ニーナとうさぎと魔法の戦車 (ニーナとうさぎと魔法の戦車シリーズ) (スーパーダッシュ文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086305679

作品紹介・あらすじ

戦災によって放浪の身となった少女・ニーナ。ある日、彼女は結婚式会場から食事をくすねようとしているところを見つかってしまう。警察に突き出されることを覚悟したニーナだったが、魔動戦車とともに現れた少女たちによって赦される。彼女たちこそ、戦争が生んだ災厄・野良戦車から街を守る私立戦車隊…通称・首なしラビッツのメンバーだった。そこに野良戦車の襲撃を知らせるサイレンが鳴る。かつて戦車に乗っていたニーナ。そして砲手がいないラビッツ。ラビッツの戦車長・ドロシーはメンバーたちに向かって言い放った。「たった今、新しい砲手が見つかった!」第9回SD小説新人賞大賞受賞作、堂々登場。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルや表紙絵はふんわり可愛らしい印象だけど、題材や内容はかなり重い……
    魔法や美少女要素でカモフラージュしてるけどモチーフは核戦争後の世界だよねこれ。
    主人公たちに次々と逆境や不幸は訪れるけど、基本的には後味悪くない読後感で終われてよかった。
    ヒロインたちの味付けはさすがに10年前の萌え記号だなーって感じはするけど(2010年の作品なんだからそれは当たり前)そこもまた可愛い。

    これ、ガルパンより前の作品なのかぁ。
    当時としては割とユニークなテーマだったんだろうなー。

  • かなり好みな内容だった。
    冒頭からして、主人公のニーナがかなり追い詰められ、犯罪行為に走り、捕まったと思ったら捕まえた側もかなり追い詰められているという殺伐とした雰囲気には驚き、楽しめた。
    その後、私立戦車隊ラビッツのメンバーに出会い仲間として迎えられた訳だけど、メンバーに弄られまくりだったね。メンバーも色々と個性的な面々だった。後は、百合百合しい
    [more]
    途中、戦車中隊での大規模な戦闘とその結果がニーナにもたらした影響がトラウマとかでは無かった事には驚いたな。戦車に乗る事を楽しむ感情と戦闘が生み出した被害に板挟みになっている所は可愛らしかったね。
    最後の決戦前にラビッツのリーダーのドロシーは『首なしラビッツ』は殺さない。殺した事は一度も無いと啖呵を切ったのはかっこよかった。
    マドガルド元大佐との決戦は知恵と勇気を振り絞り戦っていたけど、最後の戦車ごとの吶喊は単純に熱くなれたよ。

  • 大筋はチーム組んで戦車に乗って戦争という暴力と戦う話
    部分部分のコメディや燃え描写は良いのだけれど
    キャラクタ配列や舞台設定やお話構成にいろいろ無理がある話
    戦争すなわち暴力が敵という主題を上手く活かせているお話でない
    『鉄球姫エミリー』の1巻(2巻以降でなく)と比較するとかなりのばらばら感
    今後の立て直しには期待

  • 戦争と戦うと言う青臭いテーマ、戦車という重ったるいリアリティ、魔女の存在が橋渡しして実現されるファンタジー、血を流す右乳房、女の子が魔法板をカチンと噛むという仕草が織りなす瞬間的ビジュアルの可憐さ。
    作品を通して、芯がガツンと一本通されてる感が明瞭で素敵。

  • あとがきの方が面白い。話が単調で、頁をめくる手がなかなか動かなかった。キャラの可愛さに免じて星二つ。

  • 乗り物の主立った動力源が魔力である世界に於いて、世界規模の大戦が起こり、
    一人のマッドサイエンティストにより戦争を一気に終結に至らしめる爆弾が投下され、
    多くの兵器(戦車)が機能停止に陥り、有耶無耶に戦争終結が為されてからの物語。

    戦争による後遺症により社会は未だ不安定であり、
    更には先の大戦で投下された爆弾の影響により、動かなくなっていた戦車が
    魔力により勝手に動き始め、そうした野良戦車を掃討する戦車を駆る私設部隊の一つがラビッツ。

    ラビッツが拠点とする市に幼少に身売りされ、途中で逃げ出してからは盗みで食いつないできた
    少女ニーナは、ラビッツの催していた会食の料理を盗み食いしていたところを捕まり、
    それが縁で以前無理矢理戦車にも乗らされていたニーナは戦車に乗り、共に戦っていくことに。

    ラビッツのメンバーの娘達は皆それぞれに戦争の影響を受けた過去を抱えています。
    そうした背景が彼女たちを戦いに向かわせ、戦いが無くなることを目指します。
    ニーナも歪んだ思考を彼女たちと接する間に次第に解ぐされ、
    その後爆弾の投下により戦後の混迷をもたらした戦犯が脱走し、
    ラビッツのいる市に攻め入ってきます。
    歪み端的な思考に囚われ、押しつける戦犯の挑戦に対し、
    ラビッツと、自分の新たな道を模索するニーナは敢然と立ち向かいます。。。

    2巻では前巻の戦いを終え、一旦生き別れた家族に会いに旅立つニーナ。
    訪れた先の市は曾ての荒んだ状況から一変した姿を見せていました。
    そこでニーナは改革を推進する眼帯少女の市長との出会いを果たします。
    彼女の政策により、ニーナの家族らは市の外れにある新設の村に移転していた事が判明。
    目的通りに再開を果たしに行ったものの、売られたとの思いに蟠りを覚えるニーナ。
    しかし、豊かな土壌で再起を図る難民の村には、戦車を操るならず者により搾取が行われていました。
    しかもその略奪者は曾てニーナを扱使った戦車乗りの主犯であり、
    ニーナは当時ニーナを逃がしてくれた女性を助ける形で難民村の人々に反抗を訴えますが・・・。
    単なる略奪問題だと思ったものが、更には裏があり、そこから事態は急展開していきます。。。。

    文章も特別悪乗りしているものもみられず、話も跳んでいません。
    読み易い内容で楽しめる作品だと感じました。

    只一点気に掛かった箇所は、転換場面などの台詞の箇所で1字置きで表現している事。
    恐らく強調する意図によるものと考えますが、私個人としてはそれはどうなのかなと。
    1字置く事により、字数を稼ぎ、即ち頁と言う平面上に台詞が占める割合が増えますね。
    それによりインパクトを持たせていると解釈したのですがどうでしょう?

    私見ですが1字置きは強調の効果よりも逆に本来通しで発生されている筈の台詞に

    一拍が絶え間なく生じている様にしか取れないと思います。

    例えば

    「私は諦めない!」

    とあるとすると

    「私 は 諦 め な い !」

    となっており、この表現の部分でどうしても勢いが削がれている印象を拭えませんでした。
    強調ではないのかもしれませんが、強調の意図があるとすれば他にも方法があると感じます。
    近年は豊富な字体を活かし、字体を変更してくる場合もありますし、
    フォントサイズの変更や太字にする等より視覚的に分り易い手法をとれると思うのですが
    何故こうするのかが、どうしても腑に落ちませんでした。
    これ自体は1冊の中で5回あるかどうかなので、大きな問題ではありませんが、
    読んでいるとどうしてもここで気が殺がれるのが勿体なく感じています。
    私としては空白も1字で表現されているものだとの認識があるので。
    些細な事ではありますが。。。

  • 女の子だけ戦車隊物語。
    ディティールの緻密さよりも勢いで、でも良い世界観だと思います。主人公の心象問題は些か簡単に、あっさりと解決してる気もしますが、テンポ良くどんどん進む感じ。

  • しっかり構築された世界観と、心温まるお話と、可愛い女の子。三拍子揃ってた。

  • 少々ご都合主義だが、シリアスさと爽快さのバランスが良く、面白い。

  • 異世界ファンタジーのつもりで読んだら(いや実際そうなんだけど)、戦争の雰囲気が現実世界のあれを惹起させるもんでびびった。

    いい意味で表紙や絵に騙された。中盤辺りとか特に。
    ピジョン・・・(;_;)

    ただラストは、こんなに上手くはいかんだろう・・・と思う。あんな極悪非道に語られてるラスボスが、ああもあっさり反省するとも思えない。
    そこをのぞいたらもっとよかったのになぁ・・・。

    しかし女の子がかっこかわいいので素敵。ドロシーかっこいい!
    そしてあくまで過去は過去で、さらっといってしまっているのがいい。みんなの過去を語るくだりは熱かった。

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