これは経費で落ちません! 7 ~経理部の森若さん~ (集英社オレンジ文庫)
- 集英社 (2020年5月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784086803182
作品紹介・あらすじ
会社合併を控え、異例の若さでの主任昇進を打診された沙名子の悩みはつきない。
給料は大して増えないのに、責任が増えると思うと憂鬱になる。
女性活用を推進したい会社の方針で、優秀だからではなく女性だからという理由の昇進なのだろう。
結婚や出産することは会社に迷惑をかけることになるのか。
合併予定の会社のひとつ、トナカイ化粧品でほぼひとりで経理を担ってきた槙野という童顔の男と経理システムについての調整作業をする中で、彼のつけている腕時計がトナカイ化粧品の給料からするとずいぶん高級な物だと気づいた沙名子は、詮索してしまう自分を戒めるが……?
同期入社の入浴剤開発者・鏡美月の結婚式も行われ、沙名子と太陽の関係にも重大な変化が!?
大人気シリーズ第7巻!
感想・レビュー・書評
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〈経理部の森若さん〉シリーズ第七作。ここからはテレビドラマ版終了後の話。
半年後に〈トナカイ化粧品〉と〈篠崎温泉ブルースパ〉二つの会社を吸収合併することになった〈天天コーポレーション〉は大忙し。
〈トナカイ化粧品〉の経理担当者である槙野に〈天天コーポレーション〉の経理システムの使い方の打ち合わせをしていたところ、彼の腕時計だけが他の持ち物や身なりに対して高級過ぎることに森若が気付いてしまう。
前作の終わり方がああだっただけに、この二社との合併には不安要素しかなかったのだが、新社長の円城格馬始め経営陣がゴーと決めた以上は社員は従うしかない。それに新発田部長はともかく、田倉勇太郎は「仕事に関しては」シビアな視点を持っているのだから、彼が二社の経理資料を精査しているなら間違いないだろう。
今作は様々な仕事に対する意識や働き方、引いては生き方までを見せられた回だった。特に〈天天コーポレーション〉では結婚する人が続き、森若も「結婚」を意識せざるを得ない。
そういや前作では「結婚」を高らかに宣言して敗者から一転、勝者のごとく会社から退場した人がいた。
冒頭森若に主任昇格の話が伝えられる。仕事に対する正当な報酬を貰えれば良しという考えの森若には給料は大して増えないのに業務と責任が増える昇格人事は迷惑でしかないのだが、辞令である以上断れない。
だが総務の平松由香利は覚悟を持って総務課長になる辞令を受ける。彼女は前作の彼と結婚するのだが、その結婚後の生活や生き方を見据えた上での覚悟だった。
『昇進するなら女性だからではなくて、優秀だからという理由であってほしい』
二人とも『優秀』だから来た昇進人事だが、世の中には確かにそうではない人事もある。適材適所でない人事は本人も周りも不幸にしかしない。
前作で晴れて正社員になれた室田千晶だが、何故か楽しそうではない。むしろ切羽詰まっている。彼女のプライベートも切羽詰まっているのだろうか。彼女の後任としてショールーム担当になった契約社員の橋口優芽は千晶と真逆で契約した仕事以上のことはしない。
なのに何故か橋口優芽の方が優秀に見えてしまう。それは後に分かるのだが、半年契約で良かった。サイコパス山崎と同じで優秀過ぎるのも何だかな。
新社長の円城格馬と結婚した研究所の美月は仕事も態度も全く変わらない。
営業の鎌本の女性観結婚観の傲慢さも変わらない。
仕事ではあんなにシビアな田倉勇太郎が友人や好きな女性への情には簡単に流されるのも変わらない。
人生いろいろ、働き方もいろいろ、恋愛も結婚もいろいろ。それぞれが納得していてそれで幸せなら良いじゃないか、と思うのだが。
ここに来て、森若と太陽の交際に激変が起こる。いや働いている以上、そういうこともあるだろうと思うが、意外にも森若は激しく動揺する。これが初恋なのだから仕方ないとも言えるが、鉄の女で毒針も持つ森若が恋をすると結局普通の女になるのかとちょっとガッカリもする。しかし田倉勇太郎と同じで太陽に関して以外は森若らしさがあるのだからまあ良いか。
そしてサイコパス山崎が…やっぱり鋭い。
次回作はいよいよ二社が合併するのか、そこにどんな混乱と更なる問題社員が加わるのか。怖い怖い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今作も面白い!
なぜかいつも淡々と読み続けてしまう面白さ。
やり過ぎ感がある訳でもなくアラサー女性の日常がリアルに描かれている感じに好感が持てる。
欲を言えば、沙名子さんの日常ルーティンの部分がもっと読みたい!
そして優芽ちゃんの優しさ&ドライな感じも、真夕ちゃんのバランスの好さも良き!
次作も楽しみ(^^)
テレビドラマのせいか沙名子さんのイメージがだいぶ多部未華子さん寄りになってしまった^^; -
わーい。待ちに待った「これは経費で落ちません。7」!!
満足させてくれるわ。相変わらず
森若沙名子好き。
生活態度ポリシー、考え方諸々沙名子が好き。
波長があうというか。
いよいよ、天天コーポレーションも合併というか統合も落ち着き、
まあ鏡美月の結婚とか、ちゃんとストーリーに
変化はも立たせてる、会社の内容が生き生きと手に取れる「テレビを見たせいもあるけど」
まだまだ、8.9と楽しめる。
山田太陽も変わりない山田太陽だわ。
ノーテンキに楽しめるのもたまにはいい。 -
会社の体制が大きく変わったのだけれど、何かちょっと話が飛んでる気がすると思ったら、7巻を読み飛ばしていました
短編集なので前後してもなんとかわかる感じがします
期間が空かなければですが・・・
7巻は合併準備の話、8巻は合併後の話となります
主人公を含め、社員それぞれのプライベートなネタが多めでした
視野の狭い人の登場も多め、でも世の中の人の視野がみんな広かったら問題なんて起こりませんよね
そんなこと知ったこっちゃ無いと思いつつ、深掘りしてしまう森若さんには共感してしまいます -
乙女モードの森若さんも良い。
自分で関係ないと思いながら、美月の結婚で否が応にも意識してしまう。30手前の女の心理である。
太陽の底抜けの明るさにいつも救われる。
あと、このシリーズは“ちょっと物足りない”描写が逆に爽やかで良い。沙名子と太陽のやりとりをもっと読みたいけど、ないからこそ想像力が働くと言うか。 -
7巻目まで読んでしまった。
やっぱり沙名子と太陽がしっくりこない。
年齢やまわりの結婚を気にかけるのはわかるけど、もう少しひょうひょうとして欲しかったなぁ。
あとやっぱり千晶は好かん!
かかわったら面倒なややこしい女性だなと思う。
女の足を「ずるい」で引っ張る女はいかん。
契約社員の優芽さん、有能そうで美華さんぽくて好きだな。
千晶さんとはタイプも違うし合わないだろうな。
優芽さんのほうが上手だね。
熊井の安定のダメ人間ぶりが垣間見れて面白かった。人間そう簡単に変われないね。
勇さん、相変わらず振り回されてて気の毒ではある。 -
6巻の終わり方でどうやってつなげていくのでしょうか?
と思ったら7巻もしっかりまとめましたね
天天コーポレーションとトナカイ化粧品の合併
鏡美月と次期社長の結婚式
森若さんの主任昇格
太陽との恋の行方
森若さんの恋がだんだん素直になって恋する乙女って感じでした
太陽が大阪に転勤が決まって森若さんの素直な気持ちいいですねぇ~
社内では付き合っていることを秘密にしていたが・・・バレた!!!
誰にバレたのかは本を読んでね
面白かった!!!!
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森若さんのロボット的なストイックさが、周囲の人間たちによってどんどん人間臭さがでてくるのがかわいい。太陽の影響は大きいけど、けっして男の影響ばっかりではないところも好き。
昇級についても、答えは決まってるけど返事をするのに期間を置いたりするところが森若さんらしい。
巻末に必ずある真夕ちゃんに毎回癒される。 -
9巻を読んでから、改めて読み直していたのですが、7巻がないことに気づき…「私としたことが!!」と急いで7巻を買いに行きました。3社の合併のことなど書いてあったし、内容的にもとても面白かったので、やっぱり読んでよかったと思いました。実際、一経理部員の森若さんがそこまでするか?とも思いましたが、私はトナカイ化粧品の槙野さんの話が好きでした。トナカイ化粧品と戸仲井社長のために頑張ってきた槙野さんが、有給休暇も取れ、また天天コーポレーションの製造部で働けることになって、ほんとに良かったです。槙野さんのスマホの待受の家族の写真のところでは、ちょっとウルウルしちゃいました。
エピローグの真夕ちゃんの話がとても好きなのですが、今回は地蔵の新発田課長が良い味出してましたね〜これからもお供えしてあげないとね、真夕ちゃん。私は真夕ちゃんの場を和ませる雰囲気がとても好きなので、真夕ちゃんにも幸せになってもらいたいな〜(できれば鈴木宇宙くんと♡)