- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784086803014
作品紹介・あらすじ
「ちょっと生きづらい」と感じる、すべての人へ――
2019年ノベル大賞・大賞受賞作!
僕がひきこもりになって十年が過ぎた。
今は二十四歳になるらしい。
―中略―
でも、生き方が分からない。僕はみんなが簡単にしている生き方を知らないんだ。
影山俊治は、中学時代のあるつまずきが原因で自室から一歩も出られなくなり、ゆるやかな絶望の日々を送っていた……。
「おはようございます。影山俊治さん」
そんなある日「ひきこもりを家から出す」プロ集団から、敏腕メイドが派遣されてきて……!?
不安に押しつぶされそうになりながらも、ずっと大切にしてきた「自分だけの世界」が変わりつつある。部屋から廊下へ、廊下から階段へ――。
圧倒的当事者感で語られる
切なくも優しい「再生」の物語!
感想・レビュー・書評
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引きこもっていた 空白の時間への葛藤
外の世界から敵意を感じてしまうこと
経験値不足からの恐怖など
読む前には 想像つかなかったことを
リアルに考えられたと思います詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
中卒25歳ヒキニート。
彼を救うは、メイド服姿の美少女。
いやいや、夢ですよ。
と言いたくなる部分もあるけれど、お金を払ってでも、自分の心を受け入れてくれる存在が欲しい時ってきっとある。
でも、それは想いが見えている段階なんだろうな。
何もしたいと思わなかったり、何も感じないままに、ただ時間だけが積み重なっていくことから、まず一歩踏み出すことが、まず途方もなく難しいのかもしれない。
自分にとっても、自分の身内にとっても、無関係な話じゃない。
だからこそ、人の優しさでしか救えないという言葉は重い。 -
ひきこもりからの再生の物語。身につまさせるように刺さりました。こんなプロ集団がいるのならうちにも来て欲しいです(部屋からは出ていますが外には出ない)
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珍しく本屋さんで衝動買いした本。それなりにおもしろかったので、最後までスルスルと読めた。でも、最後の方は飽きてきた。
それにしても、一回陰口を言われたのを聞いてしまったぐらいで、学校に行けなくなり、10年も引きこもりを続けてしまうなんて、驚きだ。そんなことに負けない精神力をつけるにはどうしたらいいんだろう? それとも、生まれつき発達障害なんだろうか。 -
令和2年3月発行のYAだよりで紹介された本です。
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中学校時代に学校で自分の悪口を聞いてひきこもりになった25歳のひきこもりの主人公が、ひきこもりを卒業するまでの物語。
引きこもりを卒業させるためのエージェントが美少女のシスターという設定以外は普通の内容で、小説として読んだ場合には物足りなさがありました。それでも最後まで読ましてくれたのは、引きこもりの心情のリアルな描写であったり、少しずつ光の見えてくる流れだったりするからでしょうか。 -
1人分の涙と体重を受け止められた時、僕はようやく救われた気がした
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図書館で借りた本。中学生の時にクラスメイトの女子からキモいよね。と自分の事を話していた言葉を偶然耳にした事から学校に通えなくなった俊治。そこから24歳になるまで家から出れなくなってしまう。本人は8050問題も理解していながらも、毎日ネットやゲーム三昧の日々。ある日若くて可愛いメイド姿のハウスキーパーが来て部屋の掃除をしてくれるようになり、次第に親とも話すようになって最後は就職もできた。この主人公がずっとひきこもっても両親が現役の時は息子の世話も大丈夫だろうが、老後は病気や金銭の不安も出てきるし、王様みたいなひきこもり生活はどうせできなくなるはずだろう。若くて可愛いメイド姿の女の子がひきこもりの世話をする設定は妄想の極み。
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「ひきこもり」の息子の再生をめぐる、両親とメイドの物語。10年間ひきこもりだったのであれば、真の再生までには10年間かかる。両親の覚悟に涙。そして息子の気持ちに寄り添い、一歩一歩再生していく姿に涙。
読後、素晴らしいストーリーだが、若くて、可愛いメイドでなかったらこのひきこもりの息子はどうなるのか?と思う。