書評
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17世紀から19世紀のアジアの歴史を人物に軸を置いてみていく。近代にどうむきあうのか、その辺に関係する人物が結構でてくる。あと、この巻でも思想や文化系の人が多いです。
https://historia-bookreport.hatenablog.jp/entry/2023/02/17/134532詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ご執筆箇所:第6章p280-336
<紹介文>
本書は、有名無名の様々な人物の評伝を重ねて、アジアの歴史を描こうというシリーズの中の一冊です。現代につながる「アジアのかたち」が完成した17~19世紀の歴史が、その時代に生きた人々の事績を通じて浮かび上がるように構成されています。
私が担当したのは第6章の清朝全盛期で、乾隆帝をメインの人物として取り上げました。この時代の清朝は最大版図と空前の経済的繁栄を実現しましたが、その繁栄ぶりは乾隆帝の華やかな個性と自信にあふれる言動に体現されていました。乾隆帝の晩年には、すでに新しい時代の動きが始まっていたのですが。
様々な地域や分野で活躍した人物を通して、18世紀アジアの輝きを読み取っていただければと思います。
(谷井 陽子先生からのコメント)
TEA-OPACへのリンクはこちら↓
https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00607783 -
大部なので、中朝越の章を中心に読む。越の阮恵と阮福暎、特に反乱者か民族英雄かという前者の歴史的評価は、ほぼ予備知識がなかっただけに興味深かった。また西山の乱と阮朝成立は、「東南アジア大陸部の秩序再編」とあるとおり、清を含む周辺国、更には仏を中心とする西洋とも深く関わっていたと認識。
清では、乾隆帝の盛世の中に既に衰退の種は埋め込まれていたとの気がしてならない。また、西太后と袁世凱には、清末新政の漸進改革もあり、否定一辺倒ではない評価。袁世凱の独裁的政治手法は、道徳的に正しいとは言えないとしつつも、中央集権型近代国家を建設するという彼なりの選択の結果とも言えるとする。
朝鮮の章は専ら儒学を論じていたので馴染みはなかったが、朱子学の正邪二元的思考が学術界も政治党争も席巻したというのはさぞ息苦しかっただろうと想像。朝鮮後期には相対化されたとのことだが。 -
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